▼ 【3-13-13】★★★★崩壊
電話を切り、ベッドの上の獲物を見下ろす。
「息も絶え絶えって有り様だな……『器具によるレイプ』ははじめてか?」
「う……ぅ……」
奴の体から半分ほど突き出したペンライトに手をかける。それだけの動きで後ろの口がひくつき、金属の棒をくわえこむように動く。
「気に入ったみたいだな……ええ、マックス? いい声で鳴きやがって。たまんねえって顔してるぜ」
「ち……が……ぁっ」
断続的にくり返された陵辱の末、手足の力は萎え、とっくに拘束する必要がなくなっていた。死にものぐるいでもがいた挙げ句、手首には手錠が擦れて赤い筋がくっきりと刻まれている。
噛みしめた唇には血がにじみ、白い肌には指の痕や吸い痕、噛み痕、煙草の火を押し付けた痕が赤く浮かんでいる。
この二日間と言うもの、7人の部下どもはあきれるほど熱心に自分たちの『仕事』に没頭していた。
バイク便で髪の毛を送りつけて戻って来た時、奴は部下の一人に後ろから串刺しにされ、もう一人に前からペニスをすりつけられ、さらに三人目の逸物を口の中にねじ込まれて呻いていた。一人が満足したかと思うとまた別の一人がのしかかる。
むせ返り、咳き込みながら弱々しい声で「もうやめてくれ」と懇願するが、返ってくるのは嘲りの笑いばかり。
『ここはそうは言ってないぜ』
『遠慮するな、まだ足りないんだろう? どこまで淫乱な奴なんだ』
『案外、ローゼンベルク一人じゃ物足りなかったんじゃないか?』
元警察官で人一倍正義感が強く、自分たちの稼ぎ元を潰した男。腕の立つタフガイ。そのくせとびきり感じやすい上玉……しかもクスリでさらに磨きがかかっている。
敵対する弁護士の最愛の人。今までただ一人の男しか知らない、限りなく無垢に近い身体。
しっかりやれと念を押すまでもなかった。飽きる事なく奴に群がり、執拗に貪り、犯し続けた。
天使の羽根をむしり取り、汚泥の中に叩き落して踏みにじるのに夢中になった。
特等席に陣取り、約束通りとっくりと鑑賞してやった。
奴が部下どもに寄ってたかってさんざん犯されて、悲鳴を挙げることすら許されぬまま、おびただしい精液で体の中も外もくまなく汚されて行く姿を。
クスリに侵され、注がれる欲望に応える肉体のもたらす終わりの無い快楽に悶え狂う有り様を。
(そうだ、もっと汚れてしまえ。もっと、もっと)
(汚れてしまえば……俺の手も届く……)
それなのに、何だってこう……透き通った目をしてやがるのか。つくづく嬲り甲斐のある男だ。
しかしその一方で、彼の中にいまだに汚し切れぬ真っ白な部分が残っているようで、いら立つ。
そうだ。
こんなにまでされながらこいつは、一度も俺に向かって怒りの言葉を吐かない。ののしりも。蔑みも。
憎しみさえも。
ただ悲しげな目で見上げてくるだけだ。
それどころかよろよろと手をのばして、そっと頬に触れてきた。震える指先で、まるで傷ついた小鳥でも撫でるように。
「っ……よせ、そんな目で見るなっ」
振り払い、逆手で打ち据える。
肩をつかんでベッドに押しつけ、後ろを犯す器具をぐい、と奥までねじ込んでやった。背筋が反り返り、一段と高い悲鳴があがる。
容赦無く出し入れしてやった。
「健気なもんだぜ。そんなにレオンが大事か? こんなもん美味そうにくわえこみながら『来るな』か……泣かせるね……」
「も……や……め……ぅあっ、ひっ、あ、あ、あっ」
俺に抱かれている瞬間でさえお前の頭にはローゼンベルクのことしかないのか。奴しか見えていないのか。
「そうだよなぁ。来るなって言いたくもなるよな……でも、奴は来るぜ……必ずな」
「く……あ」
腹立たしい。忌々しい………許せない。
気が狂いそうだ。
(手に入らぬものならば、いっそ自分で壊してしまおうか)
「この二日で何人とヤった? 色っぽい声あげて……腰まで振りやがって……。上からも下からもさんざん種付けされて、腹ん中は俺らの出したザーメンでどろどろだ。そら、また溢れてきたぞ」
「あ……う……ぁ……」
「汚れきったその体で、どの面さげてローゼンベルクの前に出るつもりだ?」
「っ!」
表情が凍り付く。
のしかかり、耳もとで囁いてやった。
「もうお前は……奴一人の可愛い恋人じゃないんだよ、ディフ」
「あ……あ……あぁっ」
彼の顔が苦悶に歪み、ヘーゼルブラウンの瞳に絶望の色が浮かぶ。喉から血を吐くような嗚咽が絞り出される。
そうだ……それでいい。
「こうして触れたいのも。触れられたいのも。お前だけだ、レオン……愛してる……」
「愛してるよ」
「う………う……あ…レ……オ………っ」
助けを求めるように恋しい男の名を呼ぼうとする、その唇をむさぼった。
喉の奥から漏れるくぐもったうめき声に聞き惚れながら、容赦無く舌を入れて蹂躙する。
「いい顔だ……最高に、そそるね……」
慌ただしく後ろから金属の代替品を引き抜き、自分のモノをぶち込んでやった。
「あっぐ……うっ」
「見ろ……俺を見ろ、マックス。今お前を抱いてるのは俺だ……奴じゃない」
びくん、と奴の体が震える。弱々しくもがいていたのが止まり、虚ろに見開かれた両目から涙が流れた。
ああ、その顔だ。それが見たかった。
憎しみさえも与えてくれないのなら、せめてお前の心を引き裂いてやろう。
もう二度と、誰も愛せないように。
次へ→【3-13-14】★★囚われの天使
「息も絶え絶えって有り様だな……『器具によるレイプ』ははじめてか?」
「う……ぅ……」
奴の体から半分ほど突き出したペンライトに手をかける。それだけの動きで後ろの口がひくつき、金属の棒をくわえこむように動く。
「気に入ったみたいだな……ええ、マックス? いい声で鳴きやがって。たまんねえって顔してるぜ」
「ち……が……ぁっ」
断続的にくり返された陵辱の末、手足の力は萎え、とっくに拘束する必要がなくなっていた。死にものぐるいでもがいた挙げ句、手首には手錠が擦れて赤い筋がくっきりと刻まれている。
噛みしめた唇には血がにじみ、白い肌には指の痕や吸い痕、噛み痕、煙草の火を押し付けた痕が赤く浮かんでいる。
この二日間と言うもの、7人の部下どもはあきれるほど熱心に自分たちの『仕事』に没頭していた。
バイク便で髪の毛を送りつけて戻って来た時、奴は部下の一人に後ろから串刺しにされ、もう一人に前からペニスをすりつけられ、さらに三人目の逸物を口の中にねじ込まれて呻いていた。一人が満足したかと思うとまた別の一人がのしかかる。
むせ返り、咳き込みながら弱々しい声で「もうやめてくれ」と懇願するが、返ってくるのは嘲りの笑いばかり。
『ここはそうは言ってないぜ』
『遠慮するな、まだ足りないんだろう? どこまで淫乱な奴なんだ』
『案外、ローゼンベルク一人じゃ物足りなかったんじゃないか?』
元警察官で人一倍正義感が強く、自分たちの稼ぎ元を潰した男。腕の立つタフガイ。そのくせとびきり感じやすい上玉……しかもクスリでさらに磨きがかかっている。
敵対する弁護士の最愛の人。今までただ一人の男しか知らない、限りなく無垢に近い身体。
しっかりやれと念を押すまでもなかった。飽きる事なく奴に群がり、執拗に貪り、犯し続けた。
天使の羽根をむしり取り、汚泥の中に叩き落して踏みにじるのに夢中になった。
特等席に陣取り、約束通りとっくりと鑑賞してやった。
奴が部下どもに寄ってたかってさんざん犯されて、悲鳴を挙げることすら許されぬまま、おびただしい精液で体の中も外もくまなく汚されて行く姿を。
クスリに侵され、注がれる欲望に応える肉体のもたらす終わりの無い快楽に悶え狂う有り様を。
(そうだ、もっと汚れてしまえ。もっと、もっと)
(汚れてしまえば……俺の手も届く……)
それなのに、何だってこう……透き通った目をしてやがるのか。つくづく嬲り甲斐のある男だ。
しかしその一方で、彼の中にいまだに汚し切れぬ真っ白な部分が残っているようで、いら立つ。
そうだ。
こんなにまでされながらこいつは、一度も俺に向かって怒りの言葉を吐かない。ののしりも。蔑みも。
憎しみさえも。
ただ悲しげな目で見上げてくるだけだ。
それどころかよろよろと手をのばして、そっと頬に触れてきた。震える指先で、まるで傷ついた小鳥でも撫でるように。
「っ……よせ、そんな目で見るなっ」
振り払い、逆手で打ち据える。
肩をつかんでベッドに押しつけ、後ろを犯す器具をぐい、と奥までねじ込んでやった。背筋が反り返り、一段と高い悲鳴があがる。
容赦無く出し入れしてやった。
「健気なもんだぜ。そんなにレオンが大事か? こんなもん美味そうにくわえこみながら『来るな』か……泣かせるね……」
「も……や……め……ぅあっ、ひっ、あ、あ、あっ」
俺に抱かれている瞬間でさえお前の頭にはローゼンベルクのことしかないのか。奴しか見えていないのか。
「そうだよなぁ。来るなって言いたくもなるよな……でも、奴は来るぜ……必ずな」
「く……あ」
腹立たしい。忌々しい………許せない。
気が狂いそうだ。
(手に入らぬものならば、いっそ自分で壊してしまおうか)
「この二日で何人とヤった? 色っぽい声あげて……腰まで振りやがって……。上からも下からもさんざん種付けされて、腹ん中は俺らの出したザーメンでどろどろだ。そら、また溢れてきたぞ」
「あ……う……ぁ……」
「汚れきったその体で、どの面さげてローゼンベルクの前に出るつもりだ?」
「っ!」
表情が凍り付く。
のしかかり、耳もとで囁いてやった。
「もうお前は……奴一人の可愛い恋人じゃないんだよ、ディフ」
「あ……あ……あぁっ」
彼の顔が苦悶に歪み、ヘーゼルブラウンの瞳に絶望の色が浮かぶ。喉から血を吐くような嗚咽が絞り出される。
そうだ……それでいい。
「こうして触れたいのも。触れられたいのも。お前だけだ、レオン……愛してる……」
「愛してるよ」
「う………う……あ…レ……オ………っ」
助けを求めるように恋しい男の名を呼ぼうとする、その唇をむさぼった。
喉の奥から漏れるくぐもったうめき声に聞き惚れながら、容赦無く舌を入れて蹂躙する。
「いい顔だ……最高に、そそるね……」
慌ただしく後ろから金属の代替品を引き抜き、自分のモノをぶち込んでやった。
「あっぐ……うっ」
「見ろ……俺を見ろ、マックス。今お前を抱いてるのは俺だ……奴じゃない」
びくん、と奴の体が震える。弱々しくもがいていたのが止まり、虚ろに見開かれた両目から涙が流れた。
ああ、その顔だ。それが見たかった。
憎しみさえも与えてくれないのなら、せめてお前の心を引き裂いてやろう。
もう二度と、誰も愛せないように。
次へ→【3-13-14】★★囚われの天使