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» インドの仕事人 » date : 2004/03/01  
データ:96年 インド
メディア:★スカイパーフェクTVにて、2001、7/2放映
B度:★★★★★


*****感想*****
 日中温度がかる〜く体温を超える今日このごろ、如何おすごしでしょう。(注:原文は2001年7月に作成)
 脳味噌煮え立つような熱さには、やはり熱い国の映画がよく似合います。
 と、言うことでインドの仕事人です。
 踊りながら華麗に悪人を始末してゆくのでしょうか。ふくらむ期待。震えるB級魂。
 何てったってインドですから……。
 インドでは何をするにも賄賂がいります。
 潔癖な男セナバチは、賄賂を嫌っていました。娘が交通事故にあったときも警官と医者に賄賂を要求され、ガンとしてはねつけました。結果、警官も医者も働かなくて娘は死にました。
 復讐に燃えるセナバチは、習い覚えた古式インド武術で次々と、娘を死に追いやったやつらを仕置きしてゆく……。
 いきなりソソる内容です。
 思わず「相変わらず解剖したくなるな」と呟いてしまいそうなくらいです。
 
 インド映画ですから当然、豪華絢爛のダンスシーンもあります。ストーリーの本筋とは全然関係ないところですが。って言うか、ダンスシーンには主役、出てなかったような気がします。

 で、問題の殺しのシーンですが……。
 深夜の穀物倉庫。歩いてくる悪人。ぽつんと隅っこで掃除人を装おうセナバチ。目付きが鋭いです。と、言うか、かなり人相悪いです。仕事人ですから、明朗快活じゃいかんとは思いますが、目の周りに黒くクマドリなんかしちゃって怖いです。まるでショッカーの初期戦闘員か、グロンギ人のようです。
 そうとは知らずに通り抜けようとする悪人。(気付けや)
 ぼそりとつぶやくセナバチ。
「独立以来、管理が悪くなった」
 振り向く悪人。
 すかさずモップの柄で腕を一撃。
 ひるんだ所を、「念仏の鉄」のような手付きで胸を一突き。
 ここで日本ならいきなりレントゲンに切り替わるところなのですが!
 死なない。
「助けてくれ〜っっ」
 と叫ぶ悪人。さらに喉元を突く。
まだ死なない。
「助けてーっ」と叫びながらよろよろと歩いてゆく。
 びし、ばしっと胸を突く。
それでも死なない。
 ようやく声は止まりました。
 ここでセナバチ、おもむろにベルトに隠したナイフを引き抜きます。そしてぶすっと……
外すし。
 積み上げられた袋に穴があき、ざーっとお米がこぼれます。
 んでもって片手で悪人を押さえ込み、刺す、えぐる、えぐる、えぐる。
やっと死んだ。
 白いタオルを肩にかけ、颯爽と立ち去るセナバチ。かっこいいです。凛々しいです。
 倒れる悪人の口の中に、こぼれた米がざらざらと溜まってゆく。
 さすがインドです。お米を粗末にしてはいけない!と言う教訓が如実に伺えます。(違うってば)
実際にはこの『こぼれる米』は噴き出すべき血や臓物の代償行為なんじゃないかと思います。画面にはあまり流血などの表現は直接は出なかったしね。
 捜査に行き詰まった警官は、武術道場を尋ね、バラモンに教えを乞います。
 被害者の写真を見せられたバラモンは厳かに答えます。
「これは催眠術だ」(ちょっと待て)
「体の一部に触れることで、相手の五感や声を奪うのだ」(あの、その割にはかなり長いこと叫んでたんですが…)
「若い者はカラテを習いたがる。この技を使える者はあまりいない」
 さらにバラモンは驚愕の事実を口にするのです。
「私が若い頃は、同じ道場でテロリストがこの技を学んでいた」
 何か納得ゆかないものもあるのですが、バラモンのお言葉は絶対です。
 警官はうやうやしくバラモンにお辞儀をして催眠術を使うテロリストを探しに行くのでした……。
 すばらしいです。インドの仕事人。
 今夜はカレーにしよう。

PS :この部分の会話はヒンドゥ語でしたから、恐らく原語ではもーちょっと別の表現をしてたんじゃないか、とは思いますが…そこに「催眠術」と当てちゃった翻訳者に座布団一枚さしあげたい心境です。そういや仕事人にもいたなあ、催眠術使うヤツが……
» category : 映画とTVドラマのこと ...regist » 2004/03/01(Mon) 16:25

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