【幼女姫】カバーとカラー口絵公開

「おとぎの森の幼女姫」、白好出版さんのページでカバーイラストとカラー口絵が公開されました。
今野隼史さんの筆に描かれた情景が。人物たちが、ぐいぐい迫ってきます。
伸ばした指先に雨の湿度や空気の寒さ、生き物の体温を感じ取れるほどぐいぐいと。

表紙の重たい灰色の森の中、ふりしきる雨。
赤い鱗のドラゴンの体からは、白い蒸気がたちのぼっているのがおわかりいただけるでしょうか?
彼は体温が高いのです。体の中に火が燃えているから。

おっさん騎士はほとんど色みがありません。身に着けているものも髪の毛の色も黒、瞳は灰色。
ソーンは『茨の』と言う意味で、彼につけられた呼び名です。苗字ではないのです。
もはや筋肉痛が翌日に来るお年ごろ、長時間の行軍や雨の中の騎行は骨身に染みる。けれど意地でも歯を食いしばり前を向く。

そして中央。
光に包まれて姫がいる。赤い髪、陽に透ける若葉の瞳。ほほえんで、まっすぐに見つめています。
可愛いです。しかしこの幼い姫が、前途多難なあれやこれやを踏み越えようってんですから可愛いだけで終わるはずも無く。
お育てするのは後ろのおっさんと赤いドラゴンですし。
しかも暮らす場所は森の中。しぶとく、ワイルドに、生き抜け姫!

足下には青い花が咲いています。この青い花は、口絵にも描かれています。
夜明の空のようにほんのりと光をまとう四枚の青い花弁。
現実に存在する花の特徴をいくつか取り入れ、作った架空の花です。
おとぎの森ではありふれた花です。おじさん騎士曰く『雑草!』。でも、ちゃんと名前がある花です。
お話の中にすっと筋を通す、重要なモチーフでもあります。
本文の中で見つけたら、表紙もしくは口絵に戻って改めて見つめてみてください。
そして読み終わったらぜひ、帯を外して改めて裏表紙を見てみてください。
そこに何が描かれているのか、読む前と読んだ後では視点が変わってくるかもしれません。

文章の中に練り込んだ要素が、見事に絵として顕現していてもう……もう……
尊い、しか言葉が出ません。
発売日は4月7日(金)。本日より、Amazonで予約受付が始まりました。
画面で表紙画像を拡大すると、みっちり描きこまれた表紙イラストの細部までじっくりご覧いただくことができます。

これから何かとこの本に関したつぶやきが増えるかと思いますが、何てったって本は作者にとって我が子も同然なのです。

のたうちまわり、右往左往し、取り憑かれたようにキーボードを叩き。
家人から「人相変わったよ」と言われるくらいの生みの苦しみを乗り越えて書き上げた一冊。作者が自ら愛でずしてどうする!
……と言うことで、吹っ切って「うちの子かわいいの、見て見て!」と恥も外聞もなくはしゃがせていただきます!

滅多に紙の本の出せない作者です故、なにとぞよろしくお願いいたします。

そして魔女さんは、銀髪に、褐色肌で、せくしー。

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