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とりねこの小枝

電子書籍「まどろむダンデライオン〜カリフォルニア警察物語〜」配信中

2013/05/03 19:05 電子書籍版十海



サンフランシスコ市警の新米刑事、ハルカが先輩刑事ライオネルに惚れた。強面で、肩幅広くて胸板の厚い、がっちりした男前の男に。
 悩みながらも告白を決意したその朝、告げられたのは別れの言葉。
「今月一杯で転属する」
 引き止める事も打ち明ける事もできぬまま一年が過ぎる。
 それでも冷めぬもどかしさの中、二人は同僚の結婚式で再会する。ぎごちないながらも次第に元のように打ち解けて行く彼らの姿を、ひそかに監視する男が居た。
「何故そいつを選んだ」
「何故わからない。お前にふさわしいのは俺なんだ。じっくり思い知らせてやる……その、体に」
 痴情のもつれと人は言う。だが情と言う名のもつれた糸の、その先にいるのは人間だ。悩み、戸惑い、怒り、或いはただの生理現象、悲しみ、憎しみ、切なさ、そして喜び。
 他人から見れば呆れるほどに他愛ない理由で汗を流す。涙を流す。血を流す。
 その一滴一滴の中に己の全てを記した印を落としながら。
 そんな、「ただの人間」なのだ。
 
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 本館「ローゼンベルク家の食卓」の設定と登場人物を換骨奪胎して再構成、読み切り小説にまとめた一冊。
 悩んだり照れたり戸惑ったり、憤ったり喜んだり、涙を流したり……生きた人間と人間が想い合う時に生じる心の動きを、恋愛を主題にした作品を長く手がけてきた経験を糧に丹念に書き込みました。
 表紙+カラー口絵一点+モノクロ挿絵三点の美麗なイラスト入りです。
 海外ドラマを見ながらつい、無意識のうちにカップリングを考えてしまう方へ。
「筋肉のしっかりついた体を描いてください」
「身長は低いけれど受けの方がガタイがいいです」
「攻めは日系、受けはコーカソイドです」
 難しいリクエストに、既にラフの段階で素晴らしい絵で答えてくださった友弥ちなみさんの技量に感嘆のため息がこぼれました。特にラストシーンの一枚は「そうだ、これだ。これしかない」の一言に尽きます。
 文章で一枚ずつ積み上げてきた花びらが、柔らかな風に舞い上がって夜空に鏤められるような…そんな読後感を作り上げてくれました。

きんどるどうでしょうさんで取り上げていただきました。ありがとうございます!
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