▼ 1.ことのおこり
2011/11/28 1:20 【騎士と魔法使いの話】
ことの発端は些細なことだった。
遅めの昼飯食った後。昼下りの白い光を浴びて、居間の椅子に越しかけて食後のパイプをくゆらすフロウの姿をぼんやり眺めてたら、あいつがいきなり手ぇ出して、言いやがったんだ。
「ダイン、お手!」
何の冗談かお遊びか。
あんまり楽しそうにニコニコしてやがったから、つい、たしっと右手を乗せてしまった。
「わうんっ」
「よーしよしよし、いい子だなー」
わっしわっしと頭を撫でられる。これはこれで悪い気はしない。
「よし、おかわり」
「わんっ」
今度は左手。
「……って俺は犬か」
「犬だろ? ちんちん!」
「……脱げと?」
「いんや?」
これ以上ないってくらい真面目な顔して言いやがった。
「ちんちん」
「………」
はいはい。ったく、しょうがねえオヤジだねえ。もうちょい、付きあってやるか。にやにやしながら床にしゃがんで、上半身を伸ばし、ぺっと両手をやつの腕に乗せた。
「わん!」
「……よし」
「こんなことやって、何が楽しい」
「ん? 色々と」
そう言ってフロウは足を伸ばして、ぐりぐりと押してきやがったんだ。
どこって、無防備になった俺の股間を!
たまらず目を剥いて前かがみになってたら、にやにや笑いながらそのまま、器用に足でぐにぐにともみ始めた。
「おう、う、おあ、何、しやがるっ」
「ダメか?」
「う、く、んぐっ、だ、ダメじゃない、けど……うあ、よせっつの、勃ってきたろうがっ」
「駄目じゃないなら良いじゃねぇか……」
そのまま、奴は靴を脱いで、素足になって。足の指と、裏で人のナニを挟み込んでぐにぐにと揉みやがった。扱きやがった。
何考えてやがるか、真っ昼間から!
「おわあっ、よ、よせっつのこらっ」
こっちはもうパニックだ。振り払えばそれで済むのに、動けない。
怪しく蠢く素足から、目が離せない。
脂汗たらして、くいくい腰をすり寄せちまう。それこそ発情した雄犬みたいに。
(いいじゃねぇか、誰に見られる訳じゃなし)
頭の奥でもう一人の俺が勝手に頷いてる。
(こっちは住居だ、店じゃない。表には休憩中の札も出てる。よっぽどのことがない限り、いきなり誰かが入ってくる心配も無いじゃないか)
「いや、そう言う問題じゃねえっつの!」
「ん?やめて欲しいのか?」
「ち、ちがっ……あっ!」
不意に足の動きが止められた。
冗談じゃねえ、ここまで人を追いつめといて、そこで止めるかっ? むず痒くて、熱くて、今にも爆発しそうになってんのに!
(嫌なら振り払って、さっさと離れればいい)
「せめて脱ぐまで……待て……」
何だって、ねだるような事ほざいてるのか、俺は。
既に股間の一物はぱんぱんに腫れ上がって、奴の足が動くたんびにピクピク震えていた。
先端からじゅくじゅくなまあったかい汁が滲んでる。下着が張り付いて、妙にそこだけ感覚が鋭くなっている。ただでさえ、張り詰めて、充血した皮膚は敏感になってるってのに!
「中で、弾けたら……えらいことになる」
半分ぐらい期待してたんだ。『じゃあさっさと脱げ』って言われるのを。
甘かった。
「……ん? いいじゃねぇか、中で弾けても」
蜂蜜色の瞳を細めて、目の縁に皴を寄せて。小憎らしいぐらいに可愛い笑みを浮かべると、フロウの奴はぐりぐりと足の裏をすり付け、しごくのを再開した。しかもさっきより明らかに、指の動きが細かい!
「っく、こんの変態オヤジがっ、う、お、おうっ」
「今更なこと言われてもなぁ……」
つい、と顎を反らしてそらっとぼけるその顔が、あまりに艶っぽくて。ごくりと咽が鳴り、股間が余計に膨らむ。
結果として弾力のある足の裏に押されて、余計に悶える羽目になる。
俺は逃げようとしてるのか。それとも、もっと強くこすってほしいのか?
ああ。
滲んだ汁が竿をつたってつーっと流れてる。内側から押し上げられて、張り詰めた下着に押し付けられる。こすられる。
「くそっ、も、どうなっても知らないからなっ」
自分からぐいぐいと足に股間をこすりつけた。初級魔術の教本でも暗記すりゃあ収まるんだろうけれど、頭ん中がぐらぐら煮えくり返って最初の一語も出てこない。
ただ、ただ耳の奥でごうんごうんと叫んでる。
(やりたい、やりたい、やりたい!)
「んっ、熱っ」
ぴくっとフロウの咽が震える。目元が赤い。うなじがうっすらと汗ばんでいる。
におっていた。
肌から滲む汗や、吐き出される息、髪の生え際、耳の後ろ、足の指、関節の内側。
至る所から滲み出す、発情した雄の『におい』が教えてくれる。
欲情してるのは、俺だけじゃないって。
その証拠に、そら、奴の足がまた動く。俺の好きな場所を正確に狙って、突く。押す。引っかいて、ねじり込む。
「く、う、あ、ん、んっ」
みっともない声が止まらない。
さっきっからとろとろと一物の先端から溢れて、こぼれて全体を濡らす汁と同じくらいに、生臭い声が。逃げ出したいほど恥ずかしい。床を転げ回りたいくらいに悔しい。眉間に皴を寄せて呻く。
「うー、うー、うーっ」
そのくせ、体はもっと前へ、前へと突き動かされる。奴の指がちょっとでも動くだけで肩が跳ね、勝手に腰が動いちまう。交尾する犬みたいにかくっ、かくっと、ものすごい勢いで。
(ちくしょう、どうなってんだ、俺は!)
「ははっ……なぁ、気持ち良いか? なぁ」
何、聞いてやがるか、愉しそうに声揺らしやがって! 誰のせいでこうなってると思ってる! 歯ぁむきだして噛みついてやりたい。それなのに。
「気持ち……いい」
汗ばんだ顔でこくっとうなずいていた。
俺がこすりつければ、フロウが逃げる。腰を引けば追いかけてくる。
奴の手の上でころころ転がされてる……いや、足の上か? 踏まれてるんだから下か?
むず痒いほどの快楽が体の奥から吹き出し、肌の表面でふつふつと沸き立つ。滲み出す汗に溶けた雄のにおいが、一段と濃くなった。
「フロっウっ!」
もう、我慢できなかった。がしっとフロウの足を抱え込んで、激しく腰を打ち付ける。
「……ん、っ……っ、良い眺めだ」
ぽってりした唇の端を上げ、奴が笑う。くすぐったそうに首をすくめて。
あー、くそ、人のこと攻めてやがるのに、何だってそう可愛い顔してるんだよお前は! 卑怯だ。ずるいぞ。反則だ!
ヤケになって、激しくぶつかると……フロウは体を少しずらしてグイッ……とばかりに、脚に体重をかけてきた。
「イっちまえよ、ダイン。」
その一言に、止めを刺される。
「あっ、く、うっ、フロウっ」
熱に浮かされ、うめいた。吠えた。わめいた。ただ奴の名前を呼んでいた。
「お、う、お、ん、ん、んうっーっっ!」
ずりずりと熱く濡れた股間を打ち付け、押し付けてぐい、とばかりに持ち上げて……びくっ、びくっと、体が痙攣する。
溜まりに溜まった熱いのを、一気に放った。どぶどぶと粘つく体液を、力いっぱい、服の中に。
やっちまった。そんな罪悪感と、どこか突き抜けた快感に、頬の筋肉がゆるみ、口が開く。
あー……涙にじんでる。ゆるみ切ってる。顔も、体も……情けねえ。
隠したい。隠れたい。でも手がフロウの足をがっちり押さえ込んで離さないから、それもできない。
「……っ!出た…な。」
だああ、わざわざ言うなーっ!
フロウは目を細めて脚の力を抜き、はふっと小さく息を吐いた。
吐かれた息を嗅いだ瞬間、背筋の奥がぞわあっと細かく泡立つ。
こいつの腑、発情してる。生ぬるくて、しょっぱいにおいを放ってる。服を脱いだ生き物の放つ、生々しいぬめり。
触るのと同じくらいはっきりと感じた。
「う……あ……」
ぶるっと身震いして、長く息を吐き……がっくりうなだれる。
同じにおいのはずなのに、何だって自分のを嗅ぐとこんなに情けない気分が湧いてくるんだろう。
「出しちまったぁ……」
「あ~、愉しかった。」
人の気も知らないでこのオヤジは!
クツクツと、喉を鳴らして笑いながらこっちを見下ろしてやがる。
「この……っっ」
股間はべとべとだ。生あったかい粘つく精液が、布地に染みて、へばりついて。
「漏らしたみたいで、すっげえ……気色悪ぃぞこのやろぉ」
「にししし……なぁに、良い感じだったろ?」
「ったりめーだ、でなきゃ勃つか! 出るか!」
「まあ、風呂使って良いから、とっとと洗ってこい」
こん、ととっくに火の消えたパイプの灰を落として、愉しげに咽を鳴らしてる。すっかりくつろいでやがる。片方だけ靴を脱いだ素足が、妙に白く生々しい。
椅子に座ったまんま、足を組んでるのは見せつけてるのか。それとも誘ってるのか?
「………」
ぐいっと肩をつかんでのしかかった。
「楽しそうだな、ええ、フロウ?」
「うぉっ、と……おぉ、楽しかったぞ、ダイン」
そのまま、むっちりした太ももの間に体を割り込ませ、がばっと覆いかぶさって唇を貪る。
上、下、舌、がっぷり全体を吹くんでじゅくじゅく吸って、舐め回して。息が詰まるほどの勢いでしゃぶりついた。
こいつがどれほど、欲情してるのか。嗅いで、味わって、確かめた。
「んっ、んふっ、ん、ぅ、っ!」
重なった口の中にくぐもったうめきが響く。
「火ぃ着いたぞ。一回出したぐらいで……終わると……思うな?」
「……っはは、良いぜ。今日は気分がノってるから、タップリ……遊んでくれ」
「嬉しいね」
次へ→2.落ち着けとか絶対無理。
遅めの昼飯食った後。昼下りの白い光を浴びて、居間の椅子に越しかけて食後のパイプをくゆらすフロウの姿をぼんやり眺めてたら、あいつがいきなり手ぇ出して、言いやがったんだ。
「ダイン、お手!」
何の冗談かお遊びか。
あんまり楽しそうにニコニコしてやがったから、つい、たしっと右手を乗せてしまった。
「わうんっ」
「よーしよしよし、いい子だなー」
わっしわっしと頭を撫でられる。これはこれで悪い気はしない。
「よし、おかわり」
「わんっ」
今度は左手。
「……って俺は犬か」
「犬だろ? ちんちん!」
「……脱げと?」
「いんや?」
これ以上ないってくらい真面目な顔して言いやがった。
「ちんちん」
「………」
はいはい。ったく、しょうがねえオヤジだねえ。もうちょい、付きあってやるか。にやにやしながら床にしゃがんで、上半身を伸ばし、ぺっと両手をやつの腕に乗せた。
「わん!」
「……よし」
「こんなことやって、何が楽しい」
「ん? 色々と」
そう言ってフロウは足を伸ばして、ぐりぐりと押してきやがったんだ。
どこって、無防備になった俺の股間を!
たまらず目を剥いて前かがみになってたら、にやにや笑いながらそのまま、器用に足でぐにぐにともみ始めた。
「おう、う、おあ、何、しやがるっ」
「ダメか?」
「う、く、んぐっ、だ、ダメじゃない、けど……うあ、よせっつの、勃ってきたろうがっ」
「駄目じゃないなら良いじゃねぇか……」
そのまま、奴は靴を脱いで、素足になって。足の指と、裏で人のナニを挟み込んでぐにぐにと揉みやがった。扱きやがった。
何考えてやがるか、真っ昼間から!
「おわあっ、よ、よせっつのこらっ」
こっちはもうパニックだ。振り払えばそれで済むのに、動けない。
怪しく蠢く素足から、目が離せない。
脂汗たらして、くいくい腰をすり寄せちまう。それこそ発情した雄犬みたいに。
(いいじゃねぇか、誰に見られる訳じゃなし)
頭の奥でもう一人の俺が勝手に頷いてる。
(こっちは住居だ、店じゃない。表には休憩中の札も出てる。よっぽどのことがない限り、いきなり誰かが入ってくる心配も無いじゃないか)
「いや、そう言う問題じゃねえっつの!」
「ん?やめて欲しいのか?」
「ち、ちがっ……あっ!」
不意に足の動きが止められた。
冗談じゃねえ、ここまで人を追いつめといて、そこで止めるかっ? むず痒くて、熱くて、今にも爆発しそうになってんのに!
(嫌なら振り払って、さっさと離れればいい)
「せめて脱ぐまで……待て……」
何だって、ねだるような事ほざいてるのか、俺は。
既に股間の一物はぱんぱんに腫れ上がって、奴の足が動くたんびにピクピク震えていた。
先端からじゅくじゅくなまあったかい汁が滲んでる。下着が張り付いて、妙にそこだけ感覚が鋭くなっている。ただでさえ、張り詰めて、充血した皮膚は敏感になってるってのに!
「中で、弾けたら……えらいことになる」
半分ぐらい期待してたんだ。『じゃあさっさと脱げ』って言われるのを。
甘かった。
「……ん? いいじゃねぇか、中で弾けても」
蜂蜜色の瞳を細めて、目の縁に皴を寄せて。小憎らしいぐらいに可愛い笑みを浮かべると、フロウの奴はぐりぐりと足の裏をすり付け、しごくのを再開した。しかもさっきより明らかに、指の動きが細かい!
「っく、こんの変態オヤジがっ、う、お、おうっ」
「今更なこと言われてもなぁ……」
つい、と顎を反らしてそらっとぼけるその顔が、あまりに艶っぽくて。ごくりと咽が鳴り、股間が余計に膨らむ。
結果として弾力のある足の裏に押されて、余計に悶える羽目になる。
俺は逃げようとしてるのか。それとも、もっと強くこすってほしいのか?
ああ。
滲んだ汁が竿をつたってつーっと流れてる。内側から押し上げられて、張り詰めた下着に押し付けられる。こすられる。
「くそっ、も、どうなっても知らないからなっ」
自分からぐいぐいと足に股間をこすりつけた。初級魔術の教本でも暗記すりゃあ収まるんだろうけれど、頭ん中がぐらぐら煮えくり返って最初の一語も出てこない。
ただ、ただ耳の奥でごうんごうんと叫んでる。
(やりたい、やりたい、やりたい!)
「んっ、熱っ」
ぴくっとフロウの咽が震える。目元が赤い。うなじがうっすらと汗ばんでいる。
におっていた。
肌から滲む汗や、吐き出される息、髪の生え際、耳の後ろ、足の指、関節の内側。
至る所から滲み出す、発情した雄の『におい』が教えてくれる。
欲情してるのは、俺だけじゃないって。
その証拠に、そら、奴の足がまた動く。俺の好きな場所を正確に狙って、突く。押す。引っかいて、ねじり込む。
「く、う、あ、ん、んっ」
みっともない声が止まらない。
さっきっからとろとろと一物の先端から溢れて、こぼれて全体を濡らす汁と同じくらいに、生臭い声が。逃げ出したいほど恥ずかしい。床を転げ回りたいくらいに悔しい。眉間に皴を寄せて呻く。
「うー、うー、うーっ」
そのくせ、体はもっと前へ、前へと突き動かされる。奴の指がちょっとでも動くだけで肩が跳ね、勝手に腰が動いちまう。交尾する犬みたいにかくっ、かくっと、ものすごい勢いで。
(ちくしょう、どうなってんだ、俺は!)
「ははっ……なぁ、気持ち良いか? なぁ」
何、聞いてやがるか、愉しそうに声揺らしやがって! 誰のせいでこうなってると思ってる! 歯ぁむきだして噛みついてやりたい。それなのに。
「気持ち……いい」
汗ばんだ顔でこくっとうなずいていた。
俺がこすりつければ、フロウが逃げる。腰を引けば追いかけてくる。
奴の手の上でころころ転がされてる……いや、足の上か? 踏まれてるんだから下か?
むず痒いほどの快楽が体の奥から吹き出し、肌の表面でふつふつと沸き立つ。滲み出す汗に溶けた雄のにおいが、一段と濃くなった。
「フロっウっ!」
もう、我慢できなかった。がしっとフロウの足を抱え込んで、激しく腰を打ち付ける。
「……ん、っ……っ、良い眺めだ」
ぽってりした唇の端を上げ、奴が笑う。くすぐったそうに首をすくめて。
あー、くそ、人のこと攻めてやがるのに、何だってそう可愛い顔してるんだよお前は! 卑怯だ。ずるいぞ。反則だ!
ヤケになって、激しくぶつかると……フロウは体を少しずらしてグイッ……とばかりに、脚に体重をかけてきた。
「イっちまえよ、ダイン。」
その一言に、止めを刺される。
「あっ、く、うっ、フロウっ」
熱に浮かされ、うめいた。吠えた。わめいた。ただ奴の名前を呼んでいた。
「お、う、お、ん、ん、んうっーっっ!」
ずりずりと熱く濡れた股間を打ち付け、押し付けてぐい、とばかりに持ち上げて……びくっ、びくっと、体が痙攣する。
溜まりに溜まった熱いのを、一気に放った。どぶどぶと粘つく体液を、力いっぱい、服の中に。
やっちまった。そんな罪悪感と、どこか突き抜けた快感に、頬の筋肉がゆるみ、口が開く。
あー……涙にじんでる。ゆるみ切ってる。顔も、体も……情けねえ。
隠したい。隠れたい。でも手がフロウの足をがっちり押さえ込んで離さないから、それもできない。
「……っ!出た…な。」
だああ、わざわざ言うなーっ!
フロウは目を細めて脚の力を抜き、はふっと小さく息を吐いた。
吐かれた息を嗅いだ瞬間、背筋の奥がぞわあっと細かく泡立つ。
こいつの腑、発情してる。生ぬるくて、しょっぱいにおいを放ってる。服を脱いだ生き物の放つ、生々しいぬめり。
触るのと同じくらいはっきりと感じた。
「う……あ……」
ぶるっと身震いして、長く息を吐き……がっくりうなだれる。
同じにおいのはずなのに、何だって自分のを嗅ぐとこんなに情けない気分が湧いてくるんだろう。
「出しちまったぁ……」
「あ~、愉しかった。」
人の気も知らないでこのオヤジは!
クツクツと、喉を鳴らして笑いながらこっちを見下ろしてやがる。
「この……っっ」
股間はべとべとだ。生あったかい粘つく精液が、布地に染みて、へばりついて。
「漏らしたみたいで、すっげえ……気色悪ぃぞこのやろぉ」
「にししし……なぁに、良い感じだったろ?」
「ったりめーだ、でなきゃ勃つか! 出るか!」
「まあ、風呂使って良いから、とっとと洗ってこい」
こん、ととっくに火の消えたパイプの灰を落として、愉しげに咽を鳴らしてる。すっかりくつろいでやがる。片方だけ靴を脱いだ素足が、妙に白く生々しい。
椅子に座ったまんま、足を組んでるのは見せつけてるのか。それとも誘ってるのか?
「………」
ぐいっと肩をつかんでのしかかった。
「楽しそうだな、ええ、フロウ?」
「うぉっ、と……おぉ、楽しかったぞ、ダイン」
そのまま、むっちりした太ももの間に体を割り込ませ、がばっと覆いかぶさって唇を貪る。
上、下、舌、がっぷり全体を吹くんでじゅくじゅく吸って、舐め回して。息が詰まるほどの勢いでしゃぶりついた。
こいつがどれほど、欲情してるのか。嗅いで、味わって、確かめた。
「んっ、んふっ、ん、ぅ、っ!」
重なった口の中にくぐもったうめきが響く。
「火ぃ着いたぞ。一回出したぐらいで……終わると……思うな?」
「……っはは、良いぜ。今日は気分がノってるから、タップリ……遊んでくれ」
「嬉しいね」
次へ→2.落ち着けとか絶対無理。