▼ 7.いつかは。されど、今は。
2011/12/26 0:12 【騎士と魔法使いの話】
四の姫は騎士に連れられ、お屋敷へと帰って行った。
夕闇迫る町の中、満面の笑みで意気揚々と、黒毛の軍馬の背に揺られ。
「やれやれ、急に静かになっちまったなあ」
「ぴゃあ」
しーんと静まり返った店の中でフロウはふぅっとため息をついた。
そもそも、さっきまでが騒がしかったんだ。これが普通。いつもの生活が戻ってきた、ただそれだけの事なのに。当たり前のはずの静けさが、妙に、染みる。
「ぴ……」
ちびがくしくしと顔をすり寄せてくる。
こいつを置いていったってことは、ダインの奴、今夜は兵舎泊まりになるかも知れない。
西道守護騎士団は、王都の騎士に比べれば魔術師への偏見はずっと、薄い。
だが、砦の騎士自らがおおっぴらに使い魔を連れているのは、さすがにちょっと問題があるらしい。
ダインが砦に務めている間、ちびは店に残されるのが常だった。
もともと自分が言いだしたことだ。『砦に詰めてる間、預かってやってもいんだぜ』と。
(いや、いや、ちょっと待て、落ち着けフロウ。そもそも、あっちがあいつの本来の住み処だろうが!)
どうにもいけない。それもこれもダインの奴が店に来るたびに『ただ今!』なんて抜かすからだ。
自然とこっちも『お帰り』とか答えちまう。そう、『らっしゃい』じゃなくて『お帰り』と。
(ただ今、か……)
「ふろう?」
ちびが膝の上で伸び上がり、ぷに、と前足で口元に触れてきた。柔らかな肉球がくすぐったい。触れられた場所から顔がほころび、笑みが浮かぶ。
「ああ、心配すんな、ちび。何でもない。何でもないから、な」
お返しとばかりに耳の後ろをかいてやる。ちびは目を細めてごろごろとのどを鳴らした。
「なあ、ちび公。あいつら、なかなかお似合いの二人だとは思わないか」
「にー?」
「そう、ニコラだ」
明朗快活、豪放磊落、公明正大。光を浴びて常にまっすぐに突き進むあの素直な騎士さまにも、影がある。
表面上は人懐っこいが、ダインは滅多に他人に心を許さない。期待もしない。ただ、尽くすだけだ。
理由はいろいろあるが、煎じて詰めれば要するに……。
父親の正妻に、あの手この手で散々苛め抜かれて来た奴が(ダイン本人は否定するだろうが)、大人になったから、騎士だからって理由だけで、簡単に人を許せるだろうか。信用するだろうか? ってことだ。
あいつが誰かの役に立とうとムキになるのは。筋金入りのお人よしになったのは、利用されるより先に、自分から動いてきた結果に過ぎない。
そんな中で、初対面にもかかわらず、ちびはニコラと共鳴を起こした。つまり、ダインがそれだけあの娘に心を許してるってことだ。
「ちぃっとばかし跳ねっ返りで若干、若すぎないでもないがな。同じ騎士の家柄だ。俺よかよっぽどつり合ってる」
「にー」
「魔術の才能もある。あの娘なら、お前さんのことも可愛がってくれるだろうし……」
ニコラなら、ダインの左目を恐れたりしない。瞬時に見抜くはずだ。
呪いなんかじゃない。れっきとした魔術の才能なんだって。
(あのお嬢さんなら、きっとお前を幸せにしてくれる。俺なんかにひっついてるより、ずっといいさね……)
いつしか太陽はそびえ立つ町並みの向こうへと姿を消し、薬草店の中は青みを帯びた影に塗りつぶされていた。
「おっと……」
ランタンに火を入れた。オレンジ色の明かりがぽわっと部屋を照らし、その一方で濃い藍色の影を落とす。何だか急に肌寒くなってきた。
「飯にするか」
「ぴぃ!」
燭台に灯したロウソクを片手に、厨房へと引っ込んだ。
黙々とジャガイモの皮をむき、タマネギとニンジンを刻み、キャベツを切った。
スパイスと肉を合わせて炒め、まとめて大鍋に放り込む。水を注いで、束ねた香草を浸し、ぐつぐつ煮込む。ひたすら煮込む。
こう言う時は料理が一番だ。ちょっとぐらい落ち込んでも、でき上がる頃には気持ちが切り替わってる。
一つの何かを『成し遂げた』達成感と満足感が、まとわりつくうすら寒い影を振り払ってくれる。
『お前はもっと真っ当な恋愛をした方がいいよ』
これまで幾度となく言ってきた。そのたびに、ダインはむきになって言い返してきた。
『してるさ、お前と!』
(ダイン。ダイン。お前はまだ若い。れっきとした貴族の息子で、前途有望な騎士さまだ)
(こんなロクでも無い浮気性の中年男なんかに、うつつ抜かしてちゃいけない。いけないんだよ……)
『フロウ!』
所々に金髪の混じった、ゆるく波打つ褐色の髪。始めて出会った時は乾いた血がこびりつき、ぐっしょり濡れそぼって見るも惨めな有り様だった。
『フロウ?』
がっちりした手。熱い肌。日々体を動かすことで作られた、バランスのとれた筋肉。表面こそ傷だらけだが、見ていて惚れ惚れとする。
日に透ける若葉にも似た緑の瞳。その左には、魔術師ですら望んでも滅多に得られぬ『才』を秘めている。
生憎と奴の属する階級(せかい)では忌わしい『呪い』と蔑まれちゃいるが、自分には分かる。
あれは、れっきとした力だ、才能だ。うつむくな、胸を張れ。できるものなら自分が欲しいくらいだ!
『フローウ!』
図体がでかいくせに、子供みたいに喜怒哀楽がはっきりしていて、些細な言葉でくるくると表情が切り替わる。
怒る。拗ねる。しょげ返る。涙を浮かべたり、はっふはっふと鼻息荒くして、のしかかって来たり……。
腰に響くほどがっつくかと思えば、惜しげも無く無防備に、気持ちよさげな顔を晒す。うっとりと、蕩けそうな声を聞かせてくれる。
(ええい、くそ、何だってあいつの面ばっか浮かんでくるんだか!)
「あ」
……てなことうだうだ考えてたら、うっかり大量にシチューを作っちまった。
しかも、ニンニク効かせてトマトと肉のがっつり入った、奴好みのを。
「しょーがねえなあ」
かまどの火を落としてとろ火にし、鍋の蓋を閉じて煮込みに入った。
(やれやれ、何てこったい)
今週いっぱい、居座る予定だったからなあ。食い物とか飲み物とか、いろいろ買いすぎちまった。
中年男一人と猫一匹じゃ、食う量なんざたかが知れてる。さて、どうしたものか。
深々とため息をついたその時だ。ばたんっと勢いよく店のドアが開いた。
「悪ぃな、今夜はもう店じまいだよ」
むすっとした声でとっさに言い返す。考えてみりゃ酷い話だ。よろい戸はまだ下ろしてないし、店のドアには開店中の札が下がってるんだから。八つ当たりも甚だしい。
とりあえず客の顔だけでも見て置くか、と店に出ようとしたら……。
のっしのっしと重たい足音が近づいてくる。やれやれ、せっかちな客だね、こっちまで押しかけてくるなんて!
よほどせっぱ詰まってるのか。
「はいはい、今うかがいますよっと……わ」
ぬうっとばかでっかい図体が、目の前に立ちふさがる。
「フロウ!」
「ダインっ?」
「ただ今!」
満面の笑顔で抱きついてきた。
ちくしょう、あったかいなあ。ええ、シャクに障るったらありゃしねえ!
「何で、お前、ここにっ?」
「ニコラは無事に屋敷に送り届けてきたからな。心配すんな!」
「いや、そうじゃなくて、お前、兵舎に戻ったんじゃないのかっ?」
「は? 冗談だろ。今週俺は非番だぞ?」
くんっとにおいをかいでる。
「あ、シチュー作ったのか」
「……おう。食うか」
「食う!食う!」
破顔一笑。
ぶんぶんと高速で揺れるぶっといしっぽの幻が見える。
「んじゃ、まずは店じまいしてからな」
「あれ、もう閉めるのか」
「ん。今日は色々忙しかったからな……」
よろい戸を閉め、札を裏返して『Closed』に切り換える。扉を閉めてからしっかりと鍵をかけ、店の明かりを消して奥へと引っ込んだ。
「結局、今日の客はニコラだけだったな」
「んー、まあ、こんな日もあるさね……そら、熱いから気をつけろよ」
「さんきゅ!」
食卓に座り、向かい合わせで飯を食う。ほんの四ヶ月前までは、想像すらしていなかった。親子ほども年の離れた若い男と二人、毎日のように一緒に飯を食うなんてな……しかも自分の家で。
『あなた、ダインとデキてるってほんと?』
『……さぁ?』
ニコラの問いかけをはぐらかしたのは、そらっとぼけたからじゃない。
正直、自信がなかったのだ。果たしてこいつを愛しているのか。そもそも自分に他人を愛することができるのか。
だが、これだけはわかる。
この笑顔も温もりも。一途に向けられるまっすぐな愛情も。
(俺が……俺なんかが、独り占めしていいはずがないんだ)
いつかは手放さなければいけない。
そうとわかっていても。
(いや、だからこそ)
嬉しそうにシチューをほお張るダインを見ながら、ひざの上のちびをなでる。
「うまいか」
「うんっ、美味いっ」
「いくらでも食え。まだまだどっさりあるからな……」
今、この瞬間だけは。
(四の姫と薬草使い/了)
次へ→【エピローグ】ふかふかな朝★
夕闇迫る町の中、満面の笑みで意気揚々と、黒毛の軍馬の背に揺られ。
「やれやれ、急に静かになっちまったなあ」
「ぴゃあ」
しーんと静まり返った店の中でフロウはふぅっとため息をついた。
そもそも、さっきまでが騒がしかったんだ。これが普通。いつもの生活が戻ってきた、ただそれだけの事なのに。当たり前のはずの静けさが、妙に、染みる。
「ぴ……」
ちびがくしくしと顔をすり寄せてくる。
こいつを置いていったってことは、ダインの奴、今夜は兵舎泊まりになるかも知れない。
西道守護騎士団は、王都の騎士に比べれば魔術師への偏見はずっと、薄い。
だが、砦の騎士自らがおおっぴらに使い魔を連れているのは、さすがにちょっと問題があるらしい。
ダインが砦に務めている間、ちびは店に残されるのが常だった。
もともと自分が言いだしたことだ。『砦に詰めてる間、預かってやってもいんだぜ』と。
(いや、いや、ちょっと待て、落ち着けフロウ。そもそも、あっちがあいつの本来の住み処だろうが!)
どうにもいけない。それもこれもダインの奴が店に来るたびに『ただ今!』なんて抜かすからだ。
自然とこっちも『お帰り』とか答えちまう。そう、『らっしゃい』じゃなくて『お帰り』と。
(ただ今、か……)
「ふろう?」
ちびが膝の上で伸び上がり、ぷに、と前足で口元に触れてきた。柔らかな肉球がくすぐったい。触れられた場所から顔がほころび、笑みが浮かぶ。
「ああ、心配すんな、ちび。何でもない。何でもないから、な」
お返しとばかりに耳の後ろをかいてやる。ちびは目を細めてごろごろとのどを鳴らした。
「なあ、ちび公。あいつら、なかなかお似合いの二人だとは思わないか」
「にー?」
「そう、ニコラだ」
明朗快活、豪放磊落、公明正大。光を浴びて常にまっすぐに突き進むあの素直な騎士さまにも、影がある。
表面上は人懐っこいが、ダインは滅多に他人に心を許さない。期待もしない。ただ、尽くすだけだ。
理由はいろいろあるが、煎じて詰めれば要するに……。
父親の正妻に、あの手この手で散々苛め抜かれて来た奴が(ダイン本人は否定するだろうが)、大人になったから、騎士だからって理由だけで、簡単に人を許せるだろうか。信用するだろうか? ってことだ。
あいつが誰かの役に立とうとムキになるのは。筋金入りのお人よしになったのは、利用されるより先に、自分から動いてきた結果に過ぎない。
そんな中で、初対面にもかかわらず、ちびはニコラと共鳴を起こした。つまり、ダインがそれだけあの娘に心を許してるってことだ。
「ちぃっとばかし跳ねっ返りで若干、若すぎないでもないがな。同じ騎士の家柄だ。俺よかよっぽどつり合ってる」
「にー」
「魔術の才能もある。あの娘なら、お前さんのことも可愛がってくれるだろうし……」
ニコラなら、ダインの左目を恐れたりしない。瞬時に見抜くはずだ。
呪いなんかじゃない。れっきとした魔術の才能なんだって。
(あのお嬢さんなら、きっとお前を幸せにしてくれる。俺なんかにひっついてるより、ずっといいさね……)
いつしか太陽はそびえ立つ町並みの向こうへと姿を消し、薬草店の中は青みを帯びた影に塗りつぶされていた。
「おっと……」
ランタンに火を入れた。オレンジ色の明かりがぽわっと部屋を照らし、その一方で濃い藍色の影を落とす。何だか急に肌寒くなってきた。
「飯にするか」
「ぴぃ!」
燭台に灯したロウソクを片手に、厨房へと引っ込んだ。
黙々とジャガイモの皮をむき、タマネギとニンジンを刻み、キャベツを切った。
スパイスと肉を合わせて炒め、まとめて大鍋に放り込む。水を注いで、束ねた香草を浸し、ぐつぐつ煮込む。ひたすら煮込む。
こう言う時は料理が一番だ。ちょっとぐらい落ち込んでも、でき上がる頃には気持ちが切り替わってる。
一つの何かを『成し遂げた』達成感と満足感が、まとわりつくうすら寒い影を振り払ってくれる。
『お前はもっと真っ当な恋愛をした方がいいよ』
これまで幾度となく言ってきた。そのたびに、ダインはむきになって言い返してきた。
『してるさ、お前と!』
(ダイン。ダイン。お前はまだ若い。れっきとした貴族の息子で、前途有望な騎士さまだ)
(こんなロクでも無い浮気性の中年男なんかに、うつつ抜かしてちゃいけない。いけないんだよ……)
『フロウ!』
所々に金髪の混じった、ゆるく波打つ褐色の髪。始めて出会った時は乾いた血がこびりつき、ぐっしょり濡れそぼって見るも惨めな有り様だった。
『フロウ?』
がっちりした手。熱い肌。日々体を動かすことで作られた、バランスのとれた筋肉。表面こそ傷だらけだが、見ていて惚れ惚れとする。
日に透ける若葉にも似た緑の瞳。その左には、魔術師ですら望んでも滅多に得られぬ『才』を秘めている。
生憎と奴の属する階級(せかい)では忌わしい『呪い』と蔑まれちゃいるが、自分には分かる。
あれは、れっきとした力だ、才能だ。うつむくな、胸を張れ。できるものなら自分が欲しいくらいだ!
『フローウ!』
図体がでかいくせに、子供みたいに喜怒哀楽がはっきりしていて、些細な言葉でくるくると表情が切り替わる。
怒る。拗ねる。しょげ返る。涙を浮かべたり、はっふはっふと鼻息荒くして、のしかかって来たり……。
腰に響くほどがっつくかと思えば、惜しげも無く無防備に、気持ちよさげな顔を晒す。うっとりと、蕩けそうな声を聞かせてくれる。
(ええい、くそ、何だってあいつの面ばっか浮かんでくるんだか!)
「あ」
……てなことうだうだ考えてたら、うっかり大量にシチューを作っちまった。
しかも、ニンニク効かせてトマトと肉のがっつり入った、奴好みのを。
「しょーがねえなあ」
かまどの火を落としてとろ火にし、鍋の蓋を閉じて煮込みに入った。
(やれやれ、何てこったい)
今週いっぱい、居座る予定だったからなあ。食い物とか飲み物とか、いろいろ買いすぎちまった。
中年男一人と猫一匹じゃ、食う量なんざたかが知れてる。さて、どうしたものか。
深々とため息をついたその時だ。ばたんっと勢いよく店のドアが開いた。
「悪ぃな、今夜はもう店じまいだよ」
むすっとした声でとっさに言い返す。考えてみりゃ酷い話だ。よろい戸はまだ下ろしてないし、店のドアには開店中の札が下がってるんだから。八つ当たりも甚だしい。
とりあえず客の顔だけでも見て置くか、と店に出ようとしたら……。
のっしのっしと重たい足音が近づいてくる。やれやれ、せっかちな客だね、こっちまで押しかけてくるなんて!
よほどせっぱ詰まってるのか。
「はいはい、今うかがいますよっと……わ」
ぬうっとばかでっかい図体が、目の前に立ちふさがる。
「フロウ!」
「ダインっ?」
「ただ今!」
満面の笑顔で抱きついてきた。
ちくしょう、あったかいなあ。ええ、シャクに障るったらありゃしねえ!
「何で、お前、ここにっ?」
「ニコラは無事に屋敷に送り届けてきたからな。心配すんな!」
「いや、そうじゃなくて、お前、兵舎に戻ったんじゃないのかっ?」
「は? 冗談だろ。今週俺は非番だぞ?」
くんっとにおいをかいでる。
「あ、シチュー作ったのか」
「……おう。食うか」
「食う!食う!」
破顔一笑。
ぶんぶんと高速で揺れるぶっといしっぽの幻が見える。
「んじゃ、まずは店じまいしてからな」
「あれ、もう閉めるのか」
「ん。今日は色々忙しかったからな……」
よろい戸を閉め、札を裏返して『Closed』に切り換える。扉を閉めてからしっかりと鍵をかけ、店の明かりを消して奥へと引っ込んだ。
「結局、今日の客はニコラだけだったな」
「んー、まあ、こんな日もあるさね……そら、熱いから気をつけろよ」
「さんきゅ!」
食卓に座り、向かい合わせで飯を食う。ほんの四ヶ月前までは、想像すらしていなかった。親子ほども年の離れた若い男と二人、毎日のように一緒に飯を食うなんてな……しかも自分の家で。
『あなた、ダインとデキてるってほんと?』
『……さぁ?』
ニコラの問いかけをはぐらかしたのは、そらっとぼけたからじゃない。
正直、自信がなかったのだ。果たしてこいつを愛しているのか。そもそも自分に他人を愛することができるのか。
だが、これだけはわかる。
この笑顔も温もりも。一途に向けられるまっすぐな愛情も。
(俺が……俺なんかが、独り占めしていいはずがないんだ)
いつかは手放さなければいけない。
そうとわかっていても。
(いや、だからこそ)
嬉しそうにシチューをほお張るダインを見ながら、ひざの上のちびをなでる。
「うまいか」
「うんっ、美味いっ」
「いくらでも食え。まだまだどっさりあるからな……」
今、この瞬間だけは。
(四の姫と薬草使い/了)
次へ→【エピローグ】ふかふかな朝★