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とりねこの小枝

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2011年11月の日記

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4.ちょっぴり反省

2011/11/28 1:29 騎士と魔法使いの話十海
「さーて、ダインくーん」

 コトが済んでから、フロウはにっこり笑って雑巾とバケツを押し付けてきた。

「わかってると思うが。後始末はきっちりやらなきゃな?」
「う……あ……はい」
「ベッドに行こうって、俺、言ったよな?」
「……はい」
「異存はあるか?」
「滅相もございません」

 その日の午後は、ずっと掃除をやらされた。
 床と、テーブルと椅子を拭いて、拭いて、磨いて、拭いて。
 雑巾をしぼりながら、秘かに反省する。

 やっぱテーブルの上ってのは、まずかった。次は長椅子の上に押し倒そう。

(ぴちゃぴちゃな昼下り/了)

次へ→【6】騎士の瞳は虹色の★
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3.触りたいのはここ

2011/11/28 1:28 騎士と魔法使いの話十海
 有言実行。
 すっぽんと下着を足首から引っこ抜いてやった。上は……どーすっかな。きれいに全裸に剥くか、前だけ開けとくか。迷った揚げ句、結局ボタンだけ外して前を開いた。
 適度に脂肪ののった胸。さんざん服の上からなで回した後だ。布にこすれて乳首がぷっちり立っていた。そこを触るとどれだけいい声が出るか。
 どれだけ触り心地がいいか、知っている。だが今、触りたいのは……。

「こっちだ」
「おいっ」

 くるっとフロウの体ひっくり返して、テーブルを支えにうつ伏せにした。
 目の前にさらされた、むっちり張り詰めた尻に手を当てて、思う存分揉んだ。手のひらいっぱいに広がる弾力を味わった。
 肌と肌が密着して、しっとり吸い付いて行く。

「あっ、こら、どこ、触ってっ、ん、んんっ」
「暴れるなって」

(フロウが欲しい)
 
 頭ん中から余計なことがごっそり抜け落ちて、それだけになる。

(フロウと、やりたい)
(やりたい)

 自分のベルトを緩めて、紐をほどいて、さっさと脱ぎ捨てる。べたべたした股間が空気に触れて、ひんやりした。
 大急ぎでむちむちした尻を抱え込み、べとっと密着させる。

「うあっ」
「おー、あったけぇ」
「………当たってるぞ、ダイン」
「当ててんだよ」
「さっき一発抜いたってのに、何、もう、おっ立ててやがるかこいつはっ!」
「若いからな」
「!!!!!っ」

 ごそっと前に回した手でまさぐると、熱く濡れた塊が指に触れた。半分起ちかけてる。

「まだまだお前も若いじゃないか」
「こ、このっ、離せ!」

 にゅるり、と軽く扱いただけで咽をそらせて喘いでる。

「お前、さっきイくときずーっと口、押さえてたよな? あーやってイくのがお気に入りなのか? そんなに口、塞いで欲しかったのか?」
「ち、ちがっ」

 左手でフロウの口を塞いでやった。鼻まで塞がないように。息がつまらないように注意して。

「んぐっ、うううっ」 
「ごめんな、気がつかなくって」

 前を弄ってぬるぬるになった右手で尻の頬肉を開き、さっきくっつけた俺の精液をずりずりとすり込んで行く。

「う、ひうっ」

 穴の入り口に塗りこめて、くりくりいじくっていると、堅く締まっていた肉厚のひだがほぐれてきた。ぽってりと柔らかく厚みを増して、ぬちぬちと指に吸い付いてくる。
 
「力、抜けよ」

 つぷ……と指を一本沈めた。くぐもった悲鳴が押さえた掌を震わせる。
 そのまま弄り続けた。後ろの穴が指の動きに合わせてねっちりと、誘うように蠢くのを確かめながら。誘われるまま、導かれるまま、少しずつ、奥へ、奥へとねじこんで、壁にあてがい、ぐいと広げる。

「んっくぅっ!」

 微妙なバランスだ。俺の方が腕力は強いが、今はこれでも加減してる。全力で暴れればフロウだって簡単に抜け出せるはずなのに。弄るたびにぴくんぴくん震えはするが、手の中から逃げようとしない。
 つまり、気に入ってるってことなんだ。

「お」
「う、ううっ!」
「いいね。前もしっかり堅くなって来たな」
「う、う、うーっ!」

 口を押さえる指を動かし、顎を撫でる。ざりっとヒゲが当たった。
 くすぐったい。

「だいぶ解れてきたな。このまま入れてもいいか?」
「んーんーんーっ」
「だめか? 犬の交尾ってのはこうやるもんだろ?」
「んんっ、んんんんっ」

 必死で左右に首を振ってる。嫌なのかな。

「どうした? ってっ!」

 軽く指を噛まれ、仕方なく手を離す。

「ダ……イ……ン……」
「ん、苦しかったか。すまん」
「ちが……そ……じゃない……」

 肩越しに振り返ってきた。すっかり潤んだ瞳で。

「後ろは……や……だ」

 困ったように眉を寄せ、拗ねた顔してる。つきゅんっと胸の奥が締めつけられた。

「顔、が、見え……ない」
「わかった」

 つっぷんっと指を引き抜いた。ちょっと慌て過ぎたか。

「っくぅっ、へ、変なとこ、こするんじゃねえっ」
「……すまん」

 もう一度、くるっとフロウの体をひっくり返して、正面から抱き合った。

「これでいいか?」
「……ああ」

 むっちりした腕が背中に回され、しがみついてくる。
 得たりとばかりに押し倒した。テーブルの上に、仰向けに。

「待て、待て、ちょっと待てこらーっ」
「待てない」
「せめてベッドに………っ!」
「無理」

 股間の『息子』はやる気満々だ。膨れ上ってずっくんずっくん疼いてやがる。この状態で歩けって方が無理だ。

「いっ、あっ!」

 ひくつく尻穴にあてがい、一気に貫いた。

「く、うぅ……っ!」
「んんぅ。すげえ締めつけ……」

 押し寄せてくる肉ひだを強引にかき分け、奥までねじ込んで、ごつっと天井に向けて突き上げる。

「あがっ」
「顔見えてる方が、反応いいな、お前」
「っか、や、ろっ」
「動くぞ。しっかり掴まってろ……落ちないように」
「あっ、あっ、あっ、あっ!」

 ぎし、ぎ、ぎ……テーブルがきしむ。
 いつも飯食ったり、お茶飲んでる場所だ。
 とんでもない事やらかしてる、それがまた刺激になって、気分がいいから始末に負えない。
 これでも少しは加減してるんだ。いっぺん出した後だし……。
 できるだけ、ゆっくり動いて。じわじわと奥に進める。四方八方から押し寄せる肉のしなやかさを。熱さを味わった。
 力任せにぐっちゃぐっちゃにかき回すのではなく、重なったまま、ぐい、ぐいと圧迫する。

「い、ひぃ、うう、あ、んくぅ、あ、ひ、あ、あぁっ」

 それなのに何でこいつ、こんなに、いい声上げてるんだ?
 
「お、ごっ、お、く、痺れて、すごっ、ん、おうっ」

 ああ。
 ゆっくり引いて、じわっと押し込む。
 どぉ……ん、どぉ………んっと緩やかに奥を叩く、この感じが、いいんだな。

「ふ、あっ」

 フロウの声に誘われて、覚えた動きを繰り返す。たまに、息を吐いたり、顔をのぞきこむ拍子に、微妙に揺れが変わるのか。声の調子が変化して、合間にこっちを見上げてくる。

「は……あっ、ダイン……」
「今さらベッドに行く、なんてのは、無しだぜ?」
「ったりめぇだ」

 言うなり、奴は足を持ち上げ、腰に回してしがみついてきた。

「んんっ」

 熱を帯びた、むっちりした体がしがみついてくる。その瞬間、ぱっちんと頭の中で何かが弾けた。

「うっ、おっ、んっ、おうっ、ふっ、はっ」

 バカみたいに声を上げ、夢中になってがっつんがっつん腰を振っていた。人間らしく正面から抱き合ってるのに、やってることは盛りのついた犬とおんなじだ。ズボンずりさげて尻むき出しにして、フロウにしがみついて。
 奴の足の間で鼻息荒くして、夢中になってかくかく腰を揺すってる。
 今の俺、最高に情けない。みっともない。
 だけど気持ちいい。
 止まらない。

「あ、あ、あっ、んぅ、ん、く、も、出る……っ」
「んっ、あっ、ダインっ」

 最高に、気持ちいい。
 がつっと腰を打ち込み、さらにぐいぐいと押し込み、持ち上げる。
 フロウが咽を反らしたまんま、一段と高い声で鳴いた。

「おうっ」

 締めつけてくる……
 足の間に心臓が降りてきたみたいに、すさまじい鼓動を感じた。
 すごい勢いで押し寄せてくる、ぬるぬるした肉の壁に締められて、絞られて。フロウの中の『俺』が膨れ上り、また可愛い声が上がる。ぽろぽろ涙までこぼしてやがる、ああ可愛いな。
 可愛いな。
 やらしいな。

「フロウ……やらしい……エロい……フロウ。フロウっ、んっ、んっ、んっ、おぉうっ」
 
 達した瞬間の自分の声が、生々しく耳に入り込む。脳みそを抉る。吐き出す息が獣臭い。自分の中からあふれる、濡れた犬みたいなにおいにむせ返る。
 だが、ペニスの先端から飛び出した精は、さっきと違って今度は受け止められていた。脈打ち、痛いほど締めつけてくるあったかい体に。生きてる体に。
 
「はぁ………」
「んっくうっ」

 どっくんっと大きくフロウの『穴』がうねり、絞られて……また放っていた。

(こんなに残ってたんだ)

「う……あぁ……」

 突き抜けた解放感の中を漂いながら、ぼんやりと思った。
 っかしいな。今度はきっちりフロウの中に出してるはずなのに、何で俺の腹、濡れてるんだろう? 

「あー……」

 これ、俺のじゃない。フロウだ。

「……まさか、イっちまったのかお前。全然触ってないのに」
「るっせえっ」

 はーはー息を吐きながら、涙目でにらんでくる。
 そっぽを向いたつもりかも知れないけどな、フロウ? 頬ががら空きなんだよ。
 大きな音を立ててキスしてやった。ついでにぺろりと舐める。

「おうっ?」
「……こっちまで飛んでたぞ」
「なっ」
「元気だな」

 フロウは歯を食いしばって、俺を見て………

「ちくしょう、ばか犬、ばか犬、お前のせいだーっ」

 両手の拳を握って、ぽかぽかと人の胸板を殴りつけてきた。
 全然痛くない。
 
(かわいいな)
(かわいいな)

「ん……」

 すっかりくしゃくしゃになった髪の毛を撫でて額にキスしてやった。
 ふるっと震えてしがみついてきた。
 うん。やっぱり顔見えた方が、いい。
 
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2.落ち着けとか絶対無理。

2011/11/28 1:23 騎士と魔法使いの話十海
 
 慌ただしくフロウの着てるものをひっぺがす。
 ベルトを外して、ゆるんだズボンを一気に引き下ろして足首から引っこ抜いた。

「ちょっ、落ち着けよ、ダイン!」
「無茶言うな」

 こう言う時は焦れったい。手が二本、指が十本しかないことが。だから下着は口でくわえて紐をほどき、そのままずり下げた。

 ぷるんっと、濡れた熱い肉の塊がこぼれ落ちる。
 つやつやしてる。まるで蒸かしたてのプディングだ。
 思った通りだ。お前、しっかり濡れてるじゃないか。勃ってるじゃないか。
 年の割には濁りのないきれいな肌色で、さきっぽのピンクも赤みが鮮やかだ。
 見た瞬間、舌が勝手に自分の口の周りを舐め回していた。

「何ジロジロ見てやがる。俺のナニなんざ、いい加減見慣れてるだろうがっ」

 そっちこそ何、もじもじしてるんだ? 手の指をせわしなく、握ったり開いたりして。股間を隠そうとしてるのを、必死でこらえてるみたいじゃないか。

(お前にそのつもりがなくっても、俺にはそう見える)

「足の裏で人のナニこすっただけで、こんなになっちまって。やらしいな、フロウ。すっげえ、やらしい」
「おい、ダイン?」

 顔を寄せたら、ぽとっとよだれが滴った。追いかけるようにさらに屈みこむ。息が当たるほど近く。

「んっ」

 肩をすくめて、ぴくっと震えてる。どうした、ただ滴が落ちただけだぞ? 俺はまだ触ってもいないのに。

「しゃぶりたい」
「え」
「舐めたい。お前の、ここ」
 
 111124_0135~01.JPG
 illustrated by ishuka
 
 返事も待たず、かぽっと口に含む。

「あぅっ!」
 
 口の中に溢れる唾液を舌に絡めて、ぴくぴく震える『フロウ』にたっぷりすりこんでやった。
 もっと濡れろ。もっと、熱くなれ。繰り返し、繰り返し、先端に向けて舐めあげて、ついでに先っちょにめり込ませる。

「ひっ、あふ、あ、あ、あっ」

 足がぴーんと突っ張って、つま先が震えてる。下着はまだ半分降ろしただけだ。付け根の辺りはまだ布の中にある。
 下着で縛ってあるようなもんだ。体の自由も効かないだろう。もがいたところでたかが知れてる。逃げることもできまい。
 それが、狙いだ。

「こ、の……っ、半端な脱がせかたしやがって、やるんだったらとっととやれ!」
「やだね。もったいない」

 椅子の背に押し付けて、しっかり太ももを抱え込む。半端にずり降ろした下着のせいで膝がくっついて、女の子みたいに内股になってる。

「……可愛いな」
「てめーの目は腐ってる!」

 そんな、潤んだ目で頬染めて言われてもなあ。その顔が可愛いんだっつの。
 逃げ道を封じたまま、思う存分しゃぶってやった。
 強弱をつけて吸うたびに、面白いくらい素直に変化する艶声に聞きほれる。

「ひぐっ、う、う、んんぅ、あふ、あ、あ、あっ、や、あぁんっ」

(うお、なんか、今、すっげえ可愛い声、出た!)

 夢中になって、じゅーっと強く吸い上げると、反った咽から高い声が漏れた。
 もう、言葉なんかじゃない。『音』だ。体ん中を突き抜ける衝撃が、そのまま咽からこぼれた音。

「う……あぅ……」

 自分でもびっくりしたんだろうな。目が真ん丸になってる。瞳孔も開いてるし、眉が寄って、いかにも『しまった』って顔してやがる。

「どSの癖して、ほんとは俺よりよっぽど感じやすいんじゃないか? なあ、フロウ?」
「ははっ、言う……ね」

 息を弾ませながら、にぃっと唇をつりあげて笑ってる。まだ余裕があるらしい。

「年がら年中盛ってるくせに。ええ、この雄犬が!」
「お前といるからだ」

 ぎゅむ、と先端をつまんでやった。

「んっくうっ!」
「あ、いい声」

 こっちは一回出した後だ。余裕がある……ほんの少しだけど。
 後から後から湧いてくる唾液と、奴の先走りで口ん中はぬるぬるだ。
 こくっと、わざと咽を鳴らして飲み込んだ。フロウが目を剥いてにらみ付けてくる。ちゃんと『通じた』らしい。 
 くっと、我知らず口の端が上がった。

「こんなにエロい体したオヤジが目の前に居るんだ。そりゃ盛るだろ。揉むだろ、舐めるだろ!」

 服の上から尻をつかんで揉みしだいてやった。

「このっ、真顔で言うなっ、あ、あ、あっ」
「ああ、その声だ。その顔だ……お前、ほんっとにやらしいな。淫乱だな」
「愛想がつきたか?」
「んな訳ねぇだろ。そそるよ。たまんねぇ」
「言ってろ、バカが!」

 どっくんっと胸の奥で心臓が跳ねた。怒りでも、屈辱でもない。
 股間から抑え難い熱い衝動がこみ上げて、頭ん中で弾けた。
 通り過ぎる全ての血に、肉に、骨に、気が遠くなるほどの甘い痺れが広がる。

「は……あぁ……」

 息が苦しい。自分の中から湧き出す熱い蒸気が、咽いっぱいに広がる。
 じゅくじゅくと物も言わずにむしゃぶりついた。息が続く限り吸い上げて、ゆるめる。その繰り返し。

「っくぅっ、やあぁーっ!」
「ふ、ふん、ふん、はふ、ふ、はうっ」

 熱く焼けた肉にかぶりつき、息を荒くして貪った。
 ぷるぷる震えるフロウを舐めた。ちょっとでも声の強くなる場所を探して舌でまさぐり、当たったら即座に口を当てて吸って。離して、息をかける。
 力の加減がわかってきたら、軽く歯も当ててみた。
 先端から溢れるぬるぬるした汁が、竿をつたってどんどん滴ってくる。
 その変化が何を意味するのか。さっき自分がそっくり体験したばかりだ。

「はっ、はっ、は、あっ、あうっあんっ」

 いい声で鳴いてやがる。手が俺の頭に乗っかってるけど、押しのけてはいない。気持ちいいんだな。やめて欲しくないんだな。だったら遠慮無く続けよう。
 いやって言われても、絶対やめるもんか!

「はー、はー、はーはー……」
「ふ、ひっ、は、はぁっ、あ、んくっ」

 喘いでるのが奴なのか。俺なのか。だんだんわからなくなってきた。ぼうっと熱を含んでふやけた頭の中で、混じり合って一つになる。
 ああ、そうか。同じなんだ。
 俺の息と、フロウの声。荒くなるタイミングが……。

「はあ、はあ、はあ、は、あ、あー、あー、あーっ」

 口の中で、フロウのペニスが膨れ上る。ぴくぴくと脈打ってるのが舌先に伝わってくる。唇で挟んで、絞りながらずいっと先端に向かって引っ張る。

(イっちまえよ、フロウ)

「あふっ、ぐ、ん、ん、っんんーっっ!」

 急に声がくぐもったと思ったらこいつ、自分の口押さえたまんまイきやがった! 射精する瞬間の無防備な顔を。声を、隠してるつもりか、それで。
 恥ずかしさを消してるつもりだろうが、余計にヤらしいよ。
 ってか半端に押さえた分、音が内側に篭って低く響く。
 ヒゲが隠れて、潤み切ったつぶらな瞳がくっきりと際立つ。

(うーわぁ……)

 その恥じらいが。いとけなさが、余計にエロ臭い。かき立てられる、いきり立つ。とことん汚してみたくなるじゃないか。
 どぶっと口の中に弾けた粘つく液を、半分は飲み込んだ。だが残りは……わざとすっぽんっと口から引き抜く。

「おふぅっ」

 溶けたばかりの蝋とか、煮詰めた牛乳とか。いろいろ似てるものはあるが、やっぱり精液は精液だ。
 ぷるんっと揺れた赤い肉の先端から噴き上がり、びしゃびしゃと広がった。未だに服を着たまんまの奴の腹に……股間に。

「お、あ、あ……」

 太ももの内側をつー……と撫でる。フロウは小刻みに体を震わせ、またぴゅるっと飛沫を散らした。

「出た、な」

 にやりっと笑う。これで、おあいこだ。
 びちょびちょに濡れた布が、すっかり赤みの広がったもっちりした肌にへばりついていた。
 みっともない? 情けない? 
 そうとも言える。だけど俺にとっては、とんでもなく蠱惑的な眺めだった。

「て、めえ……」

 ぜい、ぜいと荒く息をつきながらフロウが眉をひそめ、半開きにした目で睨んで来た。

「ああ、心配すんな! ちゃんと脱がせてやるから」
「そう言う意味じゃっ、あ、やめっ」
 
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1.ことのおこり

2011/11/28 1:20 騎士と魔法使いの話十海
 ことの発端は些細なことだった。
 遅めの昼飯食った後。昼下りの白い光を浴びて、居間の椅子に越しかけて食後のパイプをくゆらすフロウの姿をぼんやり眺めてたら、あいつがいきなり手ぇ出して、言いやがったんだ。

「ダイン、お手!」

 何の冗談かお遊びか。
 あんまり楽しそうにニコニコしてやがったから、つい、たしっと右手を乗せてしまった。

「わうんっ」
「よーしよしよし、いい子だなー」

 わっしわっしと頭を撫でられる。これはこれで悪い気はしない。

「よし、おかわり」
「わんっ」

 今度は左手。

「……って俺は犬か」
「犬だろ? ちんちん!」
「……脱げと?」
「いんや?」

 これ以上ないってくらい真面目な顔して言いやがった。

「ちんちん」
「………」

 はいはい。ったく、しょうがねえオヤジだねえ。もうちょい、付きあってやるか。にやにやしながら床にしゃがんで、上半身を伸ばし、ぺっと両手をやつの腕に乗せた。

「わん!」
「……よし」
「こんなことやって、何が楽しい」
「ん? 色々と」

 そう言ってフロウは足を伸ばして、ぐりぐりと押してきやがったんだ。
 どこって、無防備になった俺の股間を!
 たまらず目を剥いて前かがみになってたら、にやにや笑いながらそのまま、器用に足でぐにぐにともみ始めた。

「おう、う、おあ、何、しやがるっ」
「ダメか?」
「う、く、んぐっ、だ、ダメじゃない、けど……うあ、よせっつの、勃ってきたろうがっ」
「駄目じゃないなら良いじゃねぇか……」

 そのまま、奴は靴を脱いで、素足になって。足の指と、裏で人のナニを挟み込んでぐにぐにと揉みやがった。扱きやがった。
 何考えてやがるか、真っ昼間から!

「おわあっ、よ、よせっつのこらっ」

 こっちはもうパニックだ。振り払えばそれで済むのに、動けない。
 怪しく蠢く素足から、目が離せない。
 脂汗たらして、くいくい腰をすり寄せちまう。それこそ発情した雄犬みたいに。

(いいじゃねぇか、誰に見られる訳じゃなし)

 頭の奥でもう一人の俺が勝手に頷いてる。

(こっちは住居だ、店じゃない。表には休憩中の札も出てる。よっぽどのことがない限り、いきなり誰かが入ってくる心配も無いじゃないか)

「いや、そう言う問題じゃねえっつの!」
「ん?やめて欲しいのか?」
「ち、ちがっ……あっ!」
 
 不意に足の動きが止められた。
 冗談じゃねえ、ここまで人を追いつめといて、そこで止めるかっ? むず痒くて、熱くて、今にも爆発しそうになってんのに!

(嫌なら振り払って、さっさと離れればいい)

「せめて脱ぐまで……待て……」

 何だって、ねだるような事ほざいてるのか、俺は。
 既に股間の一物はぱんぱんに腫れ上がって、奴の足が動くたんびにピクピク震えていた。
 先端からじゅくじゅくなまあったかい汁が滲んでる。下着が張り付いて、妙にそこだけ感覚が鋭くなっている。ただでさえ、張り詰めて、充血した皮膚は敏感になってるってのに!

「中で、弾けたら……えらいことになる」

 半分ぐらい期待してたんだ。『じゃあさっさと脱げ』って言われるのを。
 甘かった。

「……ん? いいじゃねぇか、中で弾けても」

 蜂蜜色の瞳を細めて、目の縁に皴を寄せて。小憎らしいぐらいに可愛い笑みを浮かべると、フロウの奴はぐりぐりと足の裏をすり付け、しごくのを再開した。しかもさっきより明らかに、指の動きが細かい!

「っく、こんの変態オヤジがっ、う、お、おうっ」
「今更なこと言われてもなぁ……」

 つい、と顎を反らしてそらっとぼけるその顔が、あまりに艶っぽくて。ごくりと咽が鳴り、股間が余計に膨らむ。
 結果として弾力のある足の裏に押されて、余計に悶える羽目になる。
 俺は逃げようとしてるのか。それとも、もっと強くこすってほしいのか?
 ああ。
 滲んだ汁が竿をつたってつーっと流れてる。内側から押し上げられて、張り詰めた下着に押し付けられる。こすられる。

「くそっ、も、どうなっても知らないからなっ」

 自分からぐいぐいと足に股間をこすりつけた。初級魔術の教本でも暗記すりゃあ収まるんだろうけれど、頭ん中がぐらぐら煮えくり返って最初の一語も出てこない。
 ただ、ただ耳の奥でごうんごうんと叫んでる。

(やりたい、やりたい、やりたい!)

「んっ、熱っ」

 ぴくっとフロウの咽が震える。目元が赤い。うなじがうっすらと汗ばんでいる。
 におっていた。
 肌から滲む汗や、吐き出される息、髪の生え際、耳の後ろ、足の指、関節の内側。
 至る所から滲み出す、発情した雄の『におい』が教えてくれる。
 欲情してるのは、俺だけじゃないって。
 その証拠に、そら、奴の足がまた動く。俺の好きな場所を正確に狙って、突く。押す。引っかいて、ねじり込む。

「く、う、あ、ん、んっ」
 
 みっともない声が止まらない。
 さっきっからとろとろと一物の先端から溢れて、こぼれて全体を濡らす汁と同じくらいに、生臭い声が。逃げ出したいほど恥ずかしい。床を転げ回りたいくらいに悔しい。眉間に皴を寄せて呻く。

「うー、うー、うーっ」

 そのくせ、体はもっと前へ、前へと突き動かされる。奴の指がちょっとでも動くだけで肩が跳ね、勝手に腰が動いちまう。交尾する犬みたいにかくっ、かくっと、ものすごい勢いで。

(ちくしょう、どうなってんだ、俺は!)

「ははっ……なぁ、気持ち良いか? なぁ」

 何、聞いてやがるか、愉しそうに声揺らしやがって! 誰のせいでこうなってると思ってる! 歯ぁむきだして噛みついてやりたい。それなのに。

「気持ち……いい」

 汗ばんだ顔でこくっとうなずいていた。
 俺がこすりつければ、フロウが逃げる。腰を引けば追いかけてくる。
 奴の手の上でころころ転がされてる……いや、足の上か? 踏まれてるんだから下か? 

 むず痒いほどの快楽が体の奥から吹き出し、肌の表面でふつふつと沸き立つ。滲み出す汗に溶けた雄のにおいが、一段と濃くなった。

「フロっウっ!」

 もう、我慢できなかった。がしっとフロウの足を抱え込んで、激しく腰を打ち付ける。

「……ん、っ……っ、良い眺めだ」

 ぽってりした唇の端を上げ、奴が笑う。くすぐったそうに首をすくめて。

 あー、くそ、人のこと攻めてやがるのに、何だってそう可愛い顔してるんだよお前は! 卑怯だ。ずるいぞ。反則だ!
 ヤケになって、激しくぶつかると……フロウは体を少しずらしてグイッ……とばかりに、脚に体重をかけてきた。

「イっちまえよ、ダイン。」

 その一言に、止めを刺される。

「あっ、く、うっ、フロウっ」

 熱に浮かされ、うめいた。吠えた。わめいた。ただ奴の名前を呼んでいた。

 「お、う、お、ん、ん、んうっーっっ!」

 ずりずりと熱く濡れた股間を打ち付け、押し付けてぐい、とばかりに持ち上げて……びくっ、びくっと、体が痙攣する。
 溜まりに溜まった熱いのを、一気に放った。どぶどぶと粘つく体液を、力いっぱい、服の中に。
 やっちまった。そんな罪悪感と、どこか突き抜けた快感に、頬の筋肉がゆるみ、口が開く。
 あー……涙にじんでる。ゆるみ切ってる。顔も、体も……情けねえ。
 隠したい。隠れたい。でも手がフロウの足をがっちり押さえ込んで離さないから、それもできない。

「……っ!出た…な。」

 だああ、わざわざ言うなーっ!

 フロウは目を細めて脚の力を抜き、はふっと小さく息を吐いた。
 吐かれた息を嗅いだ瞬間、背筋の奥がぞわあっと細かく泡立つ。
 こいつの腑、発情してる。生ぬるくて、しょっぱいにおいを放ってる。服を脱いだ生き物の放つ、生々しいぬめり。
 触るのと同じくらいはっきりと感じた。

「う……あ……」

 ぶるっと身震いして、長く息を吐き……がっくりうなだれる。
 同じにおいのはずなのに、何だって自分のを嗅ぐとこんなに情けない気分が湧いてくるんだろう。

「出しちまったぁ……」
「あ~、愉しかった。」

 人の気も知らないでこのオヤジは!
 クツクツと、喉を鳴らして笑いながらこっちを見下ろしてやがる。

「この……っっ」

 股間はべとべとだ。生あったかい粘つく精液が、布地に染みて、へばりついて。

「漏らしたみたいで、すっげえ……気色悪ぃぞこのやろぉ」
「にししし……なぁに、良い感じだったろ?」
「ったりめーだ、でなきゃ勃つか! 出るか!」
「まあ、風呂使って良いから、とっとと洗ってこい」

 こん、ととっくに火の消えたパイプの灰を落として、愉しげに咽を鳴らしてる。すっかりくつろいでやがる。片方だけ靴を脱いだ素足が、妙に白く生々しい。
 椅子に座ったまんま、足を組んでるのは見せつけてるのか。それとも誘ってるのか?

「………」

 ぐいっと肩をつかんでのしかかった。

「楽しそうだな、ええ、フロウ?」
「うぉっ、と……おぉ、楽しかったぞ、ダイン」

 そのまま、むっちりした太ももの間に体を割り込ませ、がばっと覆いかぶさって唇を貪る。
 上、下、舌、がっぷり全体を吹くんでじゅくじゅく吸って、舐め回して。息が詰まるほどの勢いでしゃぶりついた。
 こいつがどれほど、欲情してるのか。嗅いで、味わって、確かめた。

「んっ、んふっ、ん、ぅ、っ!」

 重なった口の中にくぐもったうめきが響く。

「火ぃ着いたぞ。一回出したぐらいで……終わると……思うな?」
「……っはは、良いぜ。今日は気分がノってるから、タップリ……遊んでくれ」
「嬉しいね」

次へ→2.落ち着けとか絶対無理。
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【5】ぴちゃぴちゃな昼下り★★★

2011/11/28 1:18 騎士と魔法使いの話十海
  • 昼下り、昼食を終えてのんびりしてたらいきなりフロウに言われた。「ダイン、お手!」ノリで「わん!」っとやったら次に来た『命令』は……。
  • 全編濡れ場のみ。
  • ※18歳未満の閲覧はご遠慮願います。
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