▼ 【3-13-15】★★刻印1
「新入りが入団する時は俺が入れてやるんだ。慣れたもんだぜ……」
手術用のゴム手袋をはめながら、なめらかな背中を見おろす。ごくりと喉を鳴らして生唾をのみこみ、舌なめずりした。
消毒薬を染み込ませた脱脂綿で背中を拭った。背骨を中心に肩甲骨に沿って。それだけでびくっとすくみあがり、細かく震えている。
「あれほどヤりまくったのにまだ足りないのか……つくづく淫乱な奴だ。テキサスの親父さんが知ったら何て言うだろうなあ」
「っ!」
息を飲み、体を強ばらせた。嬉しいね、また一つお前の弱点を見つけたぞ。
「そうか……奴とデキてることは親父さんには秘密にしてるのか。悪い子だ。お仕置きが必要だな」
つ、と背中に人さし指を這わせる。これから彫る絵柄のアウトラインをなぞって。
また震えてやがる。ここに針を刺したらどうなるんだろうな?
「麻酔は無し、痛み止めも、無し、だ。痛かったら遠慮なく声を出せ、と言いたいとこだが、舌でも噛まれちゃコトだからな」
「うっ」
猿ぐつわを噛ませ、前に回した手に手錠をかけ直す。逃げる力なんざとっくに残っていないのはわかっていたが、とにかく奴の体をこの場に繋ぎ止めておきたかったのだ。
押さえ込んで手彫りで針を刺した。機械で彫るなんてそんなもったいないこと誰がするものか。
「んっ……ぅうっ」
「動くなよ? 余計に痛い思いをすることになるぜ」
白い肌に深々と針を食い込ませる。
そのたびにくぐもったうめき声が漏れる。お前みたいな感じやすい体の人間にはさぞ効くだろうよ。
それとも、まだクスリが残ってるのか?
ひと針、ひと針刻んでやろう。
お前の肌に、俺の署名を。
少しずつ時間をかけて。
※ ※ ※ ※
夢中になってタトゥーを刻んだ。
丹念に、ひと針ずつ。
ぶっ通しで6時間、恋い焦がれた男の背中に。
普通ならこれぐらいの大きな絵柄を彫るのは3〜4回に分けて行うもんだ。
さもなきゃ皮膚が炎症を起こして、真っ赤に腫れ上がって、熱が出て、体がもたない。
………ちょうどこんな具合にな。
「できたぜ……お前に似合いのを入れてやったよ」
背骨を中心に肩甲骨に沿うようにして彫られた『広げた翼』。その中央に蛇が一匹絡み付いている。蛇の尾の先端は蠍の毒針に変わり、深々と翼に突き立てられていた。
蠍の尾を持つ蛇の背に刻印された己の署名を見下ろす。
"Freddie"
いつもお前が呼んだ名だ。
「う……」
ぐったりしていた奴がわずかに反応する。とうとう最後まで持ちこたえちまったな。
いっそ気を失っていた方が楽だったろうに。
「お前はこれから一生、俺の名前を背負って生きて行くんだ……一生な」
「っ………」
何度針を刺されても流れなかった涙が、つーっと一筋こぼれ落ちる。顔をよせ、舐めとった。
通常ルート→【3-13-17】★★刻印3
鬼畜ルート→【3-13-16】★★★★刻印2
手術用のゴム手袋をはめながら、なめらかな背中を見おろす。ごくりと喉を鳴らして生唾をのみこみ、舌なめずりした。
消毒薬を染み込ませた脱脂綿で背中を拭った。背骨を中心に肩甲骨に沿って。それだけでびくっとすくみあがり、細かく震えている。
「あれほどヤりまくったのにまだ足りないのか……つくづく淫乱な奴だ。テキサスの親父さんが知ったら何て言うだろうなあ」
「っ!」
息を飲み、体を強ばらせた。嬉しいね、また一つお前の弱点を見つけたぞ。
「そうか……奴とデキてることは親父さんには秘密にしてるのか。悪い子だ。お仕置きが必要だな」
つ、と背中に人さし指を這わせる。これから彫る絵柄のアウトラインをなぞって。
また震えてやがる。ここに針を刺したらどうなるんだろうな?
「麻酔は無し、痛み止めも、無し、だ。痛かったら遠慮なく声を出せ、と言いたいとこだが、舌でも噛まれちゃコトだからな」
「うっ」
猿ぐつわを噛ませ、前に回した手に手錠をかけ直す。逃げる力なんざとっくに残っていないのはわかっていたが、とにかく奴の体をこの場に繋ぎ止めておきたかったのだ。
押さえ込んで手彫りで針を刺した。機械で彫るなんてそんなもったいないこと誰がするものか。
「んっ……ぅうっ」
「動くなよ? 余計に痛い思いをすることになるぜ」
白い肌に深々と針を食い込ませる。
そのたびにくぐもったうめき声が漏れる。お前みたいな感じやすい体の人間にはさぞ効くだろうよ。
それとも、まだクスリが残ってるのか?
ひと針、ひと針刻んでやろう。
お前の肌に、俺の署名を。
少しずつ時間をかけて。
※ ※ ※ ※
夢中になってタトゥーを刻んだ。
丹念に、ひと針ずつ。
ぶっ通しで6時間、恋い焦がれた男の背中に。
普通ならこれぐらいの大きな絵柄を彫るのは3〜4回に分けて行うもんだ。
さもなきゃ皮膚が炎症を起こして、真っ赤に腫れ上がって、熱が出て、体がもたない。
………ちょうどこんな具合にな。
「できたぜ……お前に似合いのを入れてやったよ」
背骨を中心に肩甲骨に沿うようにして彫られた『広げた翼』。その中央に蛇が一匹絡み付いている。蛇の尾の先端は蠍の毒針に変わり、深々と翼に突き立てられていた。
蠍の尾を持つ蛇の背に刻印された己の署名を見下ろす。
"Freddie"
いつもお前が呼んだ名だ。
「う……」
ぐったりしていた奴がわずかに反応する。とうとう最後まで持ちこたえちまったな。
いっそ気を失っていた方が楽だったろうに。
「お前はこれから一生、俺の名前を背負って生きて行くんだ……一生な」
「っ………」
何度針を刺されても流れなかった涙が、つーっと一筋こぼれ落ちる。顔をよせ、舐めとった。
通常ルート→【3-13-17】★★刻印3
鬼畜ルート→【3-13-16】★★★★刻印2