ローゼンベルク家の楽屋

電子書籍「とりねこ」、レビューしてくださった皆様、ありがとうございます。
まさかこんなに早く６本も。

掲載されたレビューを拝読するにつけ、改めて読者さまのこだわりと、おいちゃんへの愛に頭の下がる思いです。
携帯やスマホ、パソコン、タブレット端末。
インターネットを介して電子媒体で読む『書籍』である以上、紙書籍と同じ価値観は必ずしも通じません。
ことに「とりねこ」はサイト上でも連載中、読み続けてくださる読者さんがいてこそ、今回の電子書籍化に至った経緯があります。

この事実を決して「なかったこと」にするなんて。
有り得ない。絶対にしたくない。
そう言ったスタンスの元、こうしてブログ上でもせっせと呼びかけている次第です。

お礼に換えて制作時のこぼれ話などをつらつらと。
紙書籍なら後書きに入れる事ではありますが、あいにくとそのスペースがありませんので……。

今回、電子書籍化に当たってカラーの表紙と、口絵、そしてモノクロ挿絵が三点入りました。

挿絵を担当する絵師さんを決める際に、
『♂×♂ががっつり絡んでる所と、ガタイのいい裸と洋風ファンタジーの服装や小道具、可愛いおじさんの描ける方をお願いします！』
……と言う私の無茶振りに答えてネットワーク出版の編集さんが紹介してくださったのがMisenさんでした。

メールに添付されたサンプルを見た瞬間「これだーっ」と思った。
鳥肌が立つ思いでした。

原稿の提出後、送られてきた表紙のサンプルを見て拳を握ってガッツポーズ。
しっかりわんこ騎士がおいちゃんの尻を撫で回しているではありませんか！
そして、ちび。
ＢＬ小説と言う性質上、ちびの絵を入れられるのは表紙だけの一発勝負。
ここで見たイメージが、本文を読む間ずーっと読者さんの頭の中に再現されます。
見事に「とり」で「ねこ」で「黒と褐色斑の」ふわもこした生き物がいました。

※さて、ここから先は具体的に『絡み絵』について熱く語っております。
※苦手な方は回れ右。


（以下改行）








カラー口絵には、何としても主役カップルががっつり絡んでる所を入れたかった。
ＢＬゲームで言う所のイベント絵です。
しかし枚数は一枚。汁差分も表情差分も入れられない。
そこで全部の要素をぎゅっと一枚に圧縮して文字コンテを切り、Misenさんにお願いして、結果としてああなりました。

しょっぱなからダインもフロウもはあはあ言ってて乱れまくって、汗だのそれ以外だのがしたたってるのはその為です。
後で本文を読み進めつつ、読者さんの頭の中で絵のイメージを文字でなぞれるように。

生々しくて濃厚過ぎてちょっと……と、言う方もおられるかも知れません。
しかし今回、全て自分が文章を書き、コンセプトを練った企画です。
確固たる覚悟の下、自分のしたい事を貫き通しました。
悔いはありません。
イメージ的にきれいにまとめるやり方もある。
だけどあえて、受けも攻めもはーはー言って赤くなって互いをむさぼりむさぼられてる図を挿絵化して欲しかったのです。

モノクロ挿絵のＨシーンも同様。
おいちゃんの表情、わんこの慌てっぷり、全て私のリクエスト通りです。
普通の場面の挿絵も、細かい所まで本文の内容が反映されています。（ダインの胸元の不自然な膨らみとか……何が入っていたかは、お読み下さった方はおわかりですね？）
一番小さく表示されるであろう、携帯を意識しての見やすい構図。
でき上がった電子書籍を見るにつけ、改めて思いました。
「とりねこ」の挿絵をMisenさんにお願いできて良かった、と。
後にサイトで拝見してわかったんですが、「かっこいい」と感じるキャラが被りまくってて（笑）
感性のベクトルの近い絵師さまと巡り合えた幸運に感謝する次第です。

ぼちぼち日数が経過するにつれ、「これは私的にはBLじゃない！」なんて★一つの厳しいご意見も出たりして。
しかも「参考になった」方が４人もいたりして。
へしょっと耳を伏せつつこれも広まったからだと自分を叱咤。
これからはもう「読者からBLじゃないって全否定されたけど若者×おじさんの絡んでる小説です！」って事をセールスポイントにしてみようかと。

最終的にＤＬ数が増えれば御の字。

ただパピレスさんのシステム上だと……
会員登録さえしてれば、買ってなくてもレビューは書けるし「参考になった」も押せちゃうんですね（汗）

そこにちょっと不確定要素は残りますがポジティブに。
ネットワーク出版さんから今後も発売される電子書籍では、売れるように自分の感性を曲げてまで書く予定はありませぬ。
だって私１人で書いてるお話ですもの。
依頼されて上からいただいたプロットや決まりに添って書くお仕事とは質が違う。ここで売れ線を狙って普通になったら意味がない。

今後もまっすぐに。
リミッター解除で書きたいものを書いて行きます。