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» alone inthe こぺんはーげん(1) » date : 2004/02/29  
この国には人魚が居るらしい。その昔、ハンス・クリスチャン・アンデルセンちゅー方が書いてそれはそれは有名になりました。
ご当地の言葉ではhavfrue(はうふるー、と発音)と呼ぶそうな。気に入った男を海ん中に引きずり込む、実に人魚らしい人魚である。
(そーゆーポリシーの存在が最後の最後で『愛』を貫いたってのがあの童話の真髄なのだろう。今思えば)

さて、人魚の国の住民となって二か月ちょいたったある日のこと。
 その日、私はものすごく緊張していました。何故なら住民登録を出さなければいけなかったからだ。緊張して、緊張して、ギャグも出せないくらいガチガチになってお役所に出頭して。

『いつ結婚したのか』(やばい、日にちがウロだ!) 『旦那さんの生年月日は?』(あれ? 9日だったっけか。それとも15日?)『いつデンマークに来たの? いつ帰国するの?』『日本での住所は?』などなど、書類に記入したわけです。
無論全部英語。

未訳TRPGのキャラメをコンベンション当日ぶっつけ本番でやれ、と言われた方がよっぽどマシでした。
こっちだと二月十日を10/2と表記するんですね。思わず「へぇ〜」。

へろへろになりながらコペンハーゲンの駅までやってくれば、もう集中力の『し』の字も出ないほどだるんだるんになってる自分に気付いたりする訳で。
「こーりゃもう今日は仕事になんねえなぁ……」とつぶやいたその瞬間。
ご神託が降りたのです。
「そーだ、ついでだから一人でお買い物とかしてっちゃおっか」

その前にトイレに寄って行こうと駅の案内図を頼りに地下に降りてゆくと、なぜかトイレの入り口に料金表が!しかも風呂屋の番台らしきものまであったりしてっ!

「ま、ま、まさかコペンハーゲン中央駅ではトイレに入るのに金払うですかっ」

焦って小銭をまさぐってると、一人のおばちゃんが優しく微笑んで何やらデンマーク語で語りかけ、首を横にふったのです。
どうやらお金はいらないのよ、と言ってくれた模様。
「OK、OK、tack!」(ありがとう、ちゅー意味)

トイレに実際に入ってみて謎が解けました。
なんと。
コペンハーゲン中央駅のトイレには、奥にシャワー室がついていたのです!
要するにトイレに入る場合はお金は必要ないが、シャワーを使う場合はお金が必要、ちゅーことだった、と。
ちなみに番台では貸しタオルと石けんを売ってたようなのですが、さらに換えのパンツも販売中。
窓口のところにまるでクリスマスのお飾りのように色とりどりのパンツが陳列されておりました。

それにしてもまあ。赤だの黒だのレースだのTバックだの。いわゆるセクシーランジェリー系のばっかで、まっとーなパンツが一枚もなかった。
いや、もしかしたらあれがデンマークの標準的なパンツなのかも知れませんがっ。
…そういえば駅構内の売店でも売ってたしな……アダルトグッズ。
さて準備万端、極寒の町にたった一人でくり出した私がそこで見たものは……。
(以下次号)
» category : 人魚の国でお散歩 ...regist » 2004/02/29(Sun) 23:37

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