私の密やかな趣味の一つにタロットカードのコレクションがある。無論、実際に自分で占いに使うために購入したものや、資料用に購入したものもある。ユニバーサルウェイトとか、ニュー・パラディニとか、ハロウィーンタロットとかバーバラー・ウォーカーとか、スパイラルとか、アリスのタロットとか、ハーバル・タロットなんかはこの系列。
ウェイト版をベースにしたものが多いのは、もともと私がリーディングのやり方をウェイト版で覚えたから。他の系列のカードも大アルカナならどうにか読めないこたぁないのだが、小アルカナになっちゃうと……まず、見たカードを頭ん中でウェイト版にあてはめて、「えーと、ウェイト版ではこーだからこの場合は」……ってな具合に非常に手間がかかってしまうのだな……
しかし、大部分は絵柄にビビっと来て思わず買ってしまった?まさしく『ネタ』としか言い様のないカードだったりする。
（ボッシュのタロットなんざその筆頭だわな……画家のヒエロニムス・ボッシュの悪夢のようなシュールな絵を使ってタロットのデッキ作ってあんの、78枚、フルセットで！）
一時期、ヤフオクで買い漁ったが最近はもっぱらAmazonを利用している。日本では滅多に新作にお目にかかれなくなった今日でも、アメリカや英国ではいまだに新しいタロットが毎月のようにばんばん出版されてるのである。古いデッキもこまめに再販されていて、滅多に品切れる事がない。>
ところが…。今回ご紹介するこの『Tarot of Mermaids』は、そのAmazonを利用しても入手できなかった【強者】なのである。
基本はウェイト版。ただし、人物は全て人魚に置き変えられている。
ユニコーン、ドラゴン、ロード・オブ・アニマルのタロットに続く幻獣系タロット（なんじゃそれは）である。
人魚がわんさか78枚分、フルカラー！ しかも、これなら十分、実用として使えるに違いない。迷わず予約をした。
しかし……二か月待って届いたのは「配達遅れます」のお知らせ。八月発売で、六月に予約入れたっつーによぉ……まあ、ツボを直撃された人、よっぽど多かったんだろう。
そうするうちに、Aeclecticのサイトでデッキの画像も公開され、やたらと恋しさだけが募って行く。そうこうする間に九月になって、やむなく配送先をつくばの実家あてに変更。
今か、今かと待っていた所に届いたメールは、「すんません、品切れです」
しーかたがないので注文をキャンセルし、デンマークに引っ越した。
ぼちぼち北欧暮らしにも慣れてきたある日、ひらめいたのだ。そーだ、ヨーロッパにいるんだから、イギリスから買えばいいじゃん！
同じAmazonなら申し込み書のフォーマットも同じはず、と英語辞書片手にどうにかアカウント登録。いざ、注文しようとしたら……ukdemo
在庫切れでひた。どうやら世界的に売れてるらしい。っつか、まだサイト表示が「在庫切れ」になってるあたり、Amazon.ukの方がまだ誠実だ。Amazon.jpの方はいまだに「3~5週間で発送可能」のまま。ちなみに「在庫切れ」のメールが来た時も。来た後もずっと同じ表示なので皆様、騙されないように。（和書ならそゆことないんだけどね…）
「あーもう、あきらめるしかないのかぁ？（；；）」と前述の、Aeclecticのサイト写真を眺めていると、ふと、購入可能サイトが二つ並んでいる事に気付いた。一つはAmazon。当然ながら品切れ。しかし、もう一つは？
試しにクリックしてみる。
あった。
イタリアのサイトですが、ちゃんと英語表記版になってるし。何より、最初っから世界各国から（つまり本来なら英語が母国語ではない国からも）オーダーが入る事を前提としてサイトが構成されているので、英語の苦手な人でも楽に注文ができる。この辺はさすがECの加盟国、視点がなかなかにグローバル。価格表示もユーロとドル、しかもサイト内に貨幣価値の変換レートの検索ウィンドウまで設置されている。
結論。
ここ、日本人でも楽に買い物できます。
早速注文。幸い、デンマークはECの準加盟国なので関税はかからない。運賃も日本国内の宅配料金程度。んでもってさすがに早かった。木曜にオーダー、金曜日朝発送、翌週火曜日に到着。
日本なら一週間ぐらいで届いちゃうんじゃないか？ これ。
肝心のデッキの内容ですが……。苦労した甲斐がありました。読みやすいし、人魚とか魚とか水のモチーフを取り入れつつ、ちゃんと基本の象徴も組み込んである。「塔」が灯台に。「月」のカードでは、池から這い上がるザリガニの上半身が人間の女性になっていたりして、衝撃的、かつ印象深い。<BR>
ウェイト版で読み方覚えました。今度はもーちょっと自分の趣味にあわせたのが欲しいです。人魚好き！ と言う方におすすめしたいと思う。<BR>
小アルカナでは、ペンタクル→真珠 ソード→トライデント ワンド→船のオール カップ→貝殻、と言う具合に置き変えてありますが、カードのタイトルそのものは変わってないので混乱も少ない。特に船のオールはウェイト版の『花咲く棒』のモチーフを継承し、ちゃんと珊瑚の枝を生やしている（！） ナイトの馬は、全部海馬だ。
ナイトやペイジも女性になってますがほら、マーメイドだしね……（キングは男。ごーっついマーマンでふ）
「幻獣らぶ」「マーメイド好きじゃああああ！」ってな方にもよろしいかと。
入手にてこずっただけに、ひたすら『買えてよかった』。
ありがとう、AlidaStore。
んでもって、在庫表示に関してはもそっとukを見習ってくれ、Amazon.co.jp。
※AeclecticTarot
http://www.aeclectic.net
※AlidaStore
http://www.alidastore.com/indexen.html