少年赤ずきん２：ビースト・グロウ・アップ

哉はフリーランスの暗殺者。仕込まれた技を駆使して標的好みに装い、惹きつけ取り入り始末する。
おじさんは場末のホストクラブの店長。身に着けた社交術と包容力で奮闘し、傾きかけた店を支える世話好きおかん。
親子ほど年の離れた二人が出会い、愛欲にまみれた夜を共にしてから二日が過ぎようとしていた。

好きな人ほど殺したい。好きな人に殺されたい。
互いに肌の下に蠢く狂気を感じながらも、寄り添い、求めあい、過ぎて行く優しい日常。
けれどわかっていた。夢はいつか終わる。
「しょぼくれたおじさんの生きる道ぐらい作ってあげるよ。そうしたらお別れだね」
（君がいなくなったら俺は抜け殻だ）

ところがどっこい！
そんな切ないラブロマンス、悪魔が許すはずが無い。

下級悪魔と契約したかつての愛人が強襲、おじさんを掠奪。
攫われたおじさんを救うため、少年赤ずきんは敵地に乗り込む。影でほくそえむ骨紳士。その思惑を知りつつ、決然と。

「付きまとうなよ、ストーカー。僕の物に手を出すってことは死ぬってことなんだ」

何故、そこまで執着しているのか。本当に求めている物は何なのか。失いたく無い者は誰なのか。
残酷なほど克明に、突きつけられるその刹那、彼の下す決断は？

そして、獣が立ち上がる。