▼ #3「熱い閉ざされた箱」
雑踏の中、予想外のタイミングで背の高い男とぶつかった。がつんと衝撃が来て視界が揺らぐ。
とっさに足を踏ん張った瞬間、彼女の目は現実から異界へとスライドした。
ぐにゃりと周囲の景色が。音が。色が歪んで溶け落ちる。全て混じり合い、渦を巻く。
逃げることはできない。逃げるつもりもない。
さあ、狩りの始まりだ。
illustrated by Kasuri
- 2006年8月、アメリカ、サンフランシスコでの出来事。
- ヨーコ先生こと結城羊子が、旅先で巻き込まれた悪夢事件。それは、覚醒前のもう一人との出会いでもあった。
- 時系列が前後しますが、これが初めて書いたNHD小説です。まだまだ文章が堅いし登場人物の口調も定まっていませんな……。
- 登場するハンターは(覚醒前の一人を含めて)四人。
記事リスト
- 【3-1】はじまりの夢 (2009-08-16)
- 【3-2】巻き込まれて追跡 (2009-08-16)
- 【3-3】甘く香しいお茶の記憶 (2009-08-16)
- 【3-4】熱い閉ざされた箱 (2009-08-16)
- 【3-5】混在する夢 (2009-08-16)
- 【3-6】影との遭遇 (2009-08-16)
- 【3-7】夜を疾走る者 (2009-08-16)
- 【3-8】夢の後で (2009-08-16)
- 【3-9】とりかえっこ (2009-08-16)