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とりねこの小枝

教えて?フロウ先生!—魔法の種類—

2012/03/20 23:36 その他の話十海
 
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<教えて?フロウ先生!—魔法の種類—>

「あ~っと…じゃあ、まず基本的な事を確認するぞ?」

 そう告げるのは小柄な中年風貌…その顔には「どうしてこうなった。」とありありと書いてあるが…目の前でキラキラと目を輝かせる金髪の少女には通じない。
 そもそもの発端は彼女…ニコラ・ド・モレッティが勢い良く薬草店のドアを開けて入ってきたことから始まった。

「私、来月から魔法学院に通うことになったから、入学前に色々教えて!」

 護身用のコモンマジック…誰もが使う共通語で呪文を組んだ簡易魔術を一つだけ教えてから、自分を師匠と呼ぶようになった少女に、薬草屋の店主…フロウライト・ジェムルは頭を抱えた。
 しかし、頭を抱えても彼女が帰るわけでもないし、少女の頼みごとを無碍にするのも気が引けて…今に至るわけだ。

「まず、魔法には大きく分けると2種類に分類されるんだが…。」

「はい!『魔術』と『祈術』です!」

 己が続けようとした言葉を、シュパッ!と手を上げて先を埋める出来の良い生徒に、フロウは若干苦笑いをしながら。

「おう、でも授業中はそうやって先走るなよ?それじゃあ…具体的な違いを言えるか?」

「えぇっと…自分の魔力で直接干渉するのが魔術で…自分の魔力を別の存在に譲って、力を行使してもらうのが祈術…だったかしら。」

「ま、概ねそんな感じだな。それじゃあ、魔術と祈術にはそれぞれどんな魔法があるか、挙げてみな?」

 ニマリと笑って、悪戯に問題を投げてみれば、金髪の少女はそれを挑戦と取ったのか眉根を寄せて先よりも真剣に考え始め。

「えっと…魔術に属するのは、私が教えてもらった共通語魔法に、魔導語を使った魔導術、簡略化した魔導語の歌詞で歌う魔歌。
 祈術は、神様の力を借りる神祈術に精霊の力を借りる巫術。異界の存在を呼び出す召喚術!」

 少し考え込んだ後、これでどうだ!と言わんばかりにまくし立てる少女の回答に、少し目を見開いてからクツリと…教師役の男は目を細めて笑い。

「おぉ、良く覚えてんなぁ…他にも魔術には少し前から確立されはじめた錬金術って系統の魔術に、祈術には竜を信仰して行使する竜祈術があったり…魔法とはちょっと毛色が違うが、自分の体を魔力で変質させる錬体術ってのも、一応魔術の一種に入るさね。」

「へぇ…私の知らない魔法って結構一杯あるんだ…。」

「もしかしたら、俺たちの知らない魔法もまだどっかにあるのかもな。」

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