かふぇらって再生中
ジャックラッセル・テリアと白黒猫を愛でる日々。しばらくmixiで日記つけてたけど『でもどり』ます。
Calender
Pageview
Profile
うっかり過去ログ消してしまって泡食って再生中。
「あれ、この記事にコメントしたはずなのに?」と思った方。
そう言う訳で消えてしまったのです、ごめんなさいっ!
「あれ、この記事にコメントしたはずなのに?」と思った方。
そう言う訳で消えてしまったのです、ごめんなさいっ!
Menu
main rss
Pickup Photo!
all map
Recent Entries
椿油にて髪を梳くnew!
Recent TrackBacks
Recent Comments
宮崎はココやが!
しろ君 at 2008/04/15 16:58:46
十海 at 2008/04/15 17:51:18
らいあ at 2008/05/14 22:11:40
十海 at 2008/05/21 03:24:45
しろ君 at 2008/04/15 16:58:46
十海 at 2008/04/15 17:51:18
らいあ at 2008/05/14 22:11:40
十海 at 2008/05/21 03:24:45
3歳になりました
さき しのぶ at 2007/12/17 08:30:51
十海 at 2007/12/17 13:35:12
グリフP at 2007/12/17 19:11:19
しろ君 at 2007/12/18 07:23:10
十海 at 2007/12/20 02:06:45
さき しのぶ at 2007/12/17 08:30:51
十海 at 2007/12/17 13:35:12
グリフP at 2007/12/17 19:11:19
しろ君 at 2007/12/18 07:23:10
十海 at 2007/12/20 02:06:45
Categories
default_main (0)
趣味! (0)
ゾンビ打2
イヅナ時計
月と星空
Blogpeople
TrackBackpeople
default_main (0)
Search
previous article »» ひんやり冷却ジェルパッド || next article »» ウルトラマンマックスを見た
2007/07/22
ウルトラマンファンタジックライブ2007in宮崎観劇レポート
[特撮と時代劇]
今回の日記は2007年7月16日に開催されたウルトラマンファンタジックライブ2007in宮崎のレポートです。
二部の重大なネタバレを含みます。
お読みになる方はその点をご了承の上お進みください。
日時:2007.07.16
内容:第1部 歌って踊ってULTRA FAN TIME
第2部 見上げてごらん夜空の星を
13:30からの回を鑑賞。
・開演前
ダイナ登場。
劇中で踊るらしいダンスの振り付けを教えてくれる。心無しかキャラがお馬鹿系っぽいのは最近のつるのくんの芸風に合わせているのだろうかっ!(ダイナって暴れん坊ってイメージはあったんですがあそこまでお調子者じゃなかったよーな気がするんだけどなあ(笑))
・第一部
ゼアスとお姉さん登場。ゼアスが宝の地図を見つけたので探しに行く。洞窟に到着!
いきなりゼアスを突き飛ばして洞窟の中に叩き込むお姉さん。(ひでぇ!(笑))
洞窟の中から謎の石版を回収してくるゼアス。
お姉さん、ステージわきに♪発見。
「宮崎名物地鶏のササミか!」とゼアス、地方ギャグ一発。……やや滑り気味だがとにかくナイスだ、ゼアス!でもチキン南蛮の方が受けたと思うぞっ!(もしかして食べたかったんですか、地鶏)
♪をポチっと押すが……変な音がするだけ!
「そうだ、音楽の専門家を呼ぼう!」
そして出ました!ProjectDMMのお三方。
生で聞いたコスモスOP、鳥肌が立ちました。しかも私が座っておりましたのは幸いにして前から四列目。
マイクに入る前の肉声が聞こえるじゃあござんせんか。ビバ、狭い会場!
流れる様につないでマックスOPへ。
(この段階でCD購入を決意するワタクシ)
(後でCD聴いてわかったんですが、ProjectDMMオンリーのマックスOPって…けっこうレアなんですね)
(微妙にサビの部分のコーラスが違ってました)
(ステージバージョンは大門さんの声の伸びがすごかった!)
変な音がするのは「音が抜けちゃってる」から。会場の中に♪が隠されてる、客席の皆も探してー!と言う展開になり思わず椅子の下をのぞき込む。この辺りから「わし付き添いだもんね」と言う顔をしていたお父様たちが徐々に巻き込まれ始める。
集めた♪を持って会場のお友達がステージに上がる。
ゼアスが見つけた石版は五線譜だった。「音楽の時間に見たことあるー」ってウルトラの星にもあるんですか、音楽の時間!(そらーあるよな、学校があるくらいだから)
集めた♪を五線譜に貼付けて、楽譜を作る。♪を貼付けた瞬間に「ぽにゅっ」と音がするあたり、芸が細かい。
できあがった楽譜を洞窟に収めて、もう一度♪をぽちっと押すと……流れてきたのはウルトラマンOP!
ここで開幕前にダイナの教えてくれたダンスを踊る、と。
狭い会場の中で前やら横の通路やらにわらわら出てきた子供さんたちが踊る。
洞窟が光る!
「もしかしたら怪獣が出てきたのかも知れない! 私、一応ウルトラマンですから、行って見てきます!」
……一応ってあーた、主演映画2本もあるでしょうにっ>ゼアス
洞窟の中から出てきたのは、怪獣!ではなく巨大風船。
本来なら会場の中を転がして風船ゲーム、となる流れなのでしょうが、なにぶん今回は会場が狭かった。
巨大風船はステージ上にお目見えしたのみ。その代わり会場横のドアが開いて、セブン&初代マンが! 大量の風船抱えて登場。
会場の空気が変わった。
その瞬間、居合わせた全ての人間の顔が変わった。
やっぱり特別なのだ。
ウルトラマン。
ウルトラセブン。
実は席のすぐそばを通ってったんですけれど(端っこに座ってたもんで)
1mも離れてないとこを歩いてったんです、セブンが。マンが。
硬直してて写真撮影するとこじゃございませんでした……。
慌てて写した一枚は、UMAの目撃写真みたいになっちゃいましたとさ。
あー、べっくらこいた。
その後、ミニコンサートの間もマンとセブンは舞台の上で、カメラに答えてポーズとってました。太っ腹。
歌った曲は「ウルトラの奇跡」。
歌う前に大門さん、「お父さんお母さんも手を振ってください、そーすれば我々も喜びます。東国原知事も喜びます」と地方ネタ一発。宮崎ならこれ言っとかんと?
それにしても、つくづくお三方、背が高かった。
動きがきびきびしてた。
何度もTV画面で見て、歌を聞いていたけれど生の声と動きは比べようもないくらいに鮮やかで。CDの整えられた歌声と違う、時に微妙に力が入ったり、びーんと響くマイクに加工される前の声が聞けた。
歌が終わって名残惜しみながらもProjectDMMのお三方は退場、ゼアスとお姉さんも新たな冒険へ…って次は北海道ですか!
いきなり日本列島縦断ですわな。気温差でお体壊しませぬよう…いやマジで熱かったですから、本日の宮崎!
で、休憩時間の間にCD買ってきました。
握手券の配布は終わっちゃってたけど……いいの、聞きたかったから。特にウルトラマンマックスのOP。
(その後CDの中味はiPodに移動。繰り返し聞いてます)
・幕間
懐かしいテーマ曲とともに快獣ブースカ登場。
リアルタイムで見た世代が果たして会場内に何人いるやら(笑)
「ウルトラ戦士を応援してね!」とお願いされる。
・二部
最初は「俺付き添いだもんね」とゆースタンスで見ていても気づくと当事者になっている。それがファンタジックライブの底力。
「みーあーげてーごらんーよるのーほーしをー」
坂本九ちゃんの歌声が会場に流れる。(調べてみたら水木一郎兄ぃも歌ってるんですね、この曲。そっちのバージョンも聞いてみたかったな)この段階からして既に子供向けではない雰囲気がばりばりと。
テーマは「なりたいものになれる」(タイミングは失念しましたがステージの始まる前に「将来何になりたいか」「夢は何か」会場の子供たちに考えておいてね、と言う呼びかけあり)
冒頭、バルタン星人軍団登場。
地球侵略のためウルトラ戦士と戦っているがクローンバルタンの製造が追いつかないらしい。
そこでそれまでの時間稼ぎにってんでメカバルタンを送り出す。
このメカバルタン、作業用ロボットの古い部品を寄せ集めて作った間に合わせ。コントロール装置がなぜかマント。赤いマント。
メカバルタンって新兵器じゃなかったんかい! とずっこけたが、実はこれこそがストーリーの要だった。
場面変わってバルタン星人と戦うウルトラ戦士。
今回は平成ウルトラマンの出演でした。ティガが隊長さんっぽかった。
最初に登場したのはティガ、ダイナ、ガイア、アグル、コスモス、ジャスティス。コスモスがエクリプスモードだったんで最初わからんかったです(笑)
いくら倒しても後から後から出てくるバルタン。
このままではキリがない、原因をつきとめなければ!
そこにまた新たなバルタン戦士が……
「気をつけろ! 今までとは様子が違うぞ!」
前のめりに舞台袖からつっっこんで、ばったり倒れるメカバルタン。
「……確かにキャラが違うな」、とダイナ。
しかし、むっくり起き上がったメカバルタンは強かった。赤い目を光らせて、ウルトラ戦士たちをなぎ倒す。
そしてダイナと文字通り正面衝突!
「っかああ、すげえ石頭だこいつっ!」
その衝撃でマントが外れ、ばったり倒れるメカバルタン。
「……ダイナの石頭が勝ったみたいですね」
さらっと冷静につっこむコスモス、GJ!(笑)
機能停止したメカバルタンをその場に残してウルトラ戦士たちはひとまず退場。
場面転換して現れたのは、赤いマントをなびかせた謎のヒーロー、その名もバルタンマン!
……どーやら地球に移民してきたバルタン星人のコミュニティには「バルタンマン」と言うヒーロー番組があるらしい。
そう、地球にウルトラマンがいるように。
この辺で「あーこれもしかして劇場版コスモス第一作の流れを汲む話か?」と思い当たる。(あれにも子バルタンが出てたし)
バルタンマンのイメージ映像(笑)が引っ込んだ後、登場するのはバルタン星人の子供たち。兄と弟、妹の三兄弟。
兄弟のお父さんはバルタンの科学者。滅び行く母星を脱出して宇宙を旅して、新しい星を見つけた。そこは地球と呼ばれていた。
無邪気にバルタンマンごっこに興じる兄弟。
兄の権限でバルタンマン役を独占する少年バルタン。ちなみに弟と妹はちっちゃいのでパペット(笑)
行動範囲が狭い弟と妹は「もうおうちにかえるー」と退場。やんちゃなお兄ちゃんは残ってメカバルタンを発見する。
少年バルタンはメカバルタンのマントを見て「バルタンマンの仲間かもっ」と思う。
そこに怪獣登場、メカバルタンに襲いかかる。
少年バルタン、一度は逃げるものの「僕は…バルタンマンみたいになりたい!」と勇気を振り絞って拾ったマントを自ら羽織り、怪獣に立ち向かう。
ここまで見て、あー、これは友達がいじめられてたら勇気を出して助けろってことか、なぞと微笑ましく思ってしまったが……甘かった。後で思い知らされる事になる。
石を投げて、メカバルタンから怪獣の気をそらすものの、やはり子供。逆上した怪獣に襲われてピンチ。
そこに……ミライくんメビウス登場!
宮崎では5/16に光の国に帰ったばかり、いまだに人気は衰えず。どっと会場から声援が飛ぶ。
「メビウスー、がんばれーっ」
声援が上がる時、スポットライトが客席を照らす。あの演出は秀逸だ。客席にいる子供が『自分も一緒に戦ってるんだ!』と肌で感じることができる。TVにはない臨場感。
こそっと私も声援いたしました、心の中で(チキンですから)
「ミライくーん、がんばれー」と…。(一度やってみたかったんですよう。Guysの皆さんが、ミライくんの正体知ってから、メビウスにむかって「ミライくーん!」って言ってる場面見てっ)
怪獣を撃退したメビウスを見て「ウルトラマンだーっ」と怯える少年バルタン。
「今、ウルトラ戦士とバルタンは戦ってるから僕たちは敵同士だろ?」
「それは、バルタン星人が地球を侵略しようとしているからだ。君には何もしない」
メカバルタンを怪獣から守った少年の勇気をほめるメビウス。台詞の一言一言がもう、いかにもミライくんが言いそうな言葉でハマることハマること。TVシリーズを研究し尽くして書かれたシナリオなんだろうなあ、と感心することしきり。
少年はメカバルタンを再起動。
そして立ち上がったメカバルタンは……おお、目が青い。いいやつだ!(笑)
機械故に純朴で、素直なメカバルタンは少年バルタンとメビウスと友達になる。
さらもバルタンマンの情報もインプット。(さすがメカ)
しかし、そこにバルタン星人の大人たちがメカバルタンを回収にやって来る。
少年バルタンの父親は、メカバルタンを作った科学者だったのだ。
「お前はウルトラマン! 息子に何をした!」
敵意むき出しの父親バルタン。少年バルタンが事情を説明しても聞く耳持たず。
そしてメカバルタンはコントロール装置をとりつけられ、目が赤く変わる。
一転して凄まじいパワーでメビウスを攻撃。少年バルタンが止めて、と叫ぶが聞き入れない。
ろくに反撃できず一方的にやられるメビウス。最後の力を振り絞ってコントロール装置をむしり取るものの、倒れてバルタン星人たちに連れ去られてしまう。
「ミライのばかやろう、何で反撃しねえんだよ!」と、リュウさんの代理でつっこんでおく(心の中で)
「決まってるじゃないですか……メカバルタンは友達だからですよ!」と、さらにコノミの代理で返しておく(くれぐれも、心の中で)
大人たちが去った後、コントロールから解き放たれたメカバルタン(青い目に戻っている)は少年バルタンに近寄って行く。
「トモダチ、トモダチ……」
「お前なんかトモダチじゃない! お前は、悪い奴だ!」
うんうん、目の前であれ見せられたんじゃね……。
逃げる様に去って行く少年バルタン。一人ぽつんと残されるメカバルタン。
寂しそう。
そこに現れるバルタンマン。(ってあなた、イメージ映像じゃなかったんですか!)
「君はメビウスと戦った。君のせいで、メビウスはバルタンの手に落ちた。 しかし、バルタン星にとっては、正しいことをしたのだよ?」
「でもトモダチに嫌われた……」
「何がまちがっていて、何が正しいことなのか。君は何になりたい? 何をしたい? 君の心の中に答えはある」
「たとえ、自分が傷つくことがあっても」
ここで会場の子供立ちにバルタンマンが問いかける。「君は何をしたい?」「君は何になりたい?」
次々に言葉にされるいくつもの夢。したいこと。なりたいもの。じっと耳をかたむけるメカバルタン。
やがて、意を決して飛び去る。
メビウスの捕われている、バルタン星人の基地目指して。
「子供たちよ。これから何が彼の身に起こっても見守ってやってほしい。応援してやって欲しい」
客席に向かって語りかけるバルタンマン。いったい彼は何者なのだろう?
その後、舞台はバルタンの基地へと移る。
メカバルタンの投入で戦況は一気にバルタン有利に展開。クローンバルタンの培養は順調に進み、もはや地球侵攻計画は秒読み段階。
そこにウルトラ戦士が突入、迎え撃つバルタン軍団との激しい戦いが繰り広げられる。
ここから2人ずつペアを組んだウルトラ戦士とバルタン兵士の戦い。
ティガとダイナ、ガイアとアグル、コスモスとジャスティス。
数多くのバルタン兵士を退けたウルトラマンたちの前に、メカバルタンが立ちふさがる。
基地に戻った時点でコントロール装置を再度取り付けられたらしい。禍々しく赤い目を光らせて襲いかかる!
捕えたメビウスを盾に降伏を迫るバルタン星人の指導者。
その傍らで少年バルタンと父親のやりとりが繰り広げられる。
「ねえ、お父さん! これは本当に、正しいことなの?」
「やめてよ、お父さん!」
そう、これは舞台。
TVと違ってカメラの向いている派手なアクションシーンの外でもドラマは進行するのだ。
「学校で友達がいじめられてたら勇気を持って助けよう」なんて、たとえ話は入り口にすぎなかった。
お父さんが大人の事情で「ほんとはいけない」ってわかっててやってることを子供に「それはいいことなの?」って問いかけられた時、どう動くのか。正面からつきつけて来るシナリオだった。
しかも逃げ場はない。
どうする、バルタン父!
あなたが息子に見せるのは、どんな背中だ?
汚い大人と子供が対決する、子供は純粋、子供は良い存在、だから汚い大人にならないで純粋な心、きれいな心を持ち続けてね……
かつて、児童向けのお芝居の脚本はほとんど、そんな構造で書かれていた。今思えば書く方も、演じる方も、見る方も楽だったのだろう。
しかし今、目の前で進行している舞台はあえて、そのフォーマットに甘えない。楽な構造に逃げない。
そう、大人だって未完成。一分一秒ごとに変わる価値観に振り回されてあくせく足掻いて、それでも必死で進んでいる。
完成していない。
ゴールなんかじゃない。
ちゃんとそれをわかってる人たちが作ってると感じた。
父親、母親、子供、お兄さん、お姉さん。それぞれの世代の目線からそれぞれ投影できる登場人物が設定されている。
嬉しいことだけど厳しいこと。見守るだけじゃなくて、この舞台と向き合う時は素の心で自分と対話させられるから。
小馬鹿にしたつもりで鼻でせせら笑っても、どこか胸の奥にチリっと引っかかる部分がある。
自分の成長はまだ終わってないんだ。自分は決して『偉い大人』『堅固な存在』なんかじゃない。子供の時より少し強くなっただけ。
じゃあその強さはどこから来たの? 誰のためにあるの?
「お父さん! これは本当に正しいことなの? 答えてよ、お父さん!」
少年バルタンの必死の叫びに、ついに父親バルタンは決断を下す。
自らの手でメカバルタンのコントロールを解除した。
「貴様、裏切る気か!」
「こんな事は……まちがっています!」
よく言った、お父さん。
あんたは偉い! ヒーローだ!
メカバルタンが戦線離脱したことをきっかけに戦況はウルトラ戦士側が盛り返す。
バルタンの指導者はついに自らの命と引き換えに、最強のバルタン「デスバルタン」を復活させてしまう。
暴れ回るデスバルタン。ティガが。ダイナが。ガイアが。アグルが。次々となぎ払われて行く。
コスモス、ジャスティス、ついにはメビウスまで。
はらはらする一方で「そろそろ誰ぞ助っ人くる頃合いだなあ」なぞと大人思考を漂わせていると…。
確かに来た。
けれどそれは、さっそうとかっこいいウルトラヒーローじゃなくて……中古部品の寄せ集めのメカバルタン。
自分は何になりたいのか。何をしたいのか?
自らに問いかけた結果、彼はついに決断を下す。
「トモダチ、守る」
「アイ、アム、バルタンマーン」
お姉さんが「みんな、メカバルタンを応援して!」と言った瞬間、ちょっと心配になる。何せ怪獣だし(メカだけど)お世辞にもかっこいいとは言いがたい外見だし、赤い目の悪者モードの時はメビウスをどつき倒してた訳だし。
…杞憂だった。
「がんばれーっ」
「めかばるたん、がんばれーっ」
客席にスポットが当たった瞬間、ちっちゃな声が大合唱。真剣に応援してる。ちゃんとわかったんだ。
伝わったんだ。
この瞬間から彼はヒーローになった。
地球の平和とか、正義とかそんなものはわからない。だけど自分はトモダチを守りたいから、自分にできることをする。
メカバルタンはついに自爆装置を作動させ、デスバルタンもろとも舞台のそでに消える。
手を伸ばすメビウス。
爆発。
そして……勝ち誇るデスバルタンが登場。メカバルタンの腕パーツを放り投げる。(かなりショッキングな絵面でした)
メカバルタンの腕パーツを抱えて絶叫するメビウス。背後のスクリーンに炎のエフェクトが走る。
この瞬間、見えた。モードチェンジこそしなかったけれど、ミライくんの体に描かれる『約束の炎』が。くっきりと!
颯爽と、と言うよりがむしゃらにデスバルタンに立ち向かうメイビス。
やや押されぎみ。
お姉さんからまた声がかかる。
「手をかざして! 皆の光をメビウスに集めて!」
再び客席にスポットが当たる。(声援を送る勇気はなかったけど、こっそり手はかざしました)
ライトがメビウスの上に集まり、光になって………
「君たちの友情の光、確かに受け取った!」
現れたのは青い閃光。待ってました、ウルトラマンヒカリ!
メビウスOPのインストゥルメンタルが高らかに鳴り響く中、ついにデスバルタンは倒される。
けれど………。
「これからどうする?」
「私たちは誰も住んでいない星を探して移住する」
大人の会話が進む一方でメビウスはメカバルタンの腕をかかえて号泣していた。声こそ聞こえなかったけれど、ミライくんが涙を流して号泣しているように見えた。(スーツアクターさんの力量に舌を巻くばかりです)
少年バルタンが問いかける。
「メカバルタンは死んじゃったの?」
「いや……彼は星になったんだ」(この台詞誰が言ったか定かじゃないのですが。多分ティガかヒカリ……だったかな?)
そして会場に坂本九ちゃんの歌声がしんみりと流れる。
『見上げてごらん、夜の星を……』下手すりゃ親世代も知らんよーな古い歌を何てぴっちりはまる使い方。心憎いばかりの演出だ。
しかしこれで終わっちゃうのか。
あまりに悲しい幕切れじゃないか。大人的にはこれできれいなお話かも知れないけど、メカバルタンがあまりに悲し過ぎるんじゃないか?
何て思ってたら…最後の最後でバルタンマンの正体が判明する。
ウルトラマンキングだったのだ!
何せかつてジャッカル軍団に全滅させられたウルトラ兄弟を復活させたお方である。
もちろん、メカバルタンは無事に帰ってきましたよ。
……あーよかった。
そりゃお話的にはあのまま死んじゃった方が盛り上がりますが。全てのお客さんが笑顔で帰れるのはどっち? と言えば……やっぱこうでなくちゃね、うん!
安心した。
メカバルタンが帰ってくるのがストーリーの本筋が終わってから……と言うあたり、微妙なさじ加減が効いている。
少し年齢の高い子なら、その意味が十分理解できるだろう。
そして、最後に再びProjectDMMのお三方が登場。メビウスのOPを熱唱する。
鳥肌浮かせて聞きながら思った。
メビウスOP2番の精神をとことんつきつめた舞台だったな、と。
『傷ついても倒れても、助け合える道をさがそう』
会場を後にしながら心に誓う。
次は手振りをマスターするぞっ………と。
こうして人は深み高みにハマる昇るものなのですね。
そう言えば生で特撮ソングを聞くのは初めてでした。ぜひまた聞きたいです。
最後になりましたが、素晴らしいステージを見せてくれたスタッフの皆さん、出演者の皆さんにこの場を借りて心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。
二部の重大なネタバレを含みます。
お読みになる方はその点をご了承の上お進みください。
日時:2007.07.16
内容:第1部 歌って踊ってULTRA FAN TIME
第2部 見上げてごらん夜空の星を
13:30からの回を鑑賞。
・開演前
ダイナ登場。
劇中で踊るらしいダンスの振り付けを教えてくれる。心無しかキャラがお馬鹿系っぽいのは最近のつるのくんの芸風に合わせているのだろうかっ!(ダイナって暴れん坊ってイメージはあったんですがあそこまでお調子者じゃなかったよーな気がするんだけどなあ(笑))
・第一部
ゼアスとお姉さん登場。ゼアスが宝の地図を見つけたので探しに行く。洞窟に到着!
いきなりゼアスを突き飛ばして洞窟の中に叩き込むお姉さん。(ひでぇ!(笑))
洞窟の中から謎の石版を回収してくるゼアス。
お姉さん、ステージわきに♪発見。
「宮崎名物地鶏のササミか!」とゼアス、地方ギャグ一発。……やや滑り気味だがとにかくナイスだ、ゼアス!でもチキン南蛮の方が受けたと思うぞっ!(もしかして食べたかったんですか、地鶏)
♪をポチっと押すが……変な音がするだけ!
「そうだ、音楽の専門家を呼ぼう!」
そして出ました!ProjectDMMのお三方。
生で聞いたコスモスOP、鳥肌が立ちました。しかも私が座っておりましたのは幸いにして前から四列目。
マイクに入る前の肉声が聞こえるじゃあござんせんか。ビバ、狭い会場!
流れる様につないでマックスOPへ。
(この段階でCD購入を決意するワタクシ)
(後でCD聴いてわかったんですが、ProjectDMMオンリーのマックスOPって…けっこうレアなんですね)
(微妙にサビの部分のコーラスが違ってました)
(ステージバージョンは大門さんの声の伸びがすごかった!)
変な音がするのは「音が抜けちゃってる」から。会場の中に♪が隠されてる、客席の皆も探してー!と言う展開になり思わず椅子の下をのぞき込む。この辺りから「わし付き添いだもんね」と言う顔をしていたお父様たちが徐々に巻き込まれ始める。
集めた♪を持って会場のお友達がステージに上がる。
ゼアスが見つけた石版は五線譜だった。「音楽の時間に見たことあるー」ってウルトラの星にもあるんですか、音楽の時間!(そらーあるよな、学校があるくらいだから)
集めた♪を五線譜に貼付けて、楽譜を作る。♪を貼付けた瞬間に「ぽにゅっ」と音がするあたり、芸が細かい。
できあがった楽譜を洞窟に収めて、もう一度♪をぽちっと押すと……流れてきたのはウルトラマンOP!
ここで開幕前にダイナの教えてくれたダンスを踊る、と。
狭い会場の中で前やら横の通路やらにわらわら出てきた子供さんたちが踊る。
洞窟が光る!
「もしかしたら怪獣が出てきたのかも知れない! 私、一応ウルトラマンですから、行って見てきます!」
……一応ってあーた、主演映画2本もあるでしょうにっ>ゼアス
洞窟の中から出てきたのは、怪獣!ではなく巨大風船。
本来なら会場の中を転がして風船ゲーム、となる流れなのでしょうが、なにぶん今回は会場が狭かった。
巨大風船はステージ上にお目見えしたのみ。その代わり会場横のドアが開いて、セブン&初代マンが! 大量の風船抱えて登場。
会場の空気が変わった。
その瞬間、居合わせた全ての人間の顔が変わった。
やっぱり特別なのだ。
ウルトラマン。
ウルトラセブン。
実は席のすぐそばを通ってったんですけれど(端っこに座ってたもんで)
1mも離れてないとこを歩いてったんです、セブンが。マンが。
硬直してて写真撮影するとこじゃございませんでした……。
慌てて写した一枚は、UMAの目撃写真みたいになっちゃいましたとさ。
あー、べっくらこいた。
その後、ミニコンサートの間もマンとセブンは舞台の上で、カメラに答えてポーズとってました。太っ腹。
歌った曲は「ウルトラの奇跡」。
歌う前に大門さん、「お父さんお母さんも手を振ってください、そーすれば我々も喜びます。東国原知事も喜びます」と地方ネタ一発。宮崎ならこれ言っとかんと?
それにしても、つくづくお三方、背が高かった。
動きがきびきびしてた。
何度もTV画面で見て、歌を聞いていたけれど生の声と動きは比べようもないくらいに鮮やかで。CDの整えられた歌声と違う、時に微妙に力が入ったり、びーんと響くマイクに加工される前の声が聞けた。
歌が終わって名残惜しみながらもProjectDMMのお三方は退場、ゼアスとお姉さんも新たな冒険へ…って次は北海道ですか!
いきなり日本列島縦断ですわな。気温差でお体壊しませぬよう…いやマジで熱かったですから、本日の宮崎!
で、休憩時間の間にCD買ってきました。
握手券の配布は終わっちゃってたけど……いいの、聞きたかったから。特にウルトラマンマックスのOP。
(その後CDの中味はiPodに移動。繰り返し聞いてます)
・幕間
懐かしいテーマ曲とともに快獣ブースカ登場。
リアルタイムで見た世代が果たして会場内に何人いるやら(笑)
「ウルトラ戦士を応援してね!」とお願いされる。
・二部
最初は「俺付き添いだもんね」とゆースタンスで見ていても気づくと当事者になっている。それがファンタジックライブの底力。
「みーあーげてーごらんーよるのーほーしをー」
坂本九ちゃんの歌声が会場に流れる。(調べてみたら水木一郎兄ぃも歌ってるんですね、この曲。そっちのバージョンも聞いてみたかったな)この段階からして既に子供向けではない雰囲気がばりばりと。
テーマは「なりたいものになれる」(タイミングは失念しましたがステージの始まる前に「将来何になりたいか」「夢は何か」会場の子供たちに考えておいてね、と言う呼びかけあり)
冒頭、バルタン星人軍団登場。
地球侵略のためウルトラ戦士と戦っているがクローンバルタンの製造が追いつかないらしい。
そこでそれまでの時間稼ぎにってんでメカバルタンを送り出す。
このメカバルタン、作業用ロボットの古い部品を寄せ集めて作った間に合わせ。コントロール装置がなぜかマント。赤いマント。
メカバルタンって新兵器じゃなかったんかい! とずっこけたが、実はこれこそがストーリーの要だった。
場面変わってバルタン星人と戦うウルトラ戦士。
今回は平成ウルトラマンの出演でした。ティガが隊長さんっぽかった。
最初に登場したのはティガ、ダイナ、ガイア、アグル、コスモス、ジャスティス。コスモスがエクリプスモードだったんで最初わからんかったです(笑)
いくら倒しても後から後から出てくるバルタン。
このままではキリがない、原因をつきとめなければ!
そこにまた新たなバルタン戦士が……
「気をつけろ! 今までとは様子が違うぞ!」
前のめりに舞台袖からつっっこんで、ばったり倒れるメカバルタン。
「……確かにキャラが違うな」、とダイナ。
しかし、むっくり起き上がったメカバルタンは強かった。赤い目を光らせて、ウルトラ戦士たちをなぎ倒す。
そしてダイナと文字通り正面衝突!
「っかああ、すげえ石頭だこいつっ!」
その衝撃でマントが外れ、ばったり倒れるメカバルタン。
「……ダイナの石頭が勝ったみたいですね」
さらっと冷静につっこむコスモス、GJ!(笑)
機能停止したメカバルタンをその場に残してウルトラ戦士たちはひとまず退場。
場面転換して現れたのは、赤いマントをなびかせた謎のヒーロー、その名もバルタンマン!
……どーやら地球に移民してきたバルタン星人のコミュニティには「バルタンマン」と言うヒーロー番組があるらしい。
そう、地球にウルトラマンがいるように。
この辺で「あーこれもしかして劇場版コスモス第一作の流れを汲む話か?」と思い当たる。(あれにも子バルタンが出てたし)
バルタンマンのイメージ映像(笑)が引っ込んだ後、登場するのはバルタン星人の子供たち。兄と弟、妹の三兄弟。
兄弟のお父さんはバルタンの科学者。滅び行く母星を脱出して宇宙を旅して、新しい星を見つけた。そこは地球と呼ばれていた。
無邪気にバルタンマンごっこに興じる兄弟。
兄の権限でバルタンマン役を独占する少年バルタン。ちなみに弟と妹はちっちゃいのでパペット(笑)
行動範囲が狭い弟と妹は「もうおうちにかえるー」と退場。やんちゃなお兄ちゃんは残ってメカバルタンを発見する。
少年バルタンはメカバルタンのマントを見て「バルタンマンの仲間かもっ」と思う。
そこに怪獣登場、メカバルタンに襲いかかる。
少年バルタン、一度は逃げるものの「僕は…バルタンマンみたいになりたい!」と勇気を振り絞って拾ったマントを自ら羽織り、怪獣に立ち向かう。
ここまで見て、あー、これは友達がいじめられてたら勇気を出して助けろってことか、なぞと微笑ましく思ってしまったが……甘かった。後で思い知らされる事になる。
石を投げて、メカバルタンから怪獣の気をそらすものの、やはり子供。逆上した怪獣に襲われてピンチ。
そこに……
宮崎では5/16に光の国に帰ったばかり、いまだに人気は衰えず。どっと会場から声援が飛ぶ。
「メビウスー、がんばれーっ」
声援が上がる時、スポットライトが客席を照らす。あの演出は秀逸だ。客席にいる子供が『自分も一緒に戦ってるんだ!』と肌で感じることができる。TVにはない臨場感。
こそっと私も声援いたしました、心の中で(チキンですから)
「ミライくーん、がんばれー」と…。(一度やってみたかったんですよう。Guysの皆さんが、ミライくんの正体知ってから、メビウスにむかって「ミライくーん!」って言ってる場面見てっ)
怪獣を撃退したメビウスを見て「ウルトラマンだーっ」と怯える少年バルタン。
「今、ウルトラ戦士とバルタンは戦ってるから僕たちは敵同士だろ?」
「それは、バルタン星人が地球を侵略しようとしているからだ。君には何もしない」
メカバルタンを怪獣から守った少年の勇気をほめるメビウス。台詞の一言一言がもう、いかにもミライくんが言いそうな言葉でハマることハマること。TVシリーズを研究し尽くして書かれたシナリオなんだろうなあ、と感心することしきり。
少年はメカバルタンを再起動。
そして立ち上がったメカバルタンは……おお、目が青い。いいやつだ!(笑)
機械故に純朴で、素直なメカバルタンは少年バルタンとメビウスと友達になる。
さらもバルタンマンの情報もインプット。(さすがメカ)
しかし、そこにバルタン星人の大人たちがメカバルタンを回収にやって来る。
少年バルタンの父親は、メカバルタンを作った科学者だったのだ。
「お前はウルトラマン! 息子に何をした!」
敵意むき出しの父親バルタン。少年バルタンが事情を説明しても聞く耳持たず。
そしてメカバルタンはコントロール装置をとりつけられ、目が赤く変わる。
一転して凄まじいパワーでメビウスを攻撃。少年バルタンが止めて、と叫ぶが聞き入れない。
ろくに反撃できず一方的にやられるメビウス。最後の力を振り絞ってコントロール装置をむしり取るものの、倒れてバルタン星人たちに連れ去られてしまう。
「ミライのばかやろう、何で反撃しねえんだよ!」と、リュウさんの代理でつっこんでおく(心の中で)
「決まってるじゃないですか……メカバルタンは友達だからですよ!」と、さらにコノミの代理で返しておく(くれぐれも、心の中で)
大人たちが去った後、コントロールから解き放たれたメカバルタン(青い目に戻っている)は少年バルタンに近寄って行く。
「トモダチ、トモダチ……」
「お前なんかトモダチじゃない! お前は、悪い奴だ!」
うんうん、目の前であれ見せられたんじゃね……。
逃げる様に去って行く少年バルタン。一人ぽつんと残されるメカバルタン。
寂しそう。
そこに現れるバルタンマン。(ってあなた、イメージ映像じゃなかったんですか!)
「君はメビウスと戦った。君のせいで、メビウスはバルタンの手に落ちた。 しかし、バルタン星にとっては、正しいことをしたのだよ?」
「でもトモダチに嫌われた……」
「何がまちがっていて、何が正しいことなのか。君は何になりたい? 何をしたい? 君の心の中に答えはある」
「たとえ、自分が傷つくことがあっても」
ここで会場の子供立ちにバルタンマンが問いかける。「君は何をしたい?」「君は何になりたい?」
次々に言葉にされるいくつもの夢。したいこと。なりたいもの。じっと耳をかたむけるメカバルタン。
やがて、意を決して飛び去る。
メビウスの捕われている、バルタン星人の基地目指して。
「子供たちよ。これから何が彼の身に起こっても見守ってやってほしい。応援してやって欲しい」
客席に向かって語りかけるバルタンマン。いったい彼は何者なのだろう?
その後、舞台はバルタンの基地へと移る。
メカバルタンの投入で戦況は一気にバルタン有利に展開。クローンバルタンの培養は順調に進み、もはや地球侵攻計画は秒読み段階。
そこにウルトラ戦士が突入、迎え撃つバルタン軍団との激しい戦いが繰り広げられる。
ここから2人ずつペアを組んだウルトラ戦士とバルタン兵士の戦い。
ティガとダイナ、ガイアとアグル、コスモスとジャスティス。
数多くのバルタン兵士を退けたウルトラマンたちの前に、メカバルタンが立ちふさがる。
基地に戻った時点でコントロール装置を再度取り付けられたらしい。禍々しく赤い目を光らせて襲いかかる!
捕えたメビウスを盾に降伏を迫るバルタン星人の指導者。
その傍らで少年バルタンと父親のやりとりが繰り広げられる。
「ねえ、お父さん! これは本当に、正しいことなの?」
「やめてよ、お父さん!」
そう、これは舞台。
TVと違ってカメラの向いている派手なアクションシーンの外でもドラマは進行するのだ。
「学校で友達がいじめられてたら勇気を持って助けよう」なんて、たとえ話は入り口にすぎなかった。
お父さんが大人の事情で「ほんとはいけない」ってわかっててやってることを子供に「それはいいことなの?」って問いかけられた時、どう動くのか。正面からつきつけて来るシナリオだった。
しかも逃げ場はない。
どうする、バルタン父!
あなたが息子に見せるのは、どんな背中だ?
汚い大人と子供が対決する、子供は純粋、子供は良い存在、だから汚い大人にならないで純粋な心、きれいな心を持ち続けてね……
かつて、児童向けのお芝居の脚本はほとんど、そんな構造で書かれていた。今思えば書く方も、演じる方も、見る方も楽だったのだろう。
しかし今、目の前で進行している舞台はあえて、そのフォーマットに甘えない。楽な構造に逃げない。
そう、大人だって未完成。一分一秒ごとに変わる価値観に振り回されてあくせく足掻いて、それでも必死で進んでいる。
完成していない。
ゴールなんかじゃない。
ちゃんとそれをわかってる人たちが作ってると感じた。
父親、母親、子供、お兄さん、お姉さん。それぞれの世代の目線からそれぞれ投影できる登場人物が設定されている。
嬉しいことだけど厳しいこと。見守るだけじゃなくて、この舞台と向き合う時は素の心で自分と対話させられるから。
小馬鹿にしたつもりで鼻でせせら笑っても、どこか胸の奥にチリっと引っかかる部分がある。
自分の成長はまだ終わってないんだ。自分は決して『偉い大人』『堅固な存在』なんかじゃない。子供の時より少し強くなっただけ。
じゃあその強さはどこから来たの? 誰のためにあるの?
「お父さん! これは本当に正しいことなの? 答えてよ、お父さん!」
少年バルタンの必死の叫びに、ついに父親バルタンは決断を下す。
自らの手でメカバルタンのコントロールを解除した。
「貴様、裏切る気か!」
「こんな事は……まちがっています!」
よく言った、お父さん。
あんたは偉い! ヒーローだ!
メカバルタンが戦線離脱したことをきっかけに戦況はウルトラ戦士側が盛り返す。
バルタンの指導者はついに自らの命と引き換えに、最強のバルタン「デスバルタン」を復活させてしまう。
暴れ回るデスバルタン。ティガが。ダイナが。ガイアが。アグルが。次々となぎ払われて行く。
コスモス、ジャスティス、ついにはメビウスまで。
はらはらする一方で「そろそろ誰ぞ助っ人くる頃合いだなあ」なぞと大人思考を漂わせていると…。
確かに来た。
けれどそれは、さっそうとかっこいいウルトラヒーローじゃなくて……中古部品の寄せ集めのメカバルタン。
自分は何になりたいのか。何をしたいのか?
自らに問いかけた結果、彼はついに決断を下す。
「トモダチ、守る」
「アイ、アム、バルタンマーン」
お姉さんが「みんな、メカバルタンを応援して!」と言った瞬間、ちょっと心配になる。何せ怪獣だし(メカだけど)お世辞にもかっこいいとは言いがたい外見だし、赤い目の悪者モードの時はメビウスをどつき倒してた訳だし。
…杞憂だった。
「がんばれーっ」
「めかばるたん、がんばれーっ」
客席にスポットが当たった瞬間、ちっちゃな声が大合唱。真剣に応援してる。ちゃんとわかったんだ。
伝わったんだ。
この瞬間から彼はヒーローになった。
地球の平和とか、正義とかそんなものはわからない。だけど自分はトモダチを守りたいから、自分にできることをする。
メカバルタンはついに自爆装置を作動させ、デスバルタンもろとも舞台のそでに消える。
手を伸ばすメビウス。
爆発。
そして……勝ち誇るデスバルタンが登場。メカバルタンの腕パーツを放り投げる。(かなりショッキングな絵面でした)
メカバルタンの腕パーツを抱えて絶叫するメビウス。背後のスクリーンに炎のエフェクトが走る。
この瞬間、見えた。モードチェンジこそしなかったけれど、ミライくんの体に描かれる『約束の炎』が。くっきりと!
颯爽と、と言うよりがむしゃらにデスバルタンに立ち向かうメイビス。
やや押されぎみ。
お姉さんからまた声がかかる。
「手をかざして! 皆の光をメビウスに集めて!」
再び客席にスポットが当たる。(声援を送る勇気はなかったけど、こっそり手はかざしました)
ライトがメビウスの上に集まり、光になって………
「君たちの友情の光、確かに受け取った!」
現れたのは青い閃光。待ってました、ウルトラマンヒカリ!
メビウスOPのインストゥルメンタルが高らかに鳴り響く中、ついにデスバルタンは倒される。
けれど………。
「これからどうする?」
「私たちは誰も住んでいない星を探して移住する」
大人の会話が進む一方でメビウスはメカバルタンの腕をかかえて号泣していた。声こそ聞こえなかったけれど、ミライくんが涙を流して号泣しているように見えた。(スーツアクターさんの力量に舌を巻くばかりです)
少年バルタンが問いかける。
「メカバルタンは死んじゃったの?」
「いや……彼は星になったんだ」(この台詞誰が言ったか定かじゃないのですが。多分ティガかヒカリ……だったかな?)
そして会場に坂本九ちゃんの歌声がしんみりと流れる。
『見上げてごらん、夜の星を……』下手すりゃ親世代も知らんよーな古い歌を何てぴっちりはまる使い方。心憎いばかりの演出だ。
しかしこれで終わっちゃうのか。
あまりに悲しい幕切れじゃないか。大人的にはこれできれいなお話かも知れないけど、メカバルタンがあまりに悲し過ぎるんじゃないか?
何て思ってたら…最後の最後でバルタンマンの正体が判明する。
ウルトラマンキングだったのだ!
何せかつてジャッカル軍団に全滅させられたウルトラ兄弟を復活させたお方である。
もちろん、メカバルタンは無事に帰ってきましたよ。
……あーよかった。
そりゃお話的にはあのまま死んじゃった方が盛り上がりますが。全てのお客さんが笑顔で帰れるのはどっち? と言えば……やっぱこうでなくちゃね、うん!
安心した。
メカバルタンが帰ってくるのがストーリーの本筋が終わってから……と言うあたり、微妙なさじ加減が効いている。
少し年齢の高い子なら、その意味が十分理解できるだろう。
そして、最後に再びProjectDMMのお三方が登場。メビウスのOPを熱唱する。
鳥肌浮かせて聞きながら思った。
メビウスOP2番の精神をとことんつきつめた舞台だったな、と。
『傷ついても倒れても、助け合える道をさがそう』
会場を後にしながら心に誓う。
次は手振りをマスターするぞっ………と。
こうして人は
そう言えば生で特撮ソングを聞くのは初めてでした。ぜひまた聞きたいです。
最後になりましたが、素晴らしいステージを見せてくれたスタッフの皆さん、出演者の皆さんにこの場を借りて心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。
posted by 十海
【修正】
61 枚
posted at 2007/07/22 00:09:31
lastupdate at 2007/08/20 09:49:54
lastupdate at 2007/08/20 09:49:54
Trackback URL
クリップボードへコピーする場合は
こちらをクリック(Win+IEのみ)
Trackbacks
ファンタジックライブ2007 in 名古屋 (ブロ愚 〜おろか日記 blog style〜)
というわけで、ファンタジックライブ(略称「FL」) in 名古屋に行って参りました。今回は子供たちが帰省中でいないので、夫婦二人だけの遠征(笑)。
at 2007/08/20 00:52:58
Comments
ブラボー! (by Radcliffe)
素晴らしいレビュー、ありがとうございました!
いやもう、家族の前で読んじゃったんですけど、ボロボロ泣けちゃって、今もまだあふれる涙が止まりません(マジ)
あやしいお父さんですよね〜〜(^_^;)
単にストーリーをなぞり、自分の感動を吐露するばかりの自分のレビューと違って、そこで作り手が表現しようとしている内面にまで踏み込んでいるあたり、さすがに十海さん本職ですね〜。恐れ入ります。
横浜で行われるヤツは宮崎のとはストーリーが違っていて、そっちは去年見たのと同じなんですよ……
で、我慢できないので一番近場で宮崎と同じストーリーをやる予定の名古屋に行く予定です(笑)
閑話休題。
十海さんもDMMの魅力にハマられたようで、何よりです(ぉぃ)
やっぱ、プロの歌手の方々の生の歌声というのは、迫力が違いますよ。
それではご一緒に!
♪ホントに大事なものは 何だろう?
いやもう、家族の前で読んじゃったんですけど、ボロボロ泣けちゃって、今もまだあふれる涙が止まりません(マジ)
あやしいお父さんですよね〜〜(^_^;)
単にストーリーをなぞり、自分の感動を吐露するばかりの自分のレビューと違って、そこで作り手が表現しようとしている内面にまで踏み込んでいるあたり、さすがに十海さん本職ですね〜。恐れ入ります。
横浜で行われるヤツは宮崎のとはストーリーが違っていて、そっちは去年見たのと同じなんですよ……
で、我慢できないので一番近場で宮崎と同じストーリーをやる予定の名古屋に行く予定です(笑)
閑話休題。
十海さんもDMMの魅力にハマられたようで、何よりです(ぉぃ)
やっぱ、プロの歌手の方々の生の歌声というのは、迫力が違いますよ。
それではご一緒に!
♪ホントに大事なものは 何だろう?
at 2007/07/22 19:02:59
♪な〜んだろ〜! (by 十海)
このコーラスはこっそりやってきました。
感動しましたっ!
次はライトスティックも振りたいです。
(って行く気満々だな>私)
レビュー、楽しんでいただけたようで、何よりです。
少しは今までのご恩返しができたかな、と…。
Radcliffeさんのレビューを読んだおかげでウルトラマンメビウスと言う作品に出会えたし。今回のライブに行く一番の動機づけにもなったのです。
(あの感動をぜひ味わいたい!と)
涙流してもきっとRadさんのご家族なら理解してくれますよっ(笑)原因がウルトラマンだと知れば、きっと(笑)
名古屋、行ってしまいますか。
行っちゃうんですね…ぜひマウンテンにも挑戦を……(マテ)
感動しましたっ!
次はライトスティックも振りたいです。
(って行く気満々だな>私)
レビュー、楽しんでいただけたようで、何よりです。
少しは今までのご恩返しができたかな、と…。
Radcliffeさんのレビューを読んだおかげでウルトラマンメビウスと言う作品に出会えたし。今回のライブに行く一番の動機づけにもなったのです。
(あの感動をぜひ味わいたい!と)
涙流してもきっとRadさんのご家族なら理解してくれますよっ(笑)原因がウルトラマンだと知れば、きっと(笑)
名古屋、行ってしまいますか。
行っちゃうんですね…ぜひマウンテンにも挑戦を……(マテ)
at 2007/07/22 21:13:30
名古屋行ってきました (by Radcliffe)
こちらを読んで大体の流れは把握しちゃってたんですが、それでも泣けましたね……
ラスト、他のウルトラ戦士がいない中でキングが行った「奇跡」は、違った意味で泣けました。あれを率直に「復活」と取るか、それとも彼の魂がキングの手によって昇華したことの象徴と見るかは、人それぞれの心の中にあれば良いのだろうと思いました。
大門さんが第1部の最後に言われた「この会場を出た瞬間から、君たちは光の戦士になれる」という言葉も胸に染みましたよ。
ラスト、他のウルトラ戦士がいない中でキングが行った「奇跡」は、違った意味で泣けました。あれを率直に「復活」と取るか、それとも彼の魂がキングの手によって昇華したことの象徴と見るかは、人それぞれの心の中にあれば良いのだろうと思いました。
大門さんが第1部の最後に言われた「この会場を出た瞬間から、君たちは光の戦士になれる」という言葉も胸に染みましたよ。
at 2007/08/20 07:38:59
Re:ウルトラマンファンタジックライブ2007in宮崎観劇レポート (by 十海)
あれからもうひと月近く経っちゃったのかとしみじみ感慨にふけっておりました。
Radさんの記事を読んでかなり記憶がウロになっていたのが鮮やかに蘇りましたわ…
「この会場を出た時から〜」うん、確かにおっしゃってましたよね、大門さん!
っそしてゼアス、鶏好きなんだなあ(笑)
Radさんの記事を読んでかなり記憶がウロになっていたのが鮮やかに蘇りましたわ…
「この会場を出た時から〜」うん、確かにおっしゃってましたよね、大門さん!
っそしてゼアス、鶏好きなんだなあ(笑)
at 2007/08/20 09:52:17
はじめまして。 (by 夢玉子)
こちらには初めてお邪魔いたします。
従姉妹の娘達にせがまれるままウルトラマンの世界に踏み込んでしまったのですが、いろいろなレポートを読ませて頂いているうちに私がウルトラマンにハマってしまいました。
こちらの素敵なレポートに思わず目頭が…
Radcliffe様のレポートと供に並んで凄く感動的な文章に
心が躍る思いでした。
突然の訪問と不躾な投稿文のお詫びを兼ねまして御挨拶とさせて頂きます。
またお邪魔させて頂きたいと思っています。
従姉妹の娘達にせがまれるままウルトラマンの世界に踏み込んでしまったのですが、いろいろなレポートを読ませて頂いているうちに私がウルトラマンにハマってしまいました。
こちらの素敵なレポートに思わず目頭が…
Radcliffe様のレポートと供に並んで凄く感動的な文章に
心が躍る思いでした。
突然の訪問と不躾な投稿文のお詫びを兼ねまして御挨拶とさせて頂きます。
またお邪魔させて頂きたいと思っています。
at 2007/08/20 18:56:31
Re:ウルトラマンファンタジックライブ2007in宮崎観劇レポート (by 十海)
>夢玉子さん
いらっさいまし。ようこそおいでくださいました。
Radcliffeさんの日記でお名前は拝見しておりました。
レポート、お楽しみいただきましたようで何よりうれしく思います。
えー…1/1リムは私もすごく心ひかれております(笑)
いらっさいまし。ようこそおいでくださいました。
Radcliffeさんの日記でお名前は拝見しておりました。
レポート、お楽しみいただきましたようで何よりうれしく思います。
えー…1/1リムは私もすごく心ひかれております(笑)
at 2007/08/20 21:12:45
1/1リム (by 夢玉子)
ふたたびお邪魔いたします。
じつはリム…私は姉のウルトラマンメビウス通行人出演で
撮影現場を見学させて頂いた際、実際にオリジナルを見てから
何処かで作ってくらないかしら?とずっと思っていたのですけど
限定生産で発売になったと「コノミ」隊員のブログから知って
思わず悲鳴に近い「キャ~」を発してしまいました。
可愛いから欲しいですけど私のお小遣いでは…
Radcliff様は頑張られるでしょうか?
じつはリム…私は姉のウルトラマンメビウス通行人出演で
撮影現場を見学させて頂いた際、実際にオリジナルを見てから
何処かで作ってくらないかしら?とずっと思っていたのですけど
限定生産で発売になったと「コノミ」隊員のブログから知って
思わず悲鳴に近い「キャ~」を発してしまいました。
可愛いから欲しいですけど私のお小遣いでは…
Radcliff様は頑張られるでしょうか?
at 2007/08/21 06:40:58
Re:ウルトラマンファンタジックライブ2007in宮崎観劇レポート (by 十海)
お姉様、出演なさったのですか。
んでもって夢玉子さんも現場をご覧になったのですか!
うらやましいっ(魂の叫び)
リム、1/1は無理でももっとちっちゃいのを見つけたら…買ってしまいそうです。
ストラップとか手のりぬいとか。
あったらいいなあ…ウルフェス。
んでもって夢玉子さんも現場をご覧になったのですか!
うらやましいっ(魂の叫び)
リム、1/1は無理でももっとちっちゃいのを見つけたら…買ってしまいそうです。
ストラップとか手のりぬいとか。
あったらいいなあ…ウルフェス。
at 2007/08/21 17:03:58
Re:ウルトラマンファンタジックライブ2007in宮崎観劇レポート (by 夢玉子)
1/1サイズのリムは無理でも小さくても良いので作って欲しいですね。
さて、私の姉は「元」ですけど劇団所属の「女優」でした、どんな経路で出演が決まったのかは私には分からないのですけど
ウルトラマンメビウスの第1話の通行人で出演していたみたいです、でも何処に映ってたのかしら?
本日再び読み返させて頂きました、今回はもう一人の姉と一緒にです、彼女、お化粧が流れる程の滝涙で感動していました。勿論私も一緒にです。
さて、私の姉は「元」ですけど劇団所属の「女優」でした、どんな経路で出演が決まったのかは私には分からないのですけど
ウルトラマンメビウスの第1話の通行人で出演していたみたいです、でも何処に映ってたのかしら?
本日再び読み返させて頂きました、今回はもう一人の姉と一緒にです、彼女、お化粧が流れる程の滝涙で感動していました。勿論私も一緒にです。
at 2007/08/21 18:11:42
Post your Comment
かずめ at 2007/09/27 13:56:56
十海 at 2007/09/27 16:21:53
グリフP at 2007/09/29 02:18:39
十海 at 2007/09/29 10:13:36