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» alone in the こぺんはーげん(2) | » date : 2004/02/29 | |
実はコペンハーゲンに来るのは通算三回目だったりするんですが、前の二回はいずれも土地カンのあるダンナ(週一でコペンハーゲンの英会話学校に通ってるので)にひっついてた訳で。 単独で歩き回るのは初めてだ。 周囲は皆自分より背の高い人ばっかりだし、たまにアジア系の人がいるなと思ったら中国語しゃべってるし。 しっぽはぶわぶわ、半分逃げ腰。ビビリまくりつつ歩き出す。 市庁舎前広場からストロイエを北上して行く途中、ふと気になったほっそい横道。 何かに呼ばれるようにしてふらふらと入り込んで行く。途中、ビル工事やってったり、あやしげな骨とう品屋の前を通り過ぎたり。いかがわしさセンサー振り切れ状態でさらに奥まで進むと……いきなり、ピカピカに磨かれた木の看板。 しかもダイスの形。 「これは!」 電撃にも似た閃きを覚え、重たい重たいドアをくぐると…… ボードゲームショップでした。 「わぁい、見たことあるモノがいっぱいある〜っ」 日本では滅多にお目にかからなくなったボックスゲームの満載された棚に突っ走り、ヨロコビにうちふるえながら手を伸ばそうとした瞬間。 懐の携帯が鳴った。 しかも着メロは「アイネクライネナハトムジーク」。実家からだ。 しんと静まり返った店内。居合わせた客の視線が一斉にこっちを向く。 寒風吹き荒ぶ店の外に出て電話をとる。 「あーはい、もしもし?」 「どうしてるか心配になって」 「うん、今、コペンハーゲン。手続きもう終わってますんでご心配なく」 「あ、そうだったわよね、もう夜遅いから家に戻ってるんじゃないかと思ったけどそっちはまだ午前中よねぇ」 あっはっは、と笑って電話を切るおかん。 はーやでやでと店ん中に戻る。 また鳴るし。 しーかたがないので再び店の外へ。 「はいもしもし?」 「たびたびゴメンねー。あのね、あなたね、せっかくコペンハーゲンに来たんだから、たまにはお買い物でもしてきなさいよ! 忙しいからって仕事ばっかりしてるとあなた、ダメになるわよ」 あの、今、まさにその『買い物してる最中』なんですけどぉ…… そもそも、つくばに滞在中にあーたがそーやってたびたび邪魔しくさってくだすったお陰でスケジュールが押せ押せになってる訳で…。 いろいろ言いたいことはあったんだがすでに言い返す気力もなく、 「それじゃ、今外だから」 とだけ言って電話を切る。 気を取り直して行くぞっ! と店内に引っ返してお宝あさりを再開する前に、携帯をオフにしたのは言うまでもない。 (以下次号) |
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» category : 人魚の国でお散歩 | ...regist » 2004/02/29(Sun) 23:38 |
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