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ローゼンベルク家の食卓

【side1-3】そして、退院の日

2008/04/11 20:33 番外十海
「……ただ今」
「お帰り」

 そんな訳で、ディフが退院したとき。

「今から病院にいくところだったんだが……」
「……待ちきれなかった」
「しょうがないな……先に家に戻っててくれ。気をつけて。荷物は貰おうか?」
「大丈夫、自分で運ぶよ。でも、ありがとな、レオン」

 ライオンとクマ、新旧2体のぬいぐるみが一緒になって帰還していたのだった。
 クマは鞄の中に。白いライオンは……しっかりと腕に抱えられて。

 長い赤毛をなびかせて、ライオンのぬいぐるみを抱えて悠々と歩くディフの姿を、道行く人がけっこう注目していたりしたのだが……。
 当人はまったく気にしていないし。
 レオンももちろん、気にするはずがなく。

「しょうがないなあ……」

 ハンドルを握りながら、くすくすと笑っていたのだった。


(了)


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