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» キャプテン・スーパーマーケット » date : 2004/09/29  
文明の利器でゾンビと闘う無敵のヒーロー、その名は…

■キャプテン・スーパーマーケット
 1993年アメリカ/監督:サム・ライミ/主演:ブルース・キャンベル
 DVD発売&レンタル中。

 まず始めに、このタイトルは誤植ではありません。正真正銘、「キャプテン・スーパーマーケット」なんです。
 中味は至って簡単。平凡なスーパーマーケットの店員アッシュが、なぜか14世紀のイギリスに店ごとタイムスリップ。アーサー王に協力し、20世紀の文明の利器を駆使して山のようなアンデッドの軍団と闘うお話。オチの付け方からして発想は、かの文豪マーク・トゥエインの「アーサー王宮のヤンキー」ではないかと思われるが定かではない。まあ所詮B級だし。

 かねてよりタイトルは存じ上げておりましたが、まさか、まさか、これが新世代スプラッタームービーの草分けとなった、ひたすらゾンビを切り刻むだけの映画、あの「死霊のはらわた」シリーズのパート3だったとは知りませんでした。(って〜かシリーズ化しとったんか、あれ!)

 とはいえ、ゾンビだのスケルトンと闘う場合でも、銃でガンガン撃てばホラー、鎧着て剣でガシガシ切り刻めばなぜかファンタジーになってしまうから不思議です。見どころは、死霊の王(よ〜するに元騎士のゾンビィちゃん)が率いるアンデッド軍団がキャメロット城を攻める一大戦闘シーン。
 ここで、SFX!だのCG!が出てこないあたりに低予算ぶりが伺われるが、カクカク動くスケルトンのアニメーションが実写の人間と切り結ぶあたりはレイ・ハリー・ハウゼンのファンなら感涙ものの出来映えである。
 んで、よく見ると妙に時代考証がきっちりしてるし。
 城壁の外から押し寄せる歩兵を、城壁の上から長弓で打つ。掘りを渡って城門に入るかどうかが決戦の要、とかな。
 あれです、NHKの大河ドラマばりの戦闘シーンを、骨だの腐りかけが(大真面目に)やってるとこを想像してみてください。妙に、笑えます。

 しかし、なんぼ知略を尽くしたところで所詮はアンデッドです。脳味噌腐ってるんです。指揮官の言うことも「突撃ぃ!」「皆殺しだ!」の一点張り。数の多さを頼みにやってるだけ。しかも号令かけてる最中に、顎が腐って落ちるし…(このへんの趣味の悪さはさすがにサム・ライミ)
 火薬を仕込んだ火矢だの、プロペラつけた自動車だのと、これはもう反則なんじゃないかと言うくらいに強い主人公の「文明の利器」攻撃の前に、ばったばったとガイコツ軍団は倒れてゆく。すげえぜ、キャプテン・スーパーマーケット!とか思っていたら、とうとう敵の親玉が斬り込んできた。
 指揮官が前線に出てどうする!って脳味噌腐ってたんだっけな…
 切ろうが突こうが、もう死んじゃってるから痛くない。
 「俺と同じ顔にしてやるぅ!」とあまり嬉しく無い事を叫びながら向ってくるゾンビィ騎士を、アッシュは松明を押し付けて燃やしてしまう。が、しかし!何とこいつ、肉が落ちてすっきりとスケルトンになって復活してきやがった。  「まだまだこれからだぜぇ!」  さすがだぜ、死霊の王、でもひょっとしてモンスターレベル下がってないか、あんた。
 一応、「死者の書を狙う死霊の王と闘う」と言う、一見ヒロイックファンタジーっぽい主題はあるのですが、オチは徹底したブラックユーモアで、乾いた笑いが広がります。(って〜か笑うしかないです、あれは。)アメリカ版とヨーロッパ版ではオチが違うんだそうですが、多分、私が見たのがオリジナル版でしょう。
 でも好きだな、こ〜ゆ〜の。

くどいようですが、やたらと歴史考証がしっかりしてるのが笑えます
「ウォーハンマー」に雰囲気近いかも知れない。
» category : Bの大箱(再録) ...regist » 2004/09/29(Wed) 13:58

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