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» 『ミセス・シークレット・エージェント』 » date : 2004/03/01  
データ:98年米/出演:アンジェラ・ランズベリー/トーマス・イアン・グリフィス/監督:アンソニー・ブレン・ショー
メディア:2001、3/14 スカイパーフェクTV スターチャンネルにて放映

*****感想*****
 彼女は米国ニュージャージーの片田舎に住む好奇心旺盛な老婦人。趣味はガーデニングとボランティア。夫バージルに先立たれて一年目の命日、彼女は主治医の勧めで長年の夢にトライすることにした。彼女の『夢』を聞くなり、ドクターは「冗談でしょう」と爆笑した。
 しかし、おばちゃまは負けなかった。帰宅するなり電話をかけたのだ。
「もしもし、CIA?私、スパイになりたいんですけど」
「地元の議院にでも手紙を書きなさい」(ガチャ)
 ま、これだけで済むならよくある話なんですが…(ほんとか?)
 おばちゃまはめげなかった。
 地元議院の推薦状を片手に国防相に乗り込み、とうとうCIAとの面接をするまでに漕ぎ着けたのだ!
「仕方が無い、適当にあしらって帰すんだ!」
 しかし。折よく(折悪しく?)CIAでは『どっから見てもタダの観光客』に見えるエージェントを探していた。
「だめだ、だめだ! どいつもこいつも引退したスパイにしか見えない!」
 で、たまたま、このエージェントの面接と、おばちゃまの面接が同じ人物の担当だったからさあ大変。しびれを切らした上司が直接、面接室のドアを開けた時、中に居たのは誰あろう、おばちゃまただ一人であった。
「あなたこそ我々の探していた人です!」
「海外旅行は初めてなんですけど」
「素晴らしい。まさしく『素人』そのものだ」(ってーかほんまもんの素人さんなんだってば…)
 かくして。エミリー・ポリファックスおばちゃまは、CIAエージェントとして意気揚々とトルコに飛ぶのでした……。
 勘の良い方は、もうお気付きですね?
 ドロシー・ギルマンの手によるベストセラー、「ミセス・ポリファックスシリーズ」第一巻、「おばちゃまは飛び入りスパイ」の完全映像化。しかも、おばちゃまことミセス・ポリファックスを演じるのは、ジェシカおばさんことアンジェラ・ランズベリーときたもんだ。もう、これ以上ない!と言うぐらいの理想的なキャスティング。
 おばちゃまのトレードマークたる「珍妙な帽子」もあますところなく堪能できます。とにかく、場面変わるごとに、被ってる帽子が違ってるの(笑)(よく原作読んでるなあ、スタッフ)
 これなら、愛しのビショップが「もろ海兵隊」なごっつい兄ちゃんだったのも許しましょう。
 どっちかっつーとメイスン役の人のほうがイメージ合ってたなあ。もっともファレルとおばちゃまの交流をメインにもってくるために、あえて他の人物のグレードを一段階、下げたのかも知れないけれど。
 テンポのよい展開といい、すっとぼけたおばちゃまの素人くさいリアクションといい、実に原作小説の雰囲気が出ています。深夜(ってーか早朝?)に寝ぼけまなこで見たんですが、途中からはしゃっきり、背筋伸ばして画面に見入ってました。
 しかし、映像化されたのを改めてみると、おばちゃま、非常にエージェントとして有能です。
 監禁された先で庭に出れば、植物と鳥から、地理的な位置を割り出すし。さり気ない動作で、尾行してる人物の行き先はしっかりチェック。別に訓練で鍛えた訳でも何でもない、『天然』だからこそ光る技の数々は、かのエーベルバッハ少佐も絶賛するでありましょう。
 天然なだけに、たまに暴発もしますが(笑)
 
 一時間終ったところで「ああ面白かった」と油断したら、あれよあれよと言う間に次のエピソードがはじまるじゃないですか。今度は「おばちゃまはアルペンスパイ」になだれ込み。1本で2冊ぶん、えらく得した気分です。
» category : 映画とTVドラマのこと ...regist » 2004/03/01(Mon) 16:21

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