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とりねこの小枝

2.落ち着けとか絶対無理。

2011/11/28 1:23 騎士と魔法使いの話十海
 
 慌ただしくフロウの着てるものをひっぺがす。
 ベルトを外して、ゆるんだズボンを一気に引き下ろして足首から引っこ抜いた。

「ちょっ、落ち着けよ、ダイン!」
「無茶言うな」

 こう言う時は焦れったい。手が二本、指が十本しかないことが。だから下着は口でくわえて紐をほどき、そのままずり下げた。

 ぷるんっと、濡れた熱い肉の塊がこぼれ落ちる。
 つやつやしてる。まるで蒸かしたてのプディングだ。
 思った通りだ。お前、しっかり濡れてるじゃないか。勃ってるじゃないか。
 年の割には濁りのないきれいな肌色で、さきっぽのピンクも赤みが鮮やかだ。
 見た瞬間、舌が勝手に自分の口の周りを舐め回していた。

「何ジロジロ見てやがる。俺のナニなんざ、いい加減見慣れてるだろうがっ」

 そっちこそ何、もじもじしてるんだ? 手の指をせわしなく、握ったり開いたりして。股間を隠そうとしてるのを、必死でこらえてるみたいじゃないか。

(お前にそのつもりがなくっても、俺にはそう見える)

「足の裏で人のナニこすっただけで、こんなになっちまって。やらしいな、フロウ。すっげえ、やらしい」
「おい、ダイン?」

 顔を寄せたら、ぽとっとよだれが滴った。追いかけるようにさらに屈みこむ。息が当たるほど近く。

「んっ」

 肩をすくめて、ぴくっと震えてる。どうした、ただ滴が落ちただけだぞ? 俺はまだ触ってもいないのに。

「しゃぶりたい」
「え」
「舐めたい。お前の、ここ」
 
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 illustrated by ishuka
 
 返事も待たず、かぽっと口に含む。

「あぅっ!」
 
 口の中に溢れる唾液を舌に絡めて、ぴくぴく震える『フロウ』にたっぷりすりこんでやった。
 もっと濡れろ。もっと、熱くなれ。繰り返し、繰り返し、先端に向けて舐めあげて、ついでに先っちょにめり込ませる。

「ひっ、あふ、あ、あ、あっ」

 足がぴーんと突っ張って、つま先が震えてる。下着はまだ半分降ろしただけだ。付け根の辺りはまだ布の中にある。
 下着で縛ってあるようなもんだ。体の自由も効かないだろう。もがいたところでたかが知れてる。逃げることもできまい。
 それが、狙いだ。

「こ、の……っ、半端な脱がせかたしやがって、やるんだったらとっととやれ!」
「やだね。もったいない」

 椅子の背に押し付けて、しっかり太ももを抱え込む。半端にずり降ろした下着のせいで膝がくっついて、女の子みたいに内股になってる。

「……可愛いな」
「てめーの目は腐ってる!」

 そんな、潤んだ目で頬染めて言われてもなあ。その顔が可愛いんだっつの。
 逃げ道を封じたまま、思う存分しゃぶってやった。
 強弱をつけて吸うたびに、面白いくらい素直に変化する艶声に聞きほれる。

「ひぐっ、う、う、んんぅ、あふ、あ、あ、あっ、や、あぁんっ」

(うお、なんか、今、すっげえ可愛い声、出た!)

 夢中になって、じゅーっと強く吸い上げると、反った咽から高い声が漏れた。
 もう、言葉なんかじゃない。『音』だ。体ん中を突き抜ける衝撃が、そのまま咽からこぼれた音。

「う……あぅ……」

 自分でもびっくりしたんだろうな。目が真ん丸になってる。瞳孔も開いてるし、眉が寄って、いかにも『しまった』って顔してやがる。

「どSの癖して、ほんとは俺よりよっぽど感じやすいんじゃないか? なあ、フロウ?」
「ははっ、言う……ね」

 息を弾ませながら、にぃっと唇をつりあげて笑ってる。まだ余裕があるらしい。

「年がら年中盛ってるくせに。ええ、この雄犬が!」
「お前といるからだ」

 ぎゅむ、と先端をつまんでやった。

「んっくうっ!」
「あ、いい声」

 こっちは一回出した後だ。余裕がある……ほんの少しだけど。
 後から後から湧いてくる唾液と、奴の先走りで口ん中はぬるぬるだ。
 こくっと、わざと咽を鳴らして飲み込んだ。フロウが目を剥いてにらみ付けてくる。ちゃんと『通じた』らしい。 
 くっと、我知らず口の端が上がった。

「こんなにエロい体したオヤジが目の前に居るんだ。そりゃ盛るだろ。揉むだろ、舐めるだろ!」

 服の上から尻をつかんで揉みしだいてやった。

「このっ、真顔で言うなっ、あ、あ、あっ」
「ああ、その声だ。その顔だ……お前、ほんっとにやらしいな。淫乱だな」
「愛想がつきたか?」
「んな訳ねぇだろ。そそるよ。たまんねぇ」
「言ってろ、バカが!」

 どっくんっと胸の奥で心臓が跳ねた。怒りでも、屈辱でもない。
 股間から抑え難い熱い衝動がこみ上げて、頭ん中で弾けた。
 通り過ぎる全ての血に、肉に、骨に、気が遠くなるほどの甘い痺れが広がる。

「は……あぁ……」

 息が苦しい。自分の中から湧き出す熱い蒸気が、咽いっぱいに広がる。
 じゅくじゅくと物も言わずにむしゃぶりついた。息が続く限り吸い上げて、ゆるめる。その繰り返し。

「っくぅっ、やあぁーっ!」
「ふ、ふん、ふん、はふ、ふ、はうっ」

 熱く焼けた肉にかぶりつき、息を荒くして貪った。
 ぷるぷる震えるフロウを舐めた。ちょっとでも声の強くなる場所を探して舌でまさぐり、当たったら即座に口を当てて吸って。離して、息をかける。
 力の加減がわかってきたら、軽く歯も当ててみた。
 先端から溢れるぬるぬるした汁が、竿をつたってどんどん滴ってくる。
 その変化が何を意味するのか。さっき自分がそっくり体験したばかりだ。

「はっ、はっ、は、あっ、あうっあんっ」

 いい声で鳴いてやがる。手が俺の頭に乗っかってるけど、押しのけてはいない。気持ちいいんだな。やめて欲しくないんだな。だったら遠慮無く続けよう。
 いやって言われても、絶対やめるもんか!

「はー、はー、はーはー……」
「ふ、ひっ、は、はぁっ、あ、んくっ」

 喘いでるのが奴なのか。俺なのか。だんだんわからなくなってきた。ぼうっと熱を含んでふやけた頭の中で、混じり合って一つになる。
 ああ、そうか。同じなんだ。
 俺の息と、フロウの声。荒くなるタイミングが……。

「はあ、はあ、はあ、は、あ、あー、あー、あーっ」

 口の中で、フロウのペニスが膨れ上る。ぴくぴくと脈打ってるのが舌先に伝わってくる。唇で挟んで、絞りながらずいっと先端に向かって引っ張る。

(イっちまえよ、フロウ)

「あふっ、ぐ、ん、ん、っんんーっっ!」

 急に声がくぐもったと思ったらこいつ、自分の口押さえたまんまイきやがった! 射精する瞬間の無防備な顔を。声を、隠してるつもりか、それで。
 恥ずかしさを消してるつもりだろうが、余計にヤらしいよ。
 ってか半端に押さえた分、音が内側に篭って低く響く。
 ヒゲが隠れて、潤み切ったつぶらな瞳がくっきりと際立つ。

(うーわぁ……)

 その恥じらいが。いとけなさが、余計にエロ臭い。かき立てられる、いきり立つ。とことん汚してみたくなるじゃないか。
 どぶっと口の中に弾けた粘つく液を、半分は飲み込んだ。だが残りは……わざとすっぽんっと口から引き抜く。

「おふぅっ」

 溶けたばかりの蝋とか、煮詰めた牛乳とか。いろいろ似てるものはあるが、やっぱり精液は精液だ。
 ぷるんっと揺れた赤い肉の先端から噴き上がり、びしゃびしゃと広がった。未だに服を着たまんまの奴の腹に……股間に。

「お、あ、あ……」

 太ももの内側をつー……と撫でる。フロウは小刻みに体を震わせ、またぴゅるっと飛沫を散らした。

「出た、な」

 にやりっと笑う。これで、おあいこだ。
 びちょびちょに濡れた布が、すっかり赤みの広がったもっちりした肌にへばりついていた。
 みっともない? 情けない? 
 そうとも言える。だけど俺にとっては、とんでもなく蠱惑的な眺めだった。

「て、めえ……」

 ぜい、ぜいと荒く息をつきながらフロウが眉をひそめ、半開きにした目で睨んで来た。

「ああ、心配すんな! ちゃんと脱がせてやるから」
「そう言う意味じゃっ、あ、やめっ」
 
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