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羊さんたちの遊卓

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【9-2】手品ですよ?

 
【1月1日】
 
 ひしひしと、人の気配が近づいてくる。
 まるで遠くから打ち寄せるさざ波のように、ひしひしと。
 やがてふくれあがった海面は、日付が変わると同時にどうっと崩れ……参拝客が押し寄せてきた。
 参道も、石段も、境内も、見渡すかぎり人、人、人。

 いったい、どんな物理法則が作用してるのだろう?
 こんな真夜中に。見慣れた神社の中に、大勢の人があふれるなんて!

 玉砂利を踏む音、神前の鈴を鳴らす音。かしわ手を打つ音、さい銭を投げる音、そしてお守りや破魔矢につけられた大小さまざまの鈴の音色。祝詞を上げる声、話す声、ささやき、笑い、咳払い、そして携帯の着信音。すべて混ざり合い、響きあう。

 境内では甘酒と神酒が振る舞われ、札所にはひっきりなしにお守りやお札、絵馬を求める人々が訪れる。いや、押し寄せた。

 中でもとりわけ、新商品の「ペア守り」が大人気。
 もともと朱色と藍色のお守りをペアにした「夫婦守り」(もちろん夢守りの鈴付き)があった。
 それを、ほんのり淡い山吹色と、水色の組み合わせにして男女どちらが持ってもよいように改良し、さらに、ミニサイズにして「携帯ストラップ」として持ち歩けるバージョンも追加したのだ。

『恋人や友達、親子、夫婦、兄弟、姉妹。あなたの大切な人とペアで』
『いざという時は交換して』

 …そんな一文を添えて。
 夫婦以外にペアの組み合わせが広がったことで、大幅に需要が増えたらしい。

「これをください」
「ペア守りですね。はい、800円お納め願います」
「ありがとうございました、良い御参りを」

 文字通り飛ぶように売れて行く。

「Excuse me……」
「はい! ……って」

(英語だーっ)

 窓口に立っていたのはダークグレイの髪に青い瞳の男性だった。とっさに言葉が続かず、口をぱくぱくさせていると、すかさずロイが進み出る。

「Yes sir. 何をお探しですか?」
「こちらの動物のアミュレットには、どう言う意味があるのですか? 星座とはちょっと違うようだね」
「これはジュウニシと言って、生まれた年で決まるガーディアンです」
「なるほど。私は1970年生まれなんだが」
「では戌年ですね。こちらがそうです」
「私のガーディアンは犬なのか! こりゃあいい。ワイフは1979年生まれなんだが……」
「では未年ですね。こちらになります」
「羊か。かわいいな。では一つずつお願いします」
「ありがとうございます。合計で1000円です」

 青い目の紳士は上機嫌で干支守りを抱えて帰って行った。

「あー、びっくりした……そうだよな、日本人以外のお客さんが来るってこともあるんだよな……」

 クリスマスにサンフランシスコに行った時は、自分が外国の中に居た。だから常に『英語で話しかけられるぞ』と身構えていた。
 しかしさっきのは不意打ち。とっさに英語が出てきてくれなかった。

「ありがとう、ロイが居てくれてすごく助かった!」
「い、いや、ほら、ボクにとっては母国語だし。コウイチの役に立てただけで嬉しいヨ」
「おまえってほんっといい奴だな」
「そ、ソウカナ……」
「すみませーん」
「っと、お客さんだ」

 再びぱたぱたと飛び回りつつ、風見は『ん』と首をかしげた。

(さっきの人、だれかに似てたような……)

 黒に近いグレイの髪にはゆるやかなウェーブがかかり、瞳は薄い青。だが光の加減のせいか、さっきはほとんど紺色に近く見えた。
 そして、紳士的で礼儀正しい物腰。

(あ……そうか)

 あの人、何となくランドールさんっぽい。
 
 一方、サクヤと羊子は本殿に詰め、厄除け、招福、家内安全。宮司の補佐につき、おごそかに祈願を行っていた。
 二人ともメガネを外し、並んで神楽鈴を振る姿はまさに双子巫女。
 声を合わせ、よどみなく祝詞を唱えていたのだが……

「あっ」

 じゃらん、と床に鈴が転がり、調和が乱れる。だがほんのつかの間。
 一人が鈴を拾う間、もう一人は変わらず軽やかに鈴を振り続け、やがて何事もなかったかのように祝詞が再開された。

 そして三上蓮は……

「はい、大丈夫ですよーもうすぐ、パパとママが迎えにきますからねー」

 かいがいしく親とはぐれた子どもたちの世話をしていた。
 普段は参拝客用の無料休憩所として使っている建物が、迷子預かり所にあてられていた。さすがにそのままでは寒いので、ダルマストーブを炊いていたのだが……
 よりによって明け方近く、ウンともスンとも言わなくなってしまった。灯油はまだある、十分ある。だが、動かない。

「こんなときに壊れるとは、間の悪い……」

 サクヤの携帯に連絡を入れるが、祈願の最中らしく、出ない。やむなくメールを入れるにとどめる。

(冷えは体に毒ですし、結城くんが来てくれるまではこれで凌ぐしかありませんか)

 ぽうっと三上の手のひらに炎が灯る。意識の底から呼び出された、燃やすべき媒体を必要としない、純粋な炎。
 カムフラージュ用に一応ストーブの中に移そうとして、ふと気配を感じる。

「わあ」

 3才ぐらいの男の子が一人、目をまんまるくして見取れていた。
 しまった。
 だが幸い、この子はまだ幼い。すかさずにっこりとほほ笑みかける。

「ああ、これは手品ですよ、手品。これしか出来ないんですけどね」
「てじな?」

 炎をぐにょーっと伸ばして、空中にハートや星、犬、馬、猫を描き出す。

「すごいすごーい」

 男の子は大喜びで、紅葉のような手をぱちぱちさせている。

「つぎ、ピカモンやって、ピカモン!」
「ピカモン……ですか……努力してみます」

 さて、どんな形だったかなあ……。

「はい、ピカモン」
「ちがうーっ! もっと尻尾が、ぐにぐにーっとしてるの!」
「……こんな感じ?」
「もーちょっと、わしゃしゃーって!」

 なかなかに厳しい審美眼をお持ちのようだ。

「……これでいかがでしょう」
「まあ、いいでしょう」
「ありがとうございます」
「三上さん!」

 10分ほど試行錯誤を繰り返し、ようやくOKが出た所にサクヤが息せききって駆けてきた。

「ストーブ壊れちゃったんですか!」
「ええ。お願いできますか?」
「はい」

 サクヤがストーブに手を触れ、意識を集中する。三上の目には一瞬、彼の姿が二重映しになったように見えた。

「はい、これでもう大丈夫ですよ」
「ありがとう、助かりました」
「ストーブ壊れてた割に、あったかいですね」
「ええ、まあそれなりに」

 何食わぬ顔で、三上は手のひらにぽっと火を収めるのだった。
 
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【9-1】夢守りの神社

 
 長い長い石段を上った先の、こんもり茂った緑の森の懐奥深く、その神社は在った。
 ひっそりと。
 森の空気に溶け込むようにして、ひっそりと。

 土地の神、龍の神、そして雷の神を御祭神にいただくその社は『夢守り神社』と呼ばれ、悪夢を祓い、すこやかな眠りをもたらすとして古くから近在の人々に厚く信奉されている。

 普段は記憶の底に埋もれていても、必要とされる時には何故かふっと心に思い浮かぶ。
 その名を代々の祭祀の一族にちなみ、結城神社と云う。
 
(ぱしゃり)

 静まり返った境内に水音が響く。
 神社の奥の院にしつらえられた石組みの浴槽には、澄んだ水がなみなみと満たされている。
 無論、湯ではない。
 水だ。
 
 森の木々と、降り積もる落ち葉に育まれた柔らかな土の奥からわき出す泉の水。土の温もりを含むが故にわずかに外気温より高く、夜の空気に触れるそばからうっすらと、綿を刷いた様な白いもやが立ち上る。

 湯殿を照らすのは下弦の月と星明かりのみ。遮る壁も、屋根さえもなく水の面に映りゆらめく。
 ……いや、それだけではない。木立の合間をふわふわと、蛍のような光が飛び回っている。

 そのわずかな灯の中、折しもほの白い裸身が二つ、水を浴びていた。

「そろそろ上がろうか」
「そうだね」

 一人が勢い良く立ち上がり、次いでもう一人がそ、と水から上がった。
 なめらかな肌身を水滴が伝い落ち、二人の足下に小さな水たまりを作る。

 水気をぬぐい去り、素肌の上に白い肌襦袢を羽織る。さらにその上から白衣(はくえ)をまとい、きりっと紐でしめて赤い袴を履く。
 仕上げにつややかな黒髪を櫛で梳き、きちんと紐で結いまとめる。
 ちりん。
 紐の先端で小さな金色の鈴がゆれた。

「行こう、サクヤちゃん」
「うん、よーこちゃん」

 本殿に向かう二人の間をほわほわと蛍に似た光が舞い、足下を照らす。
 幼い頃より通い慣れた道筋だ。夜でも迷うことはない。
 
 
 ※ ※ ※
 
 
【12月31日】
 
「ふーっ、なんか、いつもと雰囲気違うなあ」
「厳かだネ」

 石段を上りきると、風見光一はあらためて周囲を見回した。
 12月31日、時刻は21時を少しまわった所。境内はすでにくまなく掃き清められ、真新しいしめ縄、しめ飾り、青々とした門松が飾られている。
 
「あと数時間で、参拝客でいっぱいになるんだな。参道も、本殿前も、札所も」
「日本の初詣で、体験するのは初めてだからワクワクだよ!」

 話すたびに吐く息が白い。

「行こうか。先生たちが待ってる」

 宮司一家の住居と宿坊を兼ねた社務所には、既に神社の人々が装束をまとい、集まっていた。
 羊子の父であり、現在の宮司である結城羊治は紫色の袴。三上蓮は浅葱の袴。
 そして羊子とサクヤ、二人の母はそろって緋色の袴の巫女装束。

「お、来たな風見、ロイ」
「こんばんわ」
「明けましてオメデトウございます」
「まだ早いって」
「つ、ついっ!」
「テンション高いなー、ロイ」

 ロイはぽっと頬を染めた。

「はいっ! お正月は、日本のココロですから!」
「あれ、サクヤさん髪の毛が長い?」
「ああ、これね。かもじを付けてるんだ」
「カモジ?」
「エクステンション(つけ毛)だよ」
「なるほど」

 そろって巫女装束をまとい、髪形も同じになった二人はそれこそ双子と言っても通じそうだ。つい、しみじみと見てしまう。

「あれ、そう言えば蒼太さんは?」
「常念寺に手伝いに行ってるよ」
「ああ、除夜の鐘か」

 むしろそっちが本職。

 一通り挨拶をすませたところで羊治が立ち上がった。

「それでは、担当部署の分担を説明しよう。風見くんとロイくんは札所を」
「はい」
「御意」
「サクヤくんと羊子は私の補佐で本殿に」
「はい」
「了解」
「三上くんは迷子預かり所を頼む。大変な仕事だが、氏子さんたちがボランティアで手伝ってくれるから心配ない」
「わかりました」

 神妙にうなずいてから、三上蓮はひょいと片手を上げた。

「宮司さん、一つ質問が」
「何だね?」
「熟練者二人をペアにするよりも、それぞれを風見くん、ロイくんとペアにした方が効率がよいのではありませんか?」

(NOOOOOOO!)

 その瞬間、ロイは心の中で全力で叫んでいた。

(せっかくコウイチとペアになったのに! 二人っきりの時間が!)

 応対すべき参拝客の存在はノーカウントらしい。

「それはちがうわ、三上さん!」

 ひょい、ひょい。
 瓜二つの女性がそれぞれ三上の右と左に顔を出す。羊子の母、藤枝とサクヤの母、桜子だ。こちらは本物の一卵性双生児。どちらも小柄で頬はつやつや、童顔で。それぞれ息子、娘と並んでも姉妹と言って通じそうだ。

「と、申しますと?」
「サクヤちゃんとよーこちゃんはね……」
「一緒に組ませた方が集客率が高いのよ」
「御祈願の申し込みもぐっと増えるしね!」
「もちろん、札所に入る時も一緒よ」
「お守りの売り上げも跳ね上がるしねっ!」
「……なるほど、商魂たくまし………いや、適切な判断です」

 高い澄んだ声でさえずる二人の母を見て風見は秘かに納得していた。

(やっぱり……ヨーコ先生のお母さんだよなあ……)

「それじゃ、支度してきますね」
「おう、よかったらこれも使っとけ」
「カイロですか……」
「冷えるよ、袴は。稽古の時とちがって動かないしね」
「あ、確かに」

 社務所の奥で着替え、袴を履こうとしてふと風見光一は手を止めた。

「……赤」

 然り。何故か準備されていたのは緋色の袴だった。

(まちがえたんだろうか。それともわざとだろうか。あ、でもサクヤさんも赤い袴履いてたし。こう言うものなんだろうか)
(お正月特別バージョン……とか?)

 赤い袴を手に真剣に考え込んでいると、ほとほととふすまを叩く気配がする。

「風見くん、風見くん」
「あ、三上さん」
「宮司さんから預かってきました。はい、これ」

 渡されたのは浅葱色の袴。ほっとして身に付けた。
 が。

「おい、ロイ、それっ」
「No problem!」

 やがて。

「お待たせしまシタ!」

 支度を終え出てきた高校生二人を見るなり、一部の人々は「え」と言う表情で凍りついた。
 風見はいい。白衣に浅葱色の袴、一般的な神官の服装。これは、まったく問題ない。約二名ほど残念そうな人がいたけど気にしない。
 遠慮がちに羊治が口を開く。できれば見なかったことにしてスルーしたい。だがこの場の責任者は己なのだ。やはり、自分が確認しなければ。

「ロイくん……その格好は……」

 白衣に緋色の袴、さらりと揺れる金髪のロングヘア。さすがニンジャ、変装は完ぺきだ。

(浅葱の袴をちゃんと二着渡したはずなのに、何故!)

「巫女さんデス」
「それは分かる。でも、何で?」
「日本のお正月と言えば巫女さんデスから!」
「そ、そうか……」

 胸を張って答えるロイに対し、それ以上言う言葉はなかった。

「どこで覚えたのかな……」

 サクヤはそ、と額に手を当てた。
 一方、W母さんsは金髪巫女さんを右から左からまじまじと観察し、それからおもむろに顔を見合わせ、うなずいた。

「採用」
「えー」
「有りなんだ……」
「やはり商こ……いえなんでもありません」

「ロイ……お、おまえ……」

 ここに至って羊子がようやく口を開く。何のことはない、今の今まで顔面蒼白で口をぱくぱくさせていたのだ。
 食い入るように、ある一点を凝視して。

「その胸はパットか! 何枚入れた!」
「イイエ、この胸は自前の胸筋デス!」
「何だってーっ!」

 ガゴォン! その瞬間、羊子の頭上に見えない金だらいが落下した。

「ちょっと鍛えればすぐにこれぐらいハ」
「マジかっ」

 余韻もさめやらぬうちに金だらい第二弾、直撃。

「WWE見ればわかりマス」
「くっ……」
 
 よろっと後じさると、羊子はきいっと袖をかみしめた。目の縁にはうっすら涙が浮かんでいる。

「ちくしょお、アメリカンめ……」

 やにわにガバッとロイに後ろから組み付き、ふっくらした胸乳……いや、胸筋をむぎゅっとわしづかみ。

「もんでやる、この、この、このーっ」
「あーれー、何をなさいますご無体ナーっ!」

 ユーカリにしがみつくコアラのように背後からぶら下がり、手をわきわきさせる先生を無下に振り払うには、ロイはあまりに礼儀正しすぎた。

「なりませぬ、なりませぬぅー」

 妙に愛らしい悲鳴をあげてじたばたするばかり。

「……三上さん、あれ止めなくっていいんですか」
「あの構図なら面白いだけですから放っておきましょう。逆ならさすがに止めますけどね」
「外の参拝客の皆さんには見せられないですけどね………」

 笑顔で見守りつつ、三上は冷静かつ無慈悲に状況を分析していた。

(ま、逆はロイくんの立場的にも性格的にも無理だろうし、おまけに……)

 ちらりと羊子の胸元に視線を走らせる。

(……いやこれ以上はやめておこう。彼女の勘を甘く見てはいけない)

 触らぬ神に祟り無し。無い袖は揉めない、いや、振れない。

「不公平だ……どいつもこいつも、男なのに巨乳だなんてっ!」
「骨格が違うんだよ、よーこちゃん」
「一体何に使うってゆーのよ、ええっ」
「いや、それ、普通に筋肉だから」
 
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【9-0】登場人物

 
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【結城朔也】
 アメリカでの愛称はサリー。
 留学先のカリフォルニアから里帰りした23歳、癒し系獣医。
 従姉の羊子とは母親同士が双子の姉妹で顔立ちがよく似ている。
 巫女さん姿がよく似合う。
 
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【結城羊子】
 通称ヨーコ、サクヤの従姉。26歳。
 小動物系女教師、期間限定で巫女さんもやります。
 高校時代、サンフランシスコに留学していた。
 現在は日本で高校教師をしているが、うっかりすると生徒に間違われる。
 NGワードは「ちっちゃくてつるぺた」「メリィちゃん」
 
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【風見光一】
 目元涼やか若様系高校生。羊子の教え子でサクヤの後輩。17歳。
 家が剣道場をやっている。自身も剣術をたしなみ、幼い頃から祖父に鍛えられた。
 幼なじみのロイとは祖父同士が親友で、現在は同級生。
 剣を携えた若武者のドリームイメージを有す。
 今回、なにげに主人公ポジション? (ギャルゲ的に)
 
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【ロイ・アーバンシュタイン】
 はにかみ暴走系留学生。風見の幼なじみで親友、17歳。
 金髪に青い目のアメリカ人、箸を使いこなし時代劇と歴史に精通した日本通。
 祖父は映画俳優で親日家、小さい頃に風見家にステイしていたことがある。
 現在は日本に留学中。いろいろまちがった方向に迷走中。
 ニンジャのドリームイメージを持ち、密かに風見を仕えるべき『主』と決めている。
 ニンジャなだけに変装は完ぺき。 
 
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【三上蓮】
 ちょっぴり腹黒い糸目のお兄さん。
 本職は神父だが現在、結城神社に潜伏中。浅葱の袴の神官姿も板についてきた。
 天涯孤独で教会で育てられた過去を持つ。
 29歳、大柄で意外に鍛えている。
 風見の祖父より剣術の手ほどきを受け、兄弟子にあたる。
 羊子、サクヤとは学生時代から面識あり。
 発火能力の持ち主なだけに火種をまくのが得意。
 発火能力の持ち主なだけに激辛料理を好む。
 
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【蒼太】
 比叡山で修行を積んだ青年退魔師。
 羊子とサクヤ、三上にとっては後輩、風見とロイにとっては先輩にあたる。
 今回、師匠にいいようにこき使われるのを皮切りに、正月から散々な目にあわされる。
 …………合掌。
 
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【藤島千秋】
 風見の幼なじみで羊子の教え子。ロイとは同級生にあたる。
 学校では合唱部に所属するスレンダーな女の子。
 でも将来有望な17歳。
 
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【カルヴィン・ランドールJr】
 純情系青年社長。ハンサムでゲイでお金持ち。
 サンフランシスコ在住の33歳、通称カル。
 骨の髄からとことん紳士。全ての女性は彼にとって敬うべき「レディ」。
 風見とは海と世代を越えたメル友同士。
 狼とコウモリに変身し、吸血鬼を彷彿とさせるドリームイメージを持つ。
 
illustrated by Kasuri
 
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#9「夢守り神社でおめでとう!」

 
事件性皆無の日常編。
期間限定巫女さんスペシャル。
本来は登場人物は全員、『現実を侵食する悪夢と戦う夢魔狩人』のはず、なんですが……
 
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illustrated by Kasuri
 
今回はひたすら神社を舞台にしたシチュエーションコメディに徹しました。
短めのコントの連作。文字で描いた四コママンガとでも申しましょうか。

神社、巫女さん、そして猫。
好きなものを好きなだけ、字数制限に捕らわれずにひたすら書きつづったフリーダムな小品集です。
好きな所だけ読める。好きなときに読める。
気に入ったとこだけ読み返すもよし、さらっと読み流すもよし。

ゆるっとした空気をお楽しみください。